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選び方と比較

無料で議事録を最後まで作る——成立する3つの組み合わせ

文字起こしだけなら無料の選択肢は多いのですが、議事録の形まで無料で届くものは限られます。実際に成立する3つの組み合わせと、それぞれがどこで詰まるかを、公式の条件つきで並べました。

文字起こしだけなら、無料の選択肢はたくさんあります。議事録の形まで無料で届くものとなると、話が変わります。

この記事の内容(6項目)
  1. 組み合わせ1: iPhoneの標準機能+無料のAI
  2. 組み合わせ2: LINE WORKS AiNote のフリープラン
  3. 組み合わせ3: Web会議なら、録画から作る
  4. 成立しない組み合わせ
  5. 無料を選ぶときに、最初に見るところ
  6. どこから有料にするか

1つのサービスで完結するものはほぼありません。録音・文字起こし・要約を、別々の無料の道具で繋ぐことになります。実際に成立する組み合わせは3つです。

録音する文字にする取り出すAIに貼る要約が出る
無料で議事録まで届く道。1つのサービスでは完結しない。

組み合わせ1: iPhoneの標準機能+無料のAI

いちばん制約が少ない構成です。

工程使うもの
録音ボイスメモ(無料・分数の上限なし)
文字起こしボイスメモの文字起こし(iPhone 12以降・日本語対応)
取り出し「文字起こしをコピー」
要約無料のチャットAIに貼り付ける

分数の上限も、保存期間の制限も、エクスポートの制限もありません。音声が端末の外に出ないので、送信先を気にする必要もない。無料の構成としては、いちばん筋がいいと思います。

詰まるのは話者です。ボイスメモの文字起こしに話者を分ける機能はありません。3人以上の会議では「誰が言ったか」が丸ごと落ちます(なぜそうなるか)。

もうひとつ、長い会議は貼り付け先で詰まります。1時間の会議は3万字前後になるので、無料のAIの入力上限に当たることがあります。章ごとに分けて渡すことになります。端末内で要約まで済ませたい場合はApple Intelligenceが要り、iPhone 15 Pro以降が条件です。それ以前の機種でも、文字起こしまでは同じように動きます。

組み合わせ2: LINE WORKS AiNote のフリープラン

CLOVA Noteの後継です。無料枠の条件はこうなっています。

  • 文字起こし 300分/月、1回60分まで
  • 利用人数は最大30人
  • データの保管は 1年間
  • データの学習利用:あり(有料プラン以上は「なし」)

ただし、「誰が話したか」を自動で当てる機能は無料では使えません。公式ヘルプに「この機能はLINE WORKS AiNoteのチーム、ビジネス、エンタープライズプランでのみ利用できます」と書かれています。無料枠でiPhoneの標準機能の弱点が埋まるわけではない、ということです。

詰まるのはあと3か所。1回60分の壁を超える会議は分割が要ります。300分は「1サービス環境あたり」の共有枠なので、複数人で使うと1人あたりはかなり減ります。そして無料だとデータが学習に使われる扱いなので、社外に出せない話が混じる会議には向きません。

組み合わせ3: Web会議なら、録画から作る

ZoomやTeamsの無料アカウントでは、あとから読み返せる文字起こしまで届きません(3社の条件)。ただし、録画さえ手元にあれば話は別です。録画から音声を取り出して、上の1か2の道に載せられます。手順は動画から議事録を作るにまとめました。Zoomのローカル録画は無料プランでも使えます(ただしパソコンで参加している場合のみ。公式にiOS・iPad・Androidは非対応と明記されています)。

無料で議事録まで届かせるとき、いちばん多い詰まり方は「途中まではできたのに、次に渡せない」です。録音は残っているのに文字にできない、文字にはなったのに取り出せない、取り出したのに整える道具が無い。工程を4つに分けて道具を割り当てると、どこが空いているかが先に見えます。

録るボイスメモ・メモ・通話録音文字にする端末の中で終わる整理する要約か、外のAIに貼る配るコピー・PDF・マークダウン
工程ごとに道具が変わる。1つの無料サービスでは通らない。

