文字起こしを無料でやる方法と、無料で足りなくなる線
完全無料で使えるものは実際にあります。Whisper、Googleドキュメント、各社の無料枠。それぞれで何ができて、どこから足りなくなるのかを、条件つきで正直に並べました。

先に結論を書きます。文字起こしは、無料でもかなりのところまでできます。
この記事の内容(24項目)
- 完全に無料で、制限も無いもの
- iPhoneの標準機能で、無料でどこまで行けるか
- Googleの無料の道具で、どこまで行けるか
- Googleドキュメントの音声入力
- NotebookLM(Gemini Notebook)
- Geminiアプリ・Google Meet
- Whisperを自分の機械で動かすときの条件
- 無料枠があるもの
- 「完全無料」と「無料枠」を分ける
- 無料枠の中身を、公式の記載で並べる
- 無料で足りなくなる線
- 無料のまま、1時間の会議を最後まで処理する
- 経路A: iPhoneだけで終わらせる
- 経路B: 音声ファイルとして外へ出す
- 経路C: Microsoft 365を持っているなら
- 無料の範囲で、話者は分けられるか
- 無料の一覧によく載っているのに、いまは選べないもの
- CLOVA Note——2025年7月31日に終了しました
- Word の文字起こし——Microsoft 365 の契約が要ります
- 「フィラー除去」は無料の側にはほぼ無い
- 無料で使うと、音声はどう扱われるか
- どう選ぶか
- うまくいかないとき
- 有料に移る前に確かめること
「無料だと精度が低い」というのは、いまはもう正しくありません。差が出るのは精度ではなく、別のところです。どこまで無料でやれて、どこから足りなくなるのかを並べます。
完全に無料で、制限も無いもの
Googleドキュメントの音声入力メニューの「ツール → 音声入力」で使えます。インストール不要、時間の制限なし、日本語の精度も高い。無料で無制限です。ただし、これはマイクに向かって話す機能です。すでに録音したファイルを読み込む機能ではありません。
録音を文字にしたい場合は、スピーカーで再生してパソコンのマイクに拾わせることになります。実時間と同じだけかかり、しかも精度が落ちます。1時間の会議なら1時間、部屋を静かにして放置する必要がある。その場で話しながら書く用途(口述筆記、1人で考えをまとめる)には最良の選択です。会議の録音には向きません。Whisper を自分のパソコンで動かす
OpenAIが公開している音声認識で、自分の機械の中で動かせば無料・無制限です。日本語での精度は、有料サービスと大きくは変わらないと言われます。ただし公開されている比較で条件の揃ったものは見つけられませんでした(精度の数字の読み方)。
音声ファイルをそのまま渡せるので、Googleドキュメントの弱点はありません。外に音声を出さないので、社外に出せない会議にも使えます。
弱点は準備です。環境を作る必要があり、パソコンの性能によっては1時間の音声に数十分かかります。「今日の会議を今日のうちに」という使い方には、正直向きません。
一度作れば無料で回り続けるので、月に何本も処理する人ほど元が取れます。逆に月1〜2本なら、準備の手間のほうが高くつきます。
iPhoneの標準機能で、無料でどこまで行けるか
iPhoneを持っているなら、ここが最短です。追加のアプリも課金も要らず、条件はAppleの公式ヘルプに書かれています。
先に条件を確かめてください。機能ごとに違います。
| 使うもの | Appleが挙げている条件 |
|---|---|
| ボイスメモの文字起こし | iPhone 12以降。日本語を含む複数の言語。一部の国や地域では利用不可 |
| メモアプリの録音と文字起こし | iPhone 12以降。端末の言語が対応言語に設定されていること |
| 通話の録音と文字起こし | iOS 18.1以降 |
| 要約(Apple Intelligence) | iPhone 15 Proモデル、iPhone 16モデル以降・iOS 18.1以降 |
取り違えやすいのが最後の行です。要約に要るApple Intelligenceの条件と、文字起こしの条件は別で、文字起こしの側はiPhone 12以降とだけ書かれています。要約が使えない機種でも、文字にするところまでは動きます。ボイスメモで文字起こしを見る手順は次のとおりです。
- ボイスメモアプリを開く(「ユーティリティ」フォルダにあります。ホーム画面へ移動できます)
- 録音ボタンをタップして録音を始める
- 波形の上部から上にスワイプし、次に文字起こしのボタンをタップする
- 録音後は「文字起こしを表示」で全文を読む
