Recory ノート ダウンロード
選び方と比較

文字起こしアプリの比較——詰まるのは「月の合計」ではなく「1回の上限」です

無料枠の比較表は月の合計だけを載せますが、実際に止まるのは1回あたりの上限です。3分・10分・3時間と桁が違います。端末の標準機能からWebサービスまで13個を、この列を足して並べました。

比較表を見ると、無料プランの欄には月の合計時間が並んでいます。ところが実際に止まるのは、そこではありません。

この記事の内容(26項目)
  1. 1回の上限で、何が起きるか
  2. 13個を、1枚の表で
  3. 端末に入っているもの(3つ)
  4. Webサービス(6つ)
  5. 自分で動かす(Whisper)
  6. 「アプリ」と書いてあっても、形が3つあります
  7. 対応している言語と、混ざったとき
  8. その場で文字が出るか、あとで出るか
  9. 比較表に出てこない5項目
  10. やめたときに、何が残るか
  11. 「無料」には2種類ある
  12. 無料と有料の分かれ目
  13. 1時間あたりに直して並べる
  14. 精度で選ぼうとすると、決まりません
  15. 用途から選ぶ
  16. Recoryはどこに当たるか
  17. Androidの場合
  18. 選ぶときの順番
  19. 会議の長さ別に、通る道具
  20. 長い会議を、分けずに済ませるには
  21. 職場で使うときに、先に確認すること
  22. 3社に同じ音声を通してみる
  23. 乗り換えるときの手順
  24. この記事に載せなかったもの
  25. この記事の更新履歴
  26. この記事から分かれる話

1回あたりの上限です。ここが3分のサービスと3時間のサービスがあり、月の合計より先にこちらで詰まります。まずこの列を作ります。文字にするだけでなく決定事項と宿題まで作る製品も含めて広く見たい場合は議事録アプリの比較にまとめました。

1回3分Notta 無料1回10分文字起こしさん 無料1回3時間Windows サウンドレコーダー制限なしiPhone ボイスメモ
無料枠で先に当たるのは、1回の上限のほう。

1回の上限で、何が起きるか

Nottaの無料プランは月120分あります。十分に見えますが、1回の録音が3分までです。1時間の会議を録ろうとすると、最初の1本で通りません。月の合計を使い切ることすらできない。

文字起こしさんの無料枠は、1ファイル10分まで。15分の打ち合わせでも通らない計算になります。有料プランでは1ファイルの上限が90分・3時間・5時間と段階的に上がります。

一方、端末に入っている機能には、この制約がないものがあります。iPhoneのボイスメモは、録れた録音をそのまま文字起こしできます。Windowsのサウンドレコーダーは1本あたり最大3時間です。

つまり「無料でどこまで」の答えは、月の合計ではなく1回の上限で決まります。比較表の欄が1つ足りていない、という話です。

13個を、1枚の表で

条件をそろえて並べます。価格は税込、無料枠は「1回の上限」を書きます。

入口無料枠(1回の上限)有料の月額話者分離
iPhone ボイスメモiPhone標準制限なし×
Word トランスクリプトWindows/Web月300分Microsoft 365に含む
Googleドキュメント 音声入力ブラウザマイクからのみ×
Nottaアプリ/Web月120分・1回3分¥1,980〜
Rimo VoiceWeb/アプリ要確認¥1,650〜
文字起こしさんWeb1ファイル10分¥1,100〜記載を確認できず
LINE WORKS AiNoteWeb月300分・1回60分要問い合わせチーム以上
torunoWindows/Web累計3時間¥1,650〜
YOMELWeb要問い合わせ
Whisper(手元で動かす)PC無制限×(別途必要)
AutoMemo専用機/アプリ/Web月1時間・閲覧は7日¥1,480(30時間)
TexteriPhone/Android他リアルタイム1分¥1,800
Otolio(旧スマート書記)Web無料プランは無い(14日試用)要問い合わせ
RecoryiPhoneアプリ3会議・各60分¥980〜