この4つのうち、無料の道具がいちばん薄いのは3つめです。文字起こしまでは選択肢が多く、要約まで無料で届くものは限られます。LINE WORKS AiNoteのフリープランも、公式の料金ページでは「AI要約」が利用不可の印になっています。

工程無料で使えるもの先に確かめること
録るボイスメモ/メモ/通話録音会議の音が別の端末から出るか
文字にするボイスメモとメモの文字起こしiPhone 12以降か
整理する作文ツール/外のチャットAI機種が要約の条件に入るか
配るコピー/PDF/マークダウン相手が開ける形か

右の列が、無料の構成が崩れる場所です。工程ごとに手順と条件を並べます。

iPhoneの標準機能で録れる場所は3つあります。どれも追加の課金は要りません。

入口経路保存先
ボイスメモ「ユーティリティ」フォルダから開くボイスメモの一覧
メモアプリ添付ボタン →「オーディオを録音」そのメモの中
通話録音通話中に「その他」→「通話録音」メモの「通話録音」フォルダ

ボイスメモの手順はこうです。

  1. ボイスメモを開きます。Appleの公式手順も、「ユーティリティ」フォルダにあるものとして書かれています
  2. 録音ボタンをタップします。録音中は、マイクが使用中であることを示すオレンジ色のドットが画面の右上隅に表示されます
  3. 音の録り方を変えるなら、設定 > アプリ > ボイスメモ > 収録モード で モノ/ステレオ/空間オーディオ を選びます

ここに、無料の構成をいちばん壊す制限があります。録音中に別のアプリでオーディオの再生が始まると、ボイスメモの録音は停止するとAppleが明記しています。iPhone 1台でWeb会議の音を聞きながらボイスメモで録る使い方は成立しません。

回避の仕方は単純で、会議の音を出す端末と録る端末を分けることです。パソコンで会議に出て、iPhoneを机に置いて録る。同じ理由で、録音中に動画や音楽を再生しないようにします。

なお、ボイスメモの1回あたりの録音時間の上限と、録音1件あたりのファイルサイズの上限は、Appleの公式ページに記載を確認できませんでした。「上限なし」と書かれているわけではないので、長い会議は途中で一度区切るほうが安全です。

メモアプリで録ると、録音がそのメモの中に入ります。あとで文字起こしをその場で本文へ流し込めるのが利点ですが、オーディオ録音を削除すると文字起こしも削除されると公式に書かれています。消す前に文章を外へ出してください。

電話の通話は、通話中に「その他」から「通話録音」で録れます。録音されることは音声通知で両方の通話者に知らされ、録音はメモアプリの「通話録音」フォルダに自動保存されます。既定でオンなので、使わないなら 設定 > アプリ > 電話 > 通話録音 で切れます。

通話録音が使えない国・地域は公式に列挙されていて、そこに日本は含まれていません。ただし「一部の国や地域では、1対1の通話のみ録音できます」という限定も同じページにあり、日本で複数人の通話を録れるかどうかは公式に記載を確認できませんでした。

画面から録るなら、画面収録にマイクを足せます。コントロールセンターで画面収録を長押しし、「マイク」をタップしてオンにして「収録を開始」です。ただし一部のアプリではそのコンテンツの録画が許可されていない場合があると公式が書いていて、Web会議アプリで必ず録れる保証はありません。画面の収録とミラーリングは同時に使えません。

条件は機能ごとに違います。取り違えると「自分の機種では出ない」に見えます。

機能公式に書かれている条件
ボイスメモの文字起こしiPhone 12以降。日本語を含む10言語。国や地域による制限あり
メモの文字起こしiPhone 12以降。デバイスの言語が対応言語に設定されていること
通話録音の文字起こし文ごとに話者が識別される
要約(Apple Intelligence)iPhone 15 Proモデル、iPhone 16モデル以降

文字起こしの条件と要約の条件は別です。要約が使えない機種でも、文字にするところまでは同じように動きます。

ボイスメモで見る方法は2つあります。録音中に見るなら、波形の上部から上にスワイプして文字起こしボタンをタップします。録音後なら、録音をタップして「その他」から「文字起こしを表示」を選びます。