取り出し方は2通りです。一部だけ要るなら「文字起こしを表示」でテキストを選んで「コピー」、全部要るなら「文字起こしをコピー」を選びます。あとはメールでもテキストファイルでも貼れます。
古い録音も対象になります。iOS 17以前のボイスメモで録音されたデータを開くと、発話が録音されていれば自動的に文字起こしが行われるとAppleが書いています。過去の録音を掘り返す用途にも使えます。
探すのも無料の範囲でできます。録音のリストの先頭から下にスワイプすると検索フィールドが出て、タイトルだけでなく文字起こしの中身も検索の対象になります。
音声に戻る導線もあります。文字起こしの中で語句を選ぶと、オーディオ波形の該当する場所に再生ヘッドが表示されます。「本当にそう言ったか」を確かめる往復が、標準機能だけで完結します。
落とし穴がひとつあります。録音中でもほかのアプリは使えますが、そのアプリでオーディオの再生が始まるとボイスメモの録音は停止する、と明記されています。Web会議の音をiPhoneのスピーカーから流してボイスメモで拾う、というやり方はここで崩れます。なお、1回の録音時間の上限と、文字起こしが端末内で完結するのかどうかは、公式ヘルプに記載を確認できませんでした。「無制限」とも書かれていません。
Googleの無料の道具で、どこまで行けるか
「文字起こし google」で探すと、4つの別々の道具が混ざって出てきます。できることが違うので、先に分けます。
| 道具 | 入力 | 無料でできること |
|---|---|---|
| Googleドキュメントの音声入力 | パソコンのマイク | 話した内容をその場で文字にする |
| NotebookLM(Gemini Notebook) | 音声ファイル | インポート時に文字起こしされ、ソースになる |
| Geminiアプリ | 音声ファイル | 無料では音声の長さが合計10分まで |
| Google Meet | 会議そのもの | 有料のWorkspaceエディション専用 |
Googleドキュメントの音声入力
経路は [ツール] → [音声入力] です。マイクをクリックして話し、入力し終わったらもう一度クリックして止めます。パソコンのマイクがオンで正常に動作していることが前提だと公式に書かれています。
ブラウザはChrome専用ではありません。公式ヘルプが挙げているのはChrome・Edge・Safariの最新バージョンです。Googleスライドなら [ツール] → [スピーカー ノートを音声入力] でスピーカーノートに入れられます。
句読点は「ピリオド」「カンマ」などのコマンドで入れられます。ただし音声コマンドは英語でのみ利用できると明記されていて、日本語で話しながら操作まで声で済ませることはできません。
ここは正直に書きます。この機能に時間の上限が無いという記載は、公式ヘルプに確認できませんでした。上限が書かれていないだけで、無制限だと書かれているわけではありません。
録音済みのファイルを読み込む手順も、公式ヘルプには載っていません。載っているのはマイクに向かって話す手順だけです。スピーカーで再生してマイクに拾わせる方法は物理的には成立しますが、実時間と同じだけ待つことになります。
もうひとつ。音声の処理を制御するのはGoogleドキュメントではなくウェブブラウザで、ブラウザが音声の処理方法を特定してテキストを送る、と公式が説明しています。どこで処理されるかはブラウザ側の仕様に依るということです。
会社のアカウントでは使えないことがあります。組織でこの機能が有効になっていない場合は管理者によって無効にされている可能性がある、と書かれています。
NotebookLM(Gemini Notebook)
こちらは録音済みのファイルを渡せます。音声ファイルはインポート時に文字起こしされ、そのテキストが保存されて新しいソースとして使われる、と公式ヘルプにあります。
区切りは時間ではありません。ファイルは200MBまで、1つのソースは最大50万語で、音声の長さの上限は書かれていません。ボイスメモの既定形式である .m4a も、対応形式の一覧に入っています。無料版の枠は数と回数で決まります。
| 項目 | 無料版の上限 |
|---|---|
| ノートブック | 100件 / 1ユーザー |
| ソース | 50件 / 1ノートブック |
| チャット | 50回 / 1日 |
1時間の会議の音声が200MBに収まるなら、無料のまま1回で通せます。話者ごとに分かれるかどうかは、公式ヘルプに記載を確認できませんでした。
Geminiアプリ・Google Meet
Geminiアプリに音声を貼る手もありますが、無料の範囲では音声の長さは合計10分までです。1ファイルは100MBまで、同じプロンプトに追加できるファイルは最大10個までと書かれています。1時間の会議をそのまま投げることはできません。