いちばん上と下から2番目が、制約の少なさでは突出しています。どちらも「端末の中で動く」型だからです。その代わり、話者は分かれません。

各サービスの詳しい料金と条件は、それぞれの記事にまとめてあります。以下は選ぶときに効く点だけを書きます。

端末に入っているもの(3つ)

追加の費用がかからない範囲です。まずここで足りるかを確かめると、無駄な契約をせずに済みます。

iPhone ボイスメモ

時間の制限なしで文字起こしできます。条件はiPhone 12以降・iOS 18.0以降で、それ以前の機種では機能そのものがありません。表示言語が対応言語である必要もあります。

話者は分かれません。3人以上の会議だと、誰の発言か分からない一続きの文章になります。要約も付きません。1対1の面談、自分用のメモ、講義の記録なら、これで足りることが多い(ボイスメモの使い方)。

Word のトランスクリプト

Microsoft 365を契約していれば使えます。月300分で、日本語に対応し、話者分離があります。対応ブラウザはEdgeとChromeです。

無料の範囲で話者が分かれる数少ない選択肢なので、すでにMicrosoft 365を使っている職場では有力です。録音済みのファイルを読ませることもできます。

Googleドキュメント 音声入力

マイクから話す形です。録音済みのファイルを読ませる手順は、公式ヘルプに記載を確認できませんでした。会議の録音を文字にする用途には、そのままでは向きません。

音声コマンドは英語でのみ利用でき、アカウントとドキュメントの両方の言語を英語にする必要があります。日本語では、話しながら書く用途に絞られます。

Webサービス(6つ)

契約して使う型です。無料枠の性質がサービスごとに大きく違います。

Notta

無料は月120分、1回3分。話者識別は無料プランでも使えます。月払いはプレミアム¥1,980・ビジネス¥4,180(税込)で、年払いにすると月1,185円まで下がります。

注意する点が1つあります。公式に、解約後は過去の文字起こしが冒頭3分しか読めなくなると案内されています。書き出しは有料の機能です。長く使う前提なら、ここを見ておいてください(Nottaの料金)。

文字起こしさん

月1,100円で24時間。時間あたり約46円は、この分野では突出して安い部類です。無料枠は1ファイル10分まで。

1ファイルの上限がプランで変わります(90分/3時間/5時間)。長い会議を扱うなら、この上限を先に見てください。話者分離と要約については、公式に記載を確認できませんでした(文字起こしさんの料金)。

Rimo Voice

文字起こしプランが月¥1,650(税込)から。2026年8月にClaudeの公式コネクタへ国内の議事録ツールとして初めて掲載されました。外部のAIから会議の記録を読ませたい場合、いまのところ選択肢が限られます(Rimoとの違い)。

LINE WORKS AiNote

CLOVA Note βの後継にあたるサービスです。フリープランは月300分・1回60分。データの学習利用が「あり」で、保管は1年と公式に記載があります。

話者の自動識別はチーム以上のプラン限定です。フリープランでは分かれません(CLOVA Note終了と移行先)。

toruno

株式会社リコーのサービスです。個人向けは月¥1,650、法人向けは別体系。同じ月100時間でも、AI要約が付くかどうかで28,500円と85,500円に分かれます(税抜)。

デスクトップアプリはWindows専用で、iPhoneアプリはWeb会議の文字起こしに使えません。使う環境を先に確認してください(torunoの料金)。

YOMEL

法人向けです。4プランあり、時間あたり933円(30時間)から500円(500時間)まで下がります。英語対応は全プランで別料金、SSO認証は月100,000円の別オプションです。

ISO/IEC 27001を取得済み(IS 767963)で、セキュリティチェックシートを公開しています。調達で認証が要件になる場合は、ここが効きます(YOMELの料金)。

AutoMemo(オートメモ)

ソースネクストのサービスです。専用のボイスレコーダーと、スマートフォンのアプリの両方から使えます。

無料の「お試しプラン」は月1時間まで。ただしデータの閲覧期間が7日間で、ここがこの記事の他のサービスと性質が違います。文字にはできても、1週間で読めなくなる。専用機やチャージを買っている人は無期限になる、という条件付きです。