古い録音も対象です。iOS 17以前のボイスメモで録音されたデータを開くと、発話が録音されていれば自動的に文字起こしが行われるとAppleが書いています。過去に録りためた会議も、追加の課金なしで文章にできます。取り出し方は用途で分かれます。

やりたいこと操作
全文を持ち出す「文字起こしをコピー」
一部だけ持ち出す「文字起こしを表示」→テキストを選択→「コピー」
音声ファイルごと渡す録音をタップ→「その他」→「共有」→「“ファイル”に保存」

コピーしたあとの想定も公式に書かれています。メールやテキストファイルなどの別の書類を開いて、コピーした内容をペーストする、という説明です。文字起こしを外へ出す工程は、標準機能の中に用意されています。

書き出しの既定は .m4a です。この形式は、あとで挙げるWordとLINE WORKS AiNoteがどちらも受け付けるので、パソコン側の道具へ渡すときの共通の入口になります。

探すのも無料の範囲でできます。文字起こしはタイトルと同じく検索でき、文字起こしの中で語句を選ぶとオーディオ波形の該当する場所に再生ヘッドが表示されます。「本当にそう言ったか」を確かめる往復が、端末の中で終わります。

パソコンが使えるなら、話者を分ける道が1つあります。Wordの文字起こしは異なる話者を識別して「Speaker 1」「Speaker 2」などのラベルを付けます。ただし無料ではありません。

項目Wordの文字起こしの条件
契約Microsoft 365 のサブスクリプション
使える場所商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365
月の上限アップロードした音声で月300分
形式.wav / .mp4 / .m4a / .mp3

経路は [ホーム] > [ディクテーション] > [トランスクリプト] > [オーディオのアップロード] です。落とし穴が1つあり、1つのドキュメントにつき1つのトランスクリプトのみを格納できます。作り直すと前のものは残らないので、要る部分は先に「すべてをドキュメントに追加」で本文へ落としてください。

同じページには「トランスクリプトは、新しいMicrosoft EdgeとChromeでのみ機能します」という一文もありますが、これはWeb用WordとOneNoteのシステム要件です。商用テナントが通る経路はWindowsのデスクトップ版Wordなので、ブラウザの条件は掛かりません。

送信先が気になる人向けの記載もあります。トランスクリプトが完了すると、音声とトランスクリプトの結果はMicrosoftのサービスによって保存されない、と公式に書かれています。なお1ファイルあたりのサイズ上限は、公式ページに記載を確認できませんでした。

Windowsが手元に無いなら、LINE WORKS AiNoteのフリープランに音声を渡す手があります。枠は公式の料金ページに並んでいます。

項目フリープランの値
共有文字起こし時間300分/1サービス環境/月
1回あたりの文字起こし時間60分
利用人数最大30人
データの学習利用学習利用あり
データの保管期間1年間

この300分は月更新で、未使用の時間は翌月に繰越できません。しかもドメインのすべてのメンバーで共有されるので、複数人で使うと1人あたりはその分減ります。すべて消費して0分になっている状態では、録音はできますが文字起こしはされません。

アップロードの手順は、+アイコンから「アップロード」を選び、件名・参加者を入れて音声ファイルを選び、会話の形式と参加者数を選びます。モバイル版が受け付けるのは .m4a、.mp3、.aad、.amr、.wav です。ここに注意があり、iOSの内蔵マイクで録音したファイルは、アップロード前にボイスノートからファイルを移動する必要があると公式が明記しています。

つまり、ボイスメモで録った音声をそのまま渡すことはできません。先に「“ファイル”に保存」で書き出す工程が要ります。手順を1つ飛ばすと、ここで止まります。

Web会議はBotを呼んで録音できます。フリープランの料金表でも「Web会議の録音」は利用可の印で、対応はLINE WORKS・Zoom・Microsoft Teams・Webex・Google Meetです。ただしZoom・Webex・Google Meetでは、ホストアカウントのみAiNote Botの参加を承認できます。自分がホストでない会議では使えません。