Google Meetの文字起こしは、公式が挙げるエディションの一覧が有料のWorkspaceだけです。しかも文字起こし機能はパソコン・ノートパソコン・Androidデバイスでのみ利用できると書かれていて、その一覧にiPhoneは入っていません。
Whisperを自分の機械で動かすときの条件
「無料」の側でいちばん制約が少ないのがこれです。OpenAIが公開していて、コードもモデルの重みもMITライセンスで出ています。
導入するものは3つです。pip install -U openai-whisper と、コマンドラインツールの ffmpeg。加えて、tiktoken のビルド済みwheelが無い環境ではRustが要るとREADMEに書かれています。
Pythonのバージョンについては、OpenAIは「Python 3.8〜3.11 と最近のPyTorchで互換性が見込まれる」という書き方をしています。学習と検証に使ったのは3.9.9とだけ書かれていて、それ以外のバージョンで動かないとは書かれていません。日本語を指定するのは引数ひとつです。
whisper japanese.wav --language Japanese
手元で動くかどうかは、モデルの必要メモリで決まります。ここは公式に表があります。
| モデル | 必要VRAM | 相対速度 |
|---|---|---|
| tiny / base | 約1GB | 約10倍 / 約7倍 |
| small | 約2GB | 約4倍 |
| turbo | 約6GB | 約8倍 |
| large | 約10GB | 1倍 |
相対速度はlargeを1倍としたときの比です。1時間の日本語音声に実際どれだけかかるかは、公式に書かれていません。数字が要るなら自分で測るしかありません。
精度についてもOpenAIが予防線を張っています。Whisperの性能は言語によって大きく変わると書かれていて、言語ごとの成績は別の図で示されています。日本語がどの位置かは、その図を自分で見るのが正確です。
話者分離は付いてきません。READMEに話者分離の記述はなく、OpenAIは有料のAPI側の案内で「話者ラベル、単語ごとのタイムスタンプ、字幕形式、英語への翻訳が必要な場合にだけ専用モデルを使え」と書いています。標準の文字起こしは話者を分けない、と読むのが素直です。そのAPIを使う場合は有料で、1ファイル25MBの上限があります。超える録音は圧縮するか25MB以下に分割することになりますが、文の途中で切ると文脈が落ちて精度が下がるとOpenAI自身が注意しています。
無料枠があるもの
各社が無料枠を出しています。2026年8月時点で見かける範囲では、こういう幅です。
| 無料枠の目安 | |
|---|---|
| LINE WORKS AiNote | 月300分 |
| PLAUD(本体購入者) | 月300分 |
| Notta | 月120分(1回3分まで) |
| 文字起こしさん | 1日10分 |
「1回◯分まで」の制限に注意してください。月の合計が足りていても、1回3分だと1時間の会議は通りません。会議の記録には使えず、短い音声メモ向けです。
料金や枠は変わります。契約前に公式で確認してください。
「完全無料」と「無料枠」を分ける
比較記事がいちばん混ぜているのがここです。同じ「無料」でも、費用ゼロで上限の記載が無いもの、月や日で枠が切られているもの、有料契約が前提のものが同じ表に並んでいます。この3つは性格がまるで違います。
| 区分 | 該当するもの | 何で止まるか |
|---|---|---|
| 費用ゼロ・公式に上限の記載なし | ボイスメモ/メモ/Googleドキュメントの音声入力/手元のWhisper | 端末の性能と、手を動かす時間 |
| 無料枠 | Notta/LINE WORKS AiNote/文字起こしさん/NotebookLM/Geminiアプリ | 分数・回数・ファイル数 |
| 有料契約が前提 | Wordの文字起こし | Microsoft 365の契約 |
真ん中の行だけが「使い切る」という概念を持ちます。上の行は上限が無いのではなく、公式に上限が書かれていないというのが正確な言い方です。ここを「無制限」と読み替えると、あとで話が合わなくなります。
いちばん下の行は、そもそも無料の選択肢ではありません。ただしMicrosoft 365をすでに契約している人にとっては、追加費用なしで月300分の枠が付いてくることになります。