プレミアムプランは月¥1,480(税込)で30時間。1時間あたり約¥49で、量を使う側では安い部類に入ります。年払いは14,800円、初月無料。足りなくなったときのチャージは10時間¥1,980・50時間¥9,900(有効期限180日)。

話者は自動で分かれます。ただし公式のよくある質問に、分離できるのはクラウド上だけと書かれています。専用機の中で完結する処理ではありません。

Texter

個人の開発者が出しているアプリです。iPhoneだけでなく、iPad・Apple Watch・Mac・Androidに対応していて、この記事の中では対応する機器がいちばん広い。

無料の範囲が独特です。リアルタイムの文字起こしは1分まで。画像の文字起こしが1日3回、録音と動画の文字起こしは「短時間」と案内されています。1回の上限という観点では、この記事の中でいちばん短い部類になります。

Premiumは月¥1,800で、3日間の無料トライアルが付きます。Whisperでの文字起こしが無制限、高性能モードは月3時間まで、という2段構えです。話者識別、要約テンプレート20種、アクションアイテムの抽出まで含まれます。アプリの中には週¥600のプランもあります。

「無制限」の中身が2段に分かれているのは、この分野ではよくある形です。安いエンジンは無制限、精度の高いほうは時間で区切る。契約前に、どちらの数字を見ているか確かめてください。

Otolio(旧スマート書記)

法人向けです。料金は公開されておらず、初期費用とAIクレジット(使った分だけ減る月々の枠)の組み合わせで、金額は問い合わせて決める形になっています。人数ではなく使う量で決まるので、アカウントを増やしても料金は変わらない、という設計です。

この記事の中で唯一、無料プランがありません。あるのは14日間の無料トライアルだけで、対象も法人・団体に限られます。しかも公式のよくある質問に、契約に進まない場合はトライアル中のデータを削除すると明記されています。試すぶんには全機能が使えますが、「無料で使い続ける」道は最初から用意されていません。

データは東京リージョンを基本として国内のデータセンターに置く、と案内されています。

自分で動かす(Whisper)

OpenAIが公開しているモデルを、自分のパソコンで動かす方法です。音声が1バイトも外に出ません。社外に出せない会議で効きます。

時間の制限はありません。モデルは6種あり、turboはlargeの約半分の大きさで約8倍速です。ただし話者分離は付いておらず、誰が話したかを分けるには別のライブラリが要ります。

APIのWhisperは正反対で、音声はOpenAIへ送られ、1ファイル25MBの上限があります。同じ名前でも性質が逆なので、混同しないでください(Whisperで文字起こしする)。

「アプリ」と書いてあっても、形が3つあります

もう1つ、比較表からは読み取りにくいところです。同じ「文字起こしアプリ」でも、動く場所が違います。

動く場所効いてくるところ
端末のアプリスマートフォンの中通信が要らないものがある。落ちると失う
Webサービス事業者のサーバーどの端末からも開ける。音声は外へ出る
PCのソフト自分のパソコン音声が外へ出ない。準備が要る

この違いが、社内で使えるかどうかを分けます。音声を外部へ送ることが規程で制限されている職場では、真ん中が選べません。残るのは1つめの一部と3つめです。

もう1つ、Webサービスはブラウザのタブを離れると止まるものがあります。その場で認識する型に多い制約で、会議中に別の資料を見た瞬間に切れます。録音を別に確実に取っておくのが安全です(ブラウザで文字起こしする)。

対応している言語と、混ざったとき

英語や中国語が入る会議がある場合の見方です。表記が紛らわしいので、確認する項目を先に書きます。

多くのサービスは「この音声は日本語」と指定する作りになっています。指定した言語以外の部分は苦手になるので、日本語の会議に英語の固有名詞が混じると、そこで崩れることがあります。

一度に1つの言語しか扱えないと明記しているサービスもあります。「対応言語100以上」と書いてあっても、1つの音声に混ざったものを同時に扱えるとは限りません。ここは表記が紛らわしいところなので、対応言語の数ではなく「混在に対応するか」を見てください。