もう1つ、外部サービス側の仕様変更などによりWeb会議の録音機能が一時停止した場合、復旧には1日以上要する場合があると公式に書かれています。会議の当日にこの経路だけへ寄せるのは危ない、ということです。

ここが、無料の道具がいちばん薄い工程です。道は2本あります。

Apple Intelligenceの条件を満たす機種なら、端末の中で要約まで届きます。条件は4つ全部を満たす必要があります。

条件公式の記載
機種iPhone 15 Proモデル、iPhone 16モデル以降
システムiOS 18.1以降
空き容量デバイスに7GBの空き容量があること
言語デバイスの言語とSiriの言語が同じ対応言語

見落とされやすいのが3行目です。ストレージが埋まっているiPhoneは、機種とOSが条件を満たしていても使えません。オンにする経路は 設定 > Apple IntelligenceとSiri で、オフにするとオンデバイスのモデルがデバイスから削除されます。

日本語で使えるかどうかも公式に書かれています。「メモの文字起こし要約」は、英語・フランス語・ドイツ語・日本語などで利用できると列挙されています。要約の出し方はアプリで違います。

アプリ経路
メモ録音をタップ →「要約」
ボイスメモ録音をタップ →「その他」→「文字起こしを表示」→ 要約
出した要約を外へ要約の上部 →「要約をコピー」/「要約を共有」

議事録の形に寄せるのは作文ツールです。選んだテキストを「要約」「要点」「リスト」「表」の4つに整形できます。決定事項を並べるなら「リスト」、担当と期限を整理するなら「表」が近い形になります。

結果の出し方は「コピー」「置き換え」「共有」です。ただし原文を編集できない場合、「置き換え」は選択できないと公式に書かれています。ボイスメモの文字起こしのような読み取り専用の場所では、コピーか共有を使ってください。

なお、要約が一度に扱える文字起こしの長さの上限は、公式の記載を確認できませんでした。長い会議で結果が薄いと感じたら、章ごとに分けて渡すほうが確実です。

もう1本が、無料のチャットAIに貼り付ける道です。機種の条件に入らない人はこちらになります。正直に書いておくと、一度に貼り付けられる文字数の上限は、各社の公式ページで数値の記載を確認できませんでした。

Geminiアプリについては、上限の決まり方だけが公式に説明されています。コンピューティング量に基づく使用量上限が設定されていて、プロンプトの複雑さ、使用するモデルと機能、チャットの長さを考慮して決定される、という書き方です。使用量上限は、週ごとの上限に達するまで5時間ごとにリセットされます。

数値が示されていない以上、「何字までなら通る」は誰にも書けません。運用で吸収するしかなく、最初から会議を区切って貼ると決めておくのが現実的です。1回で通ればそれでよく、通らなくても手順が変わりません。

作った議事録は、渡す形まで無料で用意できます。メモアプリに入れておくと出口が3つあります。

渡し方経路向く相手
PDF共有 →「マークアップ」→「完了」体裁ごと固めて渡したい
マークダウン共有 →「マークダウンとして書き出す」社内のドキュメントツールへ流す
メモの複製共有 →「共同作業」→「コピーを送信」相手もメモを使っている

「共同作業」で編集を共有する形にすると、相手にもApple Accountとメモの有効化が要ります。相手の環境に条件を持ち込みたくないときは、「コピーを送信」かPDFのほうが摩擦が少ないです。

Pagesで開いて続きを書くこともできます。ただしタグ、名前の言及、チェックリスト、メモへのリンクは、Pagesではアクティブな項目になりません。チェックリストで宿題を管理しているなら、Pagesへ移した時点でただの文字になります。

ボイスメモ側から配るなら、文字起こしをコピーしてメールに貼るのが公式の想定どおりの経路です。音声そのものを渡すなら「“ファイル”に保存」で書き出してから添付します。

LINE WORKS AiNoteを使った場合は、音声ファイル・音声記録・メモのダウンロードが全プランで使えます(管理者が制限した場合を除く)。ノートを開いて右上のアイコンから「音声記録をダウンロード」を選ぶと、時間の記録や参加者を含めるかを選べます。ダウンロードできるファイル形式の一覧は、公式ヘルプに記載を確認できませんでした。