選ぶときは、上から順に当たるのが得です。上の行で足りるなら枠を気にする必要がなく、足りないと分かってから枠のあるサービスを見に行けば、比較する対象が一気に減ります。無料の先、決定事項と宿題まで作る製品も含めて段で見たいなら議事録アプリの比較にまとめました。
無料枠の中身を、公式の記載で並べる
枠のあるサービスは、月の合計より「1回の上限」と「書き出せるか」で決まります。1時間の会議が通るかどうかが、そこで分かれるからです。
| サービス | 無料の枠 | 1回の上限 | 話者 |
|---|---|---|---|
| LINE WORKS AiNote(フリー) | 月300分 | 60分 | 話者分離は基本機能。自動話者認識は企業向けのみ |
| Notta(フリー) | 月120分 | 3分 | 話者識別がフリー機能に明記 |
| 文字起こしさん(無料会員) | 1日10分 | 1ファイル先頭10分 | 記載を確認できず |
| NotebookLM(無料) | ソース50件 / 1ノートブック | 200MB・50万語 | 記載を確認できず |
1回の上限のほうが先に効きます。Nottaはフリーで月120分ありますが1回3分までなので、合計が残っていても1時間の会議は通りません。文字起こしさんの無料会員も、1ファイルにつき先頭10分までしか文字起こしされないと公式が書いています。
AiNoteのフリープランは1回60分まで、AI要約もWeb会議の録音も可、利用人数は最大30人と公式のプラン表にあります。ただし同じ表に、データの学習利用が「あり」、保管期間は1年間とも書かれています。
書き出しでも止まります。Nottaは文字起こしデータのダウンロードをプレミアム以上の機能として挙げていて、フリーの欄にはありません(共有リンクによる外部共有はフリーの欄にあります)。画面で読めることと、ファイルとして持ち出せることは別です。文字起こしさんは細かい条件が多いので、先に知っておくと無駄打ちが減ります。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 受け付ける音声 | 1GB未満・90分以内(.m4a を含む) |
| 処理時間の目安 | 入力と同じくらい(60分の音声で処理時間約60分) |
| 途中キャンセル | できない |
| 一部だけの指定 | できない(上げた分はすべて処理) |
| 複数言語の混在 | 複数言語での文字起こしはできない |
登録なしなら3分、無料登録で毎日10分です。無料アカウントは毎日リセットされると料金ページにありますが、FAQ側には正確に24時間ごとの更新を保証するものではないという但し書きが付いています。
日英が混ざる会議は、このサービスでは分が悪くなります。指定した1言語での処理になると明記されているためです。
無料で足りなくなる線
3つあります。どれも精度の話ではありません。1. 量
週に1本、1時間の会議を記録するだけで、月240分です。多くの無料枠は月300分前後なので、それだけでほぼ埋まります。週2本になると確実に足りません。
「たまに使う」なら無料で回ります。習慣にした瞬間に足りなくなります。
- 誰が言ったか
無料の選択肢の多くは、話者を分けません。Whisperの標準構成もそうです(分離を足すには別の仕組みを組み合わせる必要があります)。
3人以上の会議を文字にすると、改行の無い一続きのテキストになります。読み返して「これ、どっちが言ったんだ」となる。この状態から復元する方法はありません。
1対1の取材や、自分の口述なら問題になりません。会議で困ります。
- 議事録の形になっていない
文字起こしは文字起こしであって、議事録ではありません。1時間の会議は3万字前後になります。そのままでは誰も読みません。
ここはChatGPTなどに貼って要約させれば埋まります。無料でできます。手順は別の記事に書きました。
ただし、貼る作業が毎回発生します。そして長い文字起こしは一度に貼れないので分割することになる。月に何本もやると、これが地味に重い。
無料のまま、1時間の会議を最後まで処理する
ここが実務の本題です。無料で止まるのはたいてい「録れたけれど、その先に運べない」ところなので、運び方を先に決めます。
道は3本あります。手元の機種と、音声を外に出してよいかで決まります。
| 経路 | 何を使うか | 通る条件 |
|---|---|---|
| A. 端末内で完結 | ボイスメモ+無料のAI | iPhone 12以降・日本語・対象の国や地域 |
| B. ファイルを渡す | ボイスメモ → NotebookLM | 音声が200MBに収まること |
| C. 契約を活かす | ボイスメモ → Word | Microsoft 365・Windows版Word |
経路A: iPhoneだけで終わらせる