英語の会議が定期的にあるなら、選び方が変わります(英語の会議を記録する)。翻訳まで要るかどうかでも候補が変わります。

その場で文字が出るか、あとで出るか

比較表の「文字起こし」は、性質の違う2つを同じ言葉で呼んでいます。録り終えてから文字にする型と、話しているそばから画面に文字が出る型です。どちらが要るかで、候補がかなり絞れます。

その場で出る型が効くのは、会議中に文字を見ながら進めたい場面です。聞き取りにくい相手がいる、複数人で同じ画面を見て確認したい、その場で用語を直したい。Googleドキュメントの音声入力は、この型のいちばん素朴な例になります。

あとで出る型が効くのは、記録として残す場面です。待てるならこちらのほうが精度は上がります。前後の文脈を全部読んでから決められるからで、その場で出す型には先頭から順に確定させていく制約があります。

もう1つ、比較表に出てこない項目があります。「えー」「あの」といった言い淀みを消すかどうかです。消えると読みやすくなりますが、消しすぎると「その場で即答できなかった」という事実まで消えます。条件交渉の記録では、消さない設定を選べるかどうかが効いてきます。

見るのはこの3つです。

見る項目効いてくる場面
その場で文字が出るか会議中に画面を見ながら進めたい
言い淀みを消さない設定を選べるか条件交渉・トラブル対応の記録
出たあとに直せるか固有名詞を毎回直している

比較表に出てこない5項目

各社の仕様表を全部集めても、次の5つは書かれていません。買ったあとに困るのは、たいていこちらです。

見る項目なぜ効くか
1回あたりの上限月の合計より先にここで詰まる
やめたときに何が残るか書き出せないと、記録ごと失う
落ちたときに何が残るか長い会議の途中で切れる
議事録の行から音声へ戻れるか文字起こしを疑ったとき確かめられる
1時間あたりの実効単価月額を、実際に使う時間で割った値

2つめが、この分野でいちばん見落とされます。Nottaのように、解約後の閲覧が制限されると明記しているサービスもあります。数か月ぶんの記録が読めなくなると、乗り換えのコストが跳ね上がります。

書き出し形式が公開されているかは、契約前に確認できる項目です。テキストで出せるなら、少なくとも中身は持ち出せます。

やめたときに、何が残るか

前に挙げた5項目のうち、契約前にいちばん見ておくべきものです。数か月ぶんの記録が読めなくなると、乗り換えのコストが跳ね上がります。

確認するのは3つです。どれも契約前に調べられます。

1. 解約後も過去の記録を読めるか。Nottaは公式に、解約後は冒頭3分しか読めなくなると案内しています。全部が消えるわけではありませんが、実質的に読めません。

2. 書き出せるか、そしてそれは有料の機能か。テキストで書き出せれば、少なくとも中身は手元に残せます。書き出し自体が有料プランの機能になっているサービスがあるので、無料で使い続けるつもりなら確認が要ります。

3. 音声そのものを持ち出せるか。文字起こしだけでなく、元の音声も残しておきたい場合です。あとから別のサービスに通し直せるので、長く残す記録では効きます。

サービスが終わることもあります。CLOVA Note βは2025年7月31日に終了しました。累計登録者100万人のサービスでも終わります。無料だから終わるのではなく、事業の都合で終わります。

長く使う前提なら、定期的に書き出して手元に置いておく運用にするのが確実です(やめる前に確かめること)。サービスの都合に左右されなくなります。

「無料」には2種類ある

比較記事で「無料」と書かれているものには、性質のまったく違う2つが混ざっています。ここを取り違えると、1か月後に使えなくなります。

1つめ、無料プラン。機能や時間に制限が付く代わりに、期限なく使い続けられる形です。この記事の表に載せた無料枠は、すべてこちらを指しています。

2つめ、無料トライアル。期間中は有料プランと同じ機能が全部使えますが、終わると使えなくなります。14日や30日で区切られていることが多い。試すには最適ですが、「無料で使い続けられる道具」を探しているなら候補にはなりません。

見分け方は、料金ページに「無料プラン」と「無料で試す」のどちらが書いてあるかです。後者しか無いサービスは、無期限に無料で使える道はありません。トライアルにクレジットカードの登録が要るかどうかも、同じ場所で確認できます。