成立しない組み合わせ

無料で行けそうに見えて、実際には止まるものを挙げておきます。

止まるところ
Notta フリー1回3分まで。会議の長さに届かない
Otter.ai Basic1回30分まで。超えた分は読めない
Zoom の自動字幕2026年5月以降、会議後に保存できない
Google Meet の文字起こし無料アカウントは対象外
Word の文字起こしMicrosoft 365 のサブスクリプションが必要

Zoomの変更は見落とされがちです。以前は字幕を会議後に保存できたので、その運用をしていた人は、記録が残らなくなっています

無料の構成が止まる場所は決まっています。壁は4つで、時間の枠が2つ、それ以外が2つです。

時間の枠は「1回の長さ」と「月の合計」に分かれます。先に当たるのはほぼ1回の長さのほうです。

サービス1回あたり月の合計
LINE WORKS AiNote フリー60分300分(共有・繰越なし)
Otter.ai Basic30分300分
Notta フリー3分120分
Word(Microsoft 365)記載を確認できず300分
iPhoneのボイスメモ記載を確認できず記載を確認できず

止まり方はサービスで違います。AiNoteは1回あたりの最大録音時間を超えると録音が終了し、上限時間までの録音内容のみ変換されると公式に書かれています。超える長さのファイルは、そもそもアップロードできません。

Otterは挙動が違います。30分を超えても録音やインポートは止まらないが、アクセスできるのは30分までの文字起こしだと明記されています。止まらないので、あとで開くまで気づけません。

月の合計は、週に1本1時間の会議を記録するだけで月240分ほどになります。300分の枠は思ったより早く尽きる、ということです。

Otterにはもう1つ条件があります。削除した会話も文字起こしの上限に加算され、履歴で見られるのは直近25件までです。さらにファイルのインポートは月ごとではなくアカウントあたり3件なので、既存の録音を流し込む用途には使えません。

3つめが貼り付けの長さです。ここは公式に数値が無いので、事前に計算で避けられません。各社が一度に受け付ける文字数の上限は確認できず、1時間の会議の文字起こしが何文字になるかも公式の記載はありません。分けて貼る前提で手順を組んでおくのが、唯一の対策です。

4つめが話者です。iPhoneの標準機能で文ごとに話者が識別されると公式に書かれているのは、通話録音の文字起こしだけです(電話アプリとFaceTimeオーディオ通話の両方に同じ記載があります)。ボイスメモとメモの通常の録音については、話者に触れた記述を確認できませんでした。

無料の範囲で話者を分けたいなら、道は限られます。AiNoteは話者分離をうたっていますが、誰が話したかを当てる自動話者認識は企業向けプラン(チーム・ビジネス・エンタープライズ)のみで、学習には参加者ごとに12秒以上の発話が必要だと書かれています。Wordの文字起こしはSpeaker 1などのラベルを付けますが、Microsoft 365の契約が前提です。話者が要る会議での回避策は話者が分かれないときの対処にまとめました。

無料を選ぶときに、最初に見るところ

書き出せるかどうかです。

文字起こしをテキストで取り出せないと、要約の工程に繋げられません。画面で読めても、コピーできなければ組み合わせは成立しない。無料プランでエクスポートを止めているサービスは珍しくないので、ここは登録前に確かめてください。次に保存期間。無料枠は保管が短いことがあります。3か月で消えるサービスもあり、あとから読み返す用途には使えません。

最後にそのサービスが続くか。2025年には、CLOVA Note(累計登録者100万人)とAI GIJIROKUが相次いで終了しました(経緯)。無料のものほど、終わる理由があります。

無料の構成は、道具を選んだ時点では完成しません。3つの工程を毎回つなぐので、手順がぶれると1回ごとに考え直すことになります。続いている人がやっているのは、だいたい次の4つです。

  1. 毎回同じ入口から録る。ボイスメモかメモかを会議ごとに変えない。保存先が散らばると、あとで探す時間のほうが高くつきます
  2. 会議の音を出す端末と、録る端末を分ける。ボイスメモは他のアプリで再生が始まると停止するので、決めておくだけで事故が減ります
  3. 文字起こしはその日のうちに取り出す。メモの録音を削除すると文字起こしも消えますし、サービス側には保管期間があります
  4. 貼り付けの型を1つ決める。毎回違う頼み方をすると、出てくる議事録の形も毎回変わります