- ボイスメモで会議を録る
- 録音を開き、「文字起こしを表示」で全文が出るのを待つ
- 「文字起こしをコピー」で全体をコピーする
- 無料のAIに貼り、項目を指定して議事録の形にしてもらう
長さで詰まったら、テキストではなく音声のほうを割ります。録音を編集で開き、黄色のトリミングハンドルで残したい範囲を囲んで「新規録音として保存」を選ぶと、その区間だけの録音が新しくできます。オリジナルはそのまま残るとAppleが明記しているので、失敗しても録り直しにはなりません。
30分ずつ2本にしておくと、貼る側の上限にも当たりにくくなります。テキストが長くて一度に貼れない場合は、区切りごとに渡してから「これらをまとめて1本の議事録に」と頼む形になります。
経路B: 音声ファイルとして外へ出す
- ボイスメモで録音をタップし、共有のメニューを開く
- 下にスクロールして「"ファイル"に保存」をタップし、保存したい場所へ移動して「保存」
- 既定では .m4a で書き出される(NotebookLMもWordも受け付ける形式)
- NotebookLMに新しいソースとして追加する
エフェクトやレイヤーを使った録音なら、共有時に「オプション」から「レンダリング済み」を選びます。すべてのオーディオエフェクトとレイヤーがミックスされた1つの .m4a になるので、渡す先で扱いやすくなります。
NotebookLMは分数ではなくファイルサイズで区切られているので、1時間の会議でも200MBに収まっていれば1回で通ります。分割の手間が要らないのはここの利点です。
経路C: Microsoft 365を持っているなら
- Wordで [ホーム] → [ディクテーション] → [トランスクリプト] を開く
- [オーディオのアップロード] を選んで .m4a を渡す
- 終わるまでトランスクリプトウィンドウを開いたままにする
- [すべてをドキュメントに追加] で本文に入れる
3番目が地味に効きます。インターネットの速度によっては音声ファイルの長さくらいまで時間がかかる場合があると公式が書いていて、その間はウィンドウを閉じてはいけません。1時間の音声なら1時間近く空ける前提で始めてください。
4番目も忘れやすいところです。ディクテーションと違い、トランスクリプトは自動ではドキュメントに追加されません。区間ごとに足すか、まとめて足すかを自分で選びます。この経路だけは話者ラベルが最初から付きます。Speaker 1、Speaker 2 のラベルは編集でき、そのすべての出現箇所を別の名前に変更できると公式に書かれています。
無料の範囲で、話者は分けられるか
分けられます。「無料だと絶対に分かれない」は正しくありません。ただし条件が付き、対面の会議で書き出しまでできるものとなると一気に減ります。
| 分かれるもの | 公式の記載 | 付いてくる条件 |
|---|---|---|
| iPhoneの通話録音 | 文字起こしでは、それぞれの文の話者が識別されます | 電話・FaceTimeの通話のみ |
| Notta(フリー) | フリー機能に「話者識別」 | 1回3分。ダウンロードはプレミアム以上 |
| LINE WORKS AiNote(フリー) | 話者分離は基本機能 | 自動話者認識は企業向けプランのみ |
| Wordの文字起こし | Speaker 1、Speaker 2 などのラベルを付ける | Microsoft 365の契約が前提 |
Appleの標準機能の中で、話者が文ごとに分かれることを公式に確認できたのは通話録音だけです。ボイスメモとメモの文字起こしのページには、話者に触れた記述がありません。「分けない」と公式が書いているわけではなく、記載が無いという状態です。
通話録音には別の条件も付きます。録音が始まったことはオーディオ通知で両方の通話者に知らされる仕組みで、黙って録ることはできません。Apple自身が手順の中で「録音しても問題ないことを通話相手に確認してください」と案内しています。
地域の制限もあります。Appleは通話録音が使えない国・地域を名指しで挙げていて、その中には欧州連合が入っています。日本はこの一覧に入っていません。一部の国や地域では1対1の通話のみ録音できる、とも書かれています。
AiNoteの話者まわりは、フリーで何ができるかの線が公式の比較表からは読み切れませんでした。話者分離は基本機能として挙げられている一方、誰が話しているかを自動で当てる自動話者認識は企業向けプランのみと注記されています。何人まで分かれるかの上限も記載を確認できませんでした。Whisperを手元で動かすなら、話者は分かれないものとして手順を組むのが安全です。そしてAppleは、自社の文字起こしについてこう書いています。
注記: 文字起こしを