この記事で挙げた中では、Otolio(旧スマート書記)がトライアルだけのサービスです。14日間は全機能が使えますが、無料プランはありません。しかも公式に、契約へ進まなければトライアル中のデータは削除すると書かれています。試すための無料であって、使い続けるための無料ではない。

厄介なのは、比較記事の側が2つを区別せずに「無料」と並べていることです。14日で消える機能と、ずっと使える機能が、同じ列に入っています。自分で料金ページを開いて確かめる以外に確実な方法はありません。

無料と有料の分かれ目

「有料にすべきか」を決める計算です。時間で決めます。

自分の時給を出して、無料の道具で余計にかかる時間を掛けます。たとえば、1回の上限に引っかかって会議を分割する手間、話者が分かれないぶんを手で補う手間。

状況無料で足りるか
月に1〜2本、1対1の面談足りる
週1本の会議、話者は自分で分かる足りることが多い
週2本以上、3人以上の会議手作業が積み上がる
固有名詞が多く、毎回直している辞書登録がある有料へ
記録を長期に残す書き出しの条件を確認

下2つが、有料に移る典型的な理由です。時間の節約より、「毎回同じ手作業をしている」という状態のほうが判断材料になります。

無料で通しきる道筋そのものは議事録を完全無料で作るにまとめました。録るところから配るところまで、無料の道具だけで繋いだ手順です。

1時間あたりに直して並べる

月額を、実際に使う時間で割ります。月10時間使う前提でそろえます。

月額(税込)含む時間1時間あたり
iPhone ボイスメモ¥0制限なし¥0
Whisper(手元)¥0無制限¥0
文字起こしさん¥1,10024時間約¥46
Recory ライト¥98010時間¥98
Rimo 文字起こし¥1,65035時間約¥47
Notta プレミアム¥1,980月1,800分約¥66
AutoMemo プレミアム¥1,48030時間約¥49
Texter Premium¥1,800Whisperは無制限

上2つが0円なのは、話者分離も要約も付かないからです。単価だけで選ぶと、あとから足りないものが出てきます。前に書いた5項目と合わせて見てください。

料金の比べ方そのものはAI議事録の料金を1時間あたりに直して並べるにまとめました。単位をそろえないと、月額の大小では判断できません。

精度で選ぼうとすると、決まりません

比較記事に「精度98%」のような数字が並びますが、測り方が書かれていないことがほとんどです。そのままでは比べる材料になりません。

同じ音声でも、何を数えるかで結果が変わります。文字単位の一致率、単語単位の一致率、読める文章になっているか。そしていちばん効くのは、どんな音声で測ったかです。静かな場所で1人が原稿を読んだ音声なら、どのサービスでも高い数字が出ます。

だから、実務では自分の会議を1本通すのが唯一確実な比較になります。多くのサービスに無料枠があるので、同じ音声を2〜3社に通して見比べてください。1時間かかりません。

見るのは3点です。全体の一致率より、この3つのほうが実害に直結します。

  • 固有名詞が合っているか(社名・製品名・人名)
  • 数字が合っているか(日付・金額)
  • 話者が分かれているか(複数人の会議なら)

全体の一致率ではなく、この3つを見てください。助詞が多少違っても実害はありませんが、金額が違うと実害が出ます。精度の数字の読み方は「精度98%」は何の数字かにまとめました。

用途から選ぶ

条件を明示したうえで並べます。「会議の記録を残して、あとで読める形にする」という条件での順番です。

1. まず無料で試したいiPhoneのボイスメモ。時間の制限がなく、追加の契約も要りません。足りなかったものがはっきりしてから次へ進めます

2. 話者を分けたい、でも費用を抑えたいWordのトランスクリプト。Microsoft 365を既に契約しているなら追加費用なし。月300分まで

3. 量を使う文字起こしさん。月1,100円で24時間は、時間あたりで突出しています。1ファイルの上限を確認してください

4. 音声を外に出せないWhisperを手元で動かす。技術的な準備は要りますが、音声が外へ出ません。話者分離は別途用意することになります

5. 対面の会議を、iPhone1台で議事録まで → このあとに書きます。うちの製品なので、できないことから並べます。専用機を買う前の確認にも使えます

6. 外部のAIから過去の記録を読ませたいRimo Voice。国内では対応が早い部類です。仕組みそのものは会議の記録をAIに繋ぐと何が変わるのかにあります

Recoryはどこに当たるか

先に、できないことから書きます。RecoryiPhone専用のアプリで、AndroidもWeb版もありません。通話録音はできず、Web会議にボットを入れる機能もありません。無料で試せるのは3会議・各60分までです。合わない条件はまとめてあります