4つめは効きます。作文ツールなら「リスト」と「表」のどちらを使うかを先に決める。外のAIに貼るなら、見出しの並びを固定した頼み方を作って使い回す。型は議事録のプロンプトにまとめてあります。

枠の管理も月初にまとめてやると楽です。AiNoteフリーの300分は月更新で繰越できないので、月末に残っていても翌月には持ち越せません。長い会議を先に通し、短いものは端末内で済ませる順番にすると使い切りやすくなります。

置き場所も決めておいてください。ボイスメモから「“ファイル”に保存」で書き出すとき、毎回同じフォルダを選ぶようにすると、パソコン側の道具へ渡す工程が短くなります。

無料の構成でよく止まる場所と、公式に書かれている原因を並べます。原因が分かれば、対処は決まります。

症状公式に書かれている原因対処
文字起こしボタンが出ない最低要件を満たしていないか、対応する言語を検出していないiPhone 12以降か、デバイスの言語が対応言語かを見る
録音が途中で止まっていた別のアプリでオーディオの再生が始まると録音は停止する音を出す端末と録る端末を分ける
「要約」が見当たらない機種・iOS 18.1以降・空き容量7GB・言語の一致のどれかを満たしていない空き容量とSiriの言語を先に確認する
「置き換え」が選べない原文を編集できない場合は選択できない「コピー」か「共有」で外へ出す

エラーが出ないのが厄介なところです。文字起こしボタンが出ない場合について、Appleは「最低要件を満たしていないか、対応する言語を検出していません」と説明するだけで、画面には何も表示されません。壊れているのではなく、条件に入っていないだけということが多いので、まず条件表に戻ってください。サービス側で止まったときも、見分け方があります。

症状公式に書かれている原因対処
録れているのに文章にならない共有文字起こし時間が0分だと録音はできるが文字起こしはされない翌月まで待つか、端末内の経路へ回す
会議の途中で録音が終わっていた1回あたりの最大録音時間を超えると録音が終了する上限より前で区切る
ファイルをアップロードできない1回あたりの最大録音時間を超えるファイルはアップロードできない分割してから渡す
Web会議のBotが入らないホストアカウントのみBotの参加を承認できるホストに承認してもらう

パソコン側の道具でも同じことが起きます。Zoomのコンピュータ記録はiOS・iPad・Androidデバイスでは非対応と明記されていて、iPhoneから参加している会議では使えません。Google Meetの文字起こしも、パソコン・ノートパソコン・Androidデバイスでのみ利用できると書かれています。

Wordで作り直したら前の文字起こしが消えた、という場合も仕様どおりです。1つのドキュメントにつき1つのトランスクリプトのみを格納できると公式に書かれています。作り直す前に「すべてをドキュメントに追加」で本文へ落としておいてください。

画面収録が真っ黒になる場合も、アプリ側の設定です。一部のアプリではそのコンテンツの録画が許可されていない場合があると公式に書かれていて、こちらの操作では変えられません。画面の収録とミラーリングを同時に使うこともできません。

メモの中の文章が丸ごと消えたときは、録音を消していないか確かめてください。オーディオ録音を削除すると文字起こしも削除されると明記されています。文字だけ残したいなら、消す前に「メモに文字起こしを追加」で本文へ流し込んでおきます。

どこから有料にするか

無料の構成が破綻するのは、だいたい次のどれかです。

  1. 話者が要る会議が増えた。3人以上の会議が常態になると、無料では成立しません
  2. 月に何本も録るようになった。分数の枠を毎月使い切るようになったら、そこが線です
  3. 貼り付けの手間が惜しくなった。3工程を毎回繋ぐのは、月に2〜3本なら苦になりませんが、週に何本もあると効いてきます