当たるのは、上の「5」です。対面の会議を、その場のiPhoneだけで録って議事録にするところに寄せています。参加者の立場を指定して、宿題の担当が取り違わないようにする機能があります。月¥980からで、ライトは月10時間ぶんです。

Web会議が中心なら、この記事の他のサービスのほうが噛み合います。ボットが自動で入る形は、iPhoneのアプリでは作れません。

Androidの場合

この記事で挙げた端末の標準機能は、iPhoneとWindowsのものです。Androidは端末によって事情が違います。

Pixelには「レコーダー」が標準で入っていて、端末内での文字起こしに対応しています。通信が要らない作りなので、電波が届かない場所でも動きます。ただし日本語では話者が分かれません。公式ヘルプに、話者ラベルは米国英語でのみ利用できると明記されています。

Galaxyには「ボイスレコーダー」が標準で入っています。その他のメーカーでは、標準の録音アプリ自体が入っていないことがあります。

Webサービスの側は、Androidでもブラウザから同じように使えます。端末に依存するのは、標準機能を使う場合だけです(Androidで会議を文字起こしする)。

選ぶときの順番

1回の上限を見る話者が要るか決めるやめたとき何が残るか確認無料枠で1本通す
この順に潰すと、候補が1つか2つに絞れます。
  1. 1回あたりの上限を見る。自分の会議の長さが通るか
  2. 話者を分ける必要があるか決める。要るなら候補が減ります
  3. やめたときに何が残るか確認する。書き出せるかどうか
  4. 無料枠で、自分の会議を1本通す。公表されている精度より確実です

4つ目を飛ばさないでください。同じサービスでも、自分の会議では違う結果になります。録音の環境、人数、扱う固有名詞。そこが人によって違うからです。

会議の長さ別に、通る道具

自分の会議の長さから逆に引く表です。1回の上限に照らして、通るものだけを残しました。

会議の長さ無料で通るもの備考
〜3分ほぼ全部Nottaの無料枠もここまで
〜10分文字起こしさん(無料)ほか短い打ち合わせ
〜60分LINE WORKS AiNote(フリー)月300分の枠内
〜3時間Windows サウンドレコーダー録音のみ。文字起こしは別
制限なしiPhone ボイスメモ/Whisper(手元)話者は分かれない

1時間の会議が通る無料の選択肢は、思ったより少ないのが分かります。iPhoneのボイスメモか、AiNoteのフリープラン(月300分の枠内)か、手元のWhisperか。

有料にすれば選択肢は広がりますが、そのときも1ファイルの上限は残ります。文字起こしさんは有料プランでも90分・3時間・5時間と段階があります。半日の研修を1本で通したいなら、上限の大きいプランが要ります。

長い会議を、分けずに済ませるには

上限に当たったときの対処です。分割するのが定石ですが、そのぶん手間が増えます。

分割すると起きること。ファイルが増える、文字起こしがつながらない、話者のラベルが会議をまたいで一致しない。3つ目がとくに面倒で、前半の「話者A」と後半の「話者A」が同じ人とは限りません。

避けるには2つの道があります。どちらを選ぶかで、手間のかかる場所が変わります。

1. 上限の大きい道具を選ぶ。契約前に1ファイルの上限を確認します。この記事の表の右端です。

2. 録音と文字起こしを分ける。録音は制限のない道具で1本のまま取り、文字起こしだけを分けて回す。元の音声が1本で残るので、あとから聞き直すときに困りません。

2つ目のほうが現実的です。録音は端末の標準機能で通し、文字起こしのサービスへは分割して渡す。手間は増えますが、記録としては1本で残ります。

長時間の録音そのものの注意は長時間の会議をiPhoneで録るにまとめました。電池と容量のほうが先に問題になります。

職場で使うときに、先に確認すること

個人で試すのは自由ですが、会社の会議を扱うなら順番があります。あとから止められると、記録の置き場所ごと困ることになります。

1. 社内の規程を見る。外部のサービスへ音声を送ることが制限されている職場があります。制限がある場合、この記事のWebサービスは全部使えません。残るのは端末の中で動くものだけです。

2. どこへ送られるか調べる。サービスの規約とプライバシーポリシーの両方を見ます。片方だけでは分かりません。学習に使われるか、どこの国で処理されるか、いつまで保管されるかが、別々の文書に書かれていることがあります。

3. 誰が契約するか決める。個人のアカウントで会社の会議を扱うと、退職時に記録が持ち出せなくなります。逆に、会社が契約していれば管理者が権限を整理できます。

LINE WORKS AiNoteのフリープランのように、データの学習利用が「あり」と明記されているサービスもあります。明記されているのは誠実な書き方ですが、社外秘の会議には向きません。

確かめ方の手順はAI議事録のセキュリティを、自分で確かめる5つの質問に、漏れる経路の整理はAI議事録から情報が漏れる経路は4つにまとめました。個別の可否については、社内規程と、必要なら弁護士にご確認ください。

3社に同じ音声を通してみる

最後に、いちばん確実な選び方を書きます。同じ音声を、候補の3社に通す。

準備するのは1本だけです。自分の実際の会議を10分ぶん。きれいな音声ではなく、いつもの会議室で、いつもの人数で録ったものを使ってください。

見るのは前に書いた3点です。固有名詞、数字、話者。加えて、出てきた結果を直すのに何分かかったかを測ります。

測ること記録する
固有名詞の誤り何個あったか
数字の誤り何個あったか
話者分かれたか、正しかったか
直す時間10分の音声で何分かかったか

いちばん下が決め手になります。精度の数字より、「自分の会議で直すのに何分かかるか」のほうが、毎月の手間に直結するからです。10分の音声で5分かかるなら、1時間の会議では30分。それが週2本なら月4時間です。

この4時間を減らせるかどうかで、有料に移る価値が決まります。1時間かけて3社を比べれば、そのあと何か月も迷わずに済みます。

乗り換えるときの手順

いま使っているものから移る場合です。準備なしに切り替えると、過去の記録が読めなくなることがあります。

順番は4つです。上から順に進めてください。

  1. いまのサービスから、過去の記録を書き出す。解約してからでは遅い場合があります
  2. 新しい候補を、無料枠で試す。前に書いた3社比較をここでやります
  3. 1か月は両方を並行して使う。新しいほうで足りるか確かめる期間です
  4. 問題がなければ、古いほうを解約する

3つ目を飛ばさないでください。移ってから「この機能が無かった」と気づくと、戻るのにまた手間がかかります。1か月ぶんの料金は、やり直しのコストより安く済みます。

書き出しの形式にも注意が要ります。テキストで出せても、話者のラベルや時刻が落ちることがあります。新しいサービスへ取り込み直すつもりなら、どこまでの情報が残るかを確認してください。

この記事に載せなかったもの

正直に書いておきます。扱わなかったカテゴリが3つあります。

1つめ、海外のサービス。日本語の会議での実績を自分で確かめられていないので、載せていません。日本語に対応していると公表されていても、精度は実際に通してみないと分かりません。

2つめ、動画編集ソフトの字幕機能。Premiere ProやCapCutにも文字起こしの機能がありますが、目的が字幕づくりなので、会議の記録という用途では見方が変わります。

3つめ、専用のハードウェア。録音機そのものに文字起こしが付いた製品群です。アプリの比較とは選ぶ軸が違うので、ボイスレコーダーはどれを買うかに分けました。

4つめ、名前が重なっているアプリ。「Speechy」は、比較記事でよく挙がる名前です。ただしApp Storeで引くと、開発元の違う同名のアプリが3本並びます。どれを指しているのか記事の側からは決められないので、表には入れませんでした。名前だけで選ぶと別のアプリを入れることになるので、この手のアプリは開発元まで確かめてから入れてください。