月10時間くらいまでなら、個人向けの有料プランは月2,000円前後が相場です。比較はAIレコーダーはどれを買うかNottaの料金にまとめました。

有料の候補を絞るときは4つの質問から入ってください。

有料も含めて並べた比較は文字起こしアプリの比較にまとめました。有料に移る分かれ目も書いてあります。

完全に無料で、音声を保存しないと明記されているサービスもあります(ユーザーローカル音声議事録システム)。


文字起こしだけを無料でやる方法はこちらに分けて書いてあります。条件は2026年8月31日時点の各社公式の記載です。

無料の道具には、なくなる可能性がついてきます。ここ2年でも実例があります。

時期何が起きたか
2025年2月4日CLOVA Note βの主要機能が使えなくなり、同日にLINE WORKS AiNoteへの移行サービスが始まった
2026年5月24〜26日Zoomの字幕が保存もダウンロードもできなくなった(段階的なロールアウト)
2026年8月31日LINE WORKS AiNoteが必須アップデートを実施し、iOS版は 17.0 以降が必要になった

3行とも性質が違います。1つめはサービスそのものの終わり、2つめは残っていた出口が閉じた例、3つめは使える条件が動いた例です。Zoomの字幕の代わりに案内されているtranscriptsは、Pro・Business・Enterpriseが要件なので、無料アカウントには出口が残っていません。

告知から機能停止までは、思っているより短いことがあります。備えは3つです。

  1. 文字起こしは毎回ダウンロードして手元に置く。AiNoteは音声ファイル・音声記録・メモのダウンロードが全プランで使えます(管理者が制限した場合を除く)
  2. 端末の中で完結する経路を1本持っておく。ボイスメモとメモの文字起こしは、サービスの都合では止まりません
  3. 出口の形を確かめてから貯め始める。取り出せない場所に貯めると、終わるときにまとめて失います

サービスが終わるときに何が起きるかは、CLOVA Noteの経緯に時系列でまとめました。無料かどうかとは別に、録る前に見ておくところがあります。

個人情報保護委員会のQ&Aでは、通話内容から特定の個人を識別できる場合、その通話内容は個人情報に該当すると説明されています。そのうえで、個人情報取扱事業者は個人情報保護法上、利用目的を通知又は公表する義務を負うが、録音していることについて伝える義務までは負わない、と書かれています。

もう1つ、録音した音声から特徴情報を抽出し、本人を認証することができるデータに変換した場合、当該データは個人識別符号に該当し、それ単体で個人情報に該当するとされています。話者を識別する仕組みを使うなら、扱いが変わるということです。

これは個人情報保護法上の整理で、録音してよいかどうかを決めるものではありません。社内規程や相手先の規則は別に効きます。個別の判断は弁護士にご確認ください。

Apple自身も、通話録音の説明の中で「録音しても問題ないことを通話相手に確認してください」と促しています。通話録音では、録音されることが音声通知で両方の通話者に知らされます。黙って録る前提の機能ではない、ということです。

無料のサービスを使うなら、学習利用の扱いも見ておいてください。LINE WORKS AiNoteのフリープランは公式の料金ページでデータの学習利用が「あり」になっていて、規約でも、AI技術の性能向上のために録音した音声データを利用する場合があることに同意のうえ利用する形になっています。社外に出せない話が混じる会議には向きません。

Appleは精度についても注意を促しています。文字起こしを信頼する前に精度を確認してください、会話を完全に再現できていない可能性があります、という記載です。無料でも有料でも、配る前に読み返す工程は省けません。社内で線を引くときの考え方は会議を録音するときの基準にまとめました。

仕様は2026年9月2日時点の公式サイトの記述に基づきます。OSのバージョンで名前や場所が変わるので、お手元でご確認ください。

よくある質問

無料で議事録まで作れますか

作れます。ただし1つのサービスで完結するものはほぼ無く、録音・文字起こし・要約を別々の無料の道具で繋ぐことになります。この記事ではその組み合わせを3つ挙げています。

いちばん制約が少ない無料の組み合わせはどれですか

iPhoneの標準機能で録音と文字起こしをして、出てきた文章を無料のAIに貼り付けて要約する形です。分数の上限も保存期間の制限もなく、音声が端末の外に出ません。弱点は話者が分かれないことです。