この記事の範囲は「会議の記録を、アプリかサービスで文字にする」までです。範囲の外は、それぞれの記事にまとめてあります。

この記事の更新履歴

比較表は放置すると嘘になるので、書き換えたセルを残していきます。とくに無料枠の条件は変わりやすい項目です。

日付直したところ
2026-09-03新規作成。11サービスを「1回の上限」の列を足して比較
2026-09-10その場で文字が出る型との違い、言い淀みの扱い、無料プランと無料トライアルの区別を追加
2026-09-10AutoMemo・Texter・Otolio を追加(各公式ページで確認)。11→13サービス。Speechyは同名の別アプリが3本あるため見送り

この記事から分かれる話

知りたいこと記事
文字起こしという作業そのもの文字起こしとは
無料でどこまでできるか文字起こしを無料でする
iPhoneに絞った比較iPhone1台で対面の会議を議事録にする8つの方法
録音済みのファイルを渡したい音声ファイルから文字起こしする
料金を1時間あたりで比べたいAI議事録の料金比較
議事録まで自動で作りたいAI議事録とは何か

無料で音声を保存しないブラウザ型のサービスもあります(ユーザーローカル音声議事録システム)。参加者ごとに発言が分かれる仕組みで、分析機能まで付いています。


各サービスの料金と仕様は、それぞれの記事で確認した時点の公式ページの表示です(2026年9月2日時点、Rimo Voiceは8月27日時点)。価格と条件は変わります。契約前に各社の公式ページでご確認ください。無料枠の条件はとくに変わりやすい項目です。

よくある質問

文字起こしアプリの無料版で会議は録れますか

サービスによります。月の合計だけでなく、1回あたりの上限を確認してください。Nottaの無料プランは月120分ありますが1回の録音が3分までで、1時間の会議は通りません。文字起こしさんの無料枠は1ファイル10分までです。iPhoneのボイスメモは時間の制限なしで文字起こしできます。

無料でいちばん長く使えるのはどれですか

端末に最初から入っている機能です。iPhoneのボイスメモは機種と言語の条件を満たせば時間の制限なしで文字起こしでき、追加の契約も要りません。ただし話者は分かれず、要約も付きません。

話者が分かれるアプリはどれですか

有料のサービスが中心です。Nottaは無料プランでも話者識別が使えますが1回3分の制約があります。LINE WORKS AiNoteは話者の自動識別がチーム以上のプラン限定です。iPhoneのボイスメモとWordのトランスクリプトでは分かれません。

解約したら文字起こしは読めなくなりますか

サービスで違います。Nottaは公式に、解約後は過去の文字起こしが冒頭3分しか読めなくなると案内されています。書き出しは有料の機能です。長く使う前提なら、契約前に「やめたときに何が残るか」を確認してください。

ChatGPTやCopilotで代用できませんか

音声から文字にするところは、これらの汎用のAIが得意な領域ではありません。長い会議の音声をそのまま渡せるとは限らず、話者も分かれません。噛み合うのは、文字起こしの道具で文字にしたあと、その文章を渡して要約や整理をさせる分け方です。さらに進んで、AIの側から過去の議事録を直接読ませる形についてはMCPで議事録は何が変わるかにまとめました。

会議中にその場で文字が出るアプリはどれですか

文字起こしには「録り終えてから文字にする型」と「話しているそばから文字が出る型」の2つがあり、比較表ではどちらも同じ「文字起こし」と書かれています。その場で出る型が要るのは、会議中に画面を見ながら進めたい場面です。記録として残すだけなら、あとで出る型のほうが前後の文脈を読んでから確定できるぶん精度は上がります。

パソコンだけで文字起こしできますか

できます。WindowsのWordにトランスクリプトの機能があり、月300分まで使えます。Googleドキュメントの音声入力はマイクから話す形です。録音済みのファイルを読ませるなら、Wordかブラウザ型のサービスになります。

無料で3会議ためす登録もカードも不要・iPhone専用 試す