無料のサービスを選ぶときに何を見ればいいですか

書き出せるかどうかです。文字起こしをテキストで取り出せないサービスは、要約する工程に繋げられません。無料プランではエクスポートを制限しているサービスが少なくないので、契約前に確認してください。

議事録を最後まで無料で作れますか

作れます。ただし1つのサービスでは完結しないので、録る・文字にする・整理する・配るの4工程を別々の無料の道具でつなぐことになります。いちばん薄いのは「整理する」で、LINE WORKS AiNoteのフリープランも公式の料金ページでは「AI要約」が利用不可の印になっています。

iPhoneだけで無料の議事録は作れますか

文字起こしまではiPhone 12以降なら追加の課金なしでできます。要約まで端末内で済ませるにはApple Intelligenceが要り、iPhone 15 Proモデル・iPhone 16モデル以降、iOS 18.1以降、空き容量7GB、デバイスの言語とSiriの言語が同じ対応言語であることが公式の条件です。条件に入らない機種では、文字起こしをコピーして外のAIに貼ることになります。

ボイスメモの録音時間に上限はありますか

Appleの公式ページに、1回あたりの録音時間の上限とファイルサイズの上限の記載を確認できませんでした。「上限なし」と書かれているわけでもありません。なお録音中に別のアプリでオーディオの再生が始まると録音は停止すると明記されているので、長い会議ではその点のほうが先に効きます。

iPhone 1台でWeb会議を録音できますか

ボイスメモではできません。録音中に別のアプリでオーディオの再生が始まると、ボイスメモの録音は停止するとAppleが明記しています。会議の音を出す端末と録る端末を分けてください。

LINE WORKS AiNoteのフリープランはどこまで使えますか

公式の料金ページでは、共有文字起こし時間が月300分(1サービス環境あたり)、1回あたり60分、利用人数は最大30人、保管1年、データの学習利用ありです。同じ表でAI要約は利用不可の印、Web会議の録音は利用可の印になっています。枠を使い切って0分になると、録音はできますが文字起こしはされません。

無料で話者を分けることはできますか

iPhoneの標準機能で文ごとに話者が識別されると公式に書かれているのは通話録音の文字起こしだけです(電話アプリとFaceTimeオーディオ通話の両方)。ボイスメモとメモの通常の録音については、話者に触れた記述を確認できませんでした。AiNoteの自動話者認識は企業向けプランのみ、Wordの話者ラベルはMicrosoft 365の契約が前提です。

文字起こしを無料のAIに貼るとき、何字まで入りますか

各社の公式ページで一度に貼り付けられる文字数の上限の記載を確認できませんでした。Geminiアプリはコンピューティング量に基づく使用量上限で、プロンプトの複雑さ、使用するモデルと機能、チャットの長さで決まるとだけ書かれています。数値が示されていない以上、最初から会議を区切って貼る前提で手順を組むのが確実です。

無料のサービスが終わったら記録はどうなりますか

CLOVA Note βは2025年2月4日に主要機能が使えなくなり、同日にLINE WORKS AiNoteへの移行サービスが始まりました。Zoomの字幕も2026年5月24〜26日の段階的なロールアウトで保存もダウンロードもできなくなっています。文字起こしは毎回ダウンロードして手元に置き、端末内で完結する経路を1本持っておくのが備えになります。

無料から有料に切り替える目安はありますか

3つのどれかが当たったときです。1回の上限(AiNoteフリーは60分、Otter Basicは30分、Nottaフリーは3分)に毎回引っかかる、月の合計(多くが300分前後)を使い切る、または話者を分ける必要が常態になる。週に1本1時間の会議を記録するだけで月240分ほどになります。

会議を録音するのに相手の同意は要りますか

個人情報保護委員会のQ&Aでは、事業者は個人情報保護法上、利用目的を通知又は公表する義務を負うが、録音していることについて伝える義務までは負わないと説明されています。ただしこれは同法上の整理で、社内規程や相手先の規則は別に効きます。個別の判断は弁護士にご確認ください。なおiPhoneの通話録音では、録音されることが音声通知で両方の通話者に知らされます。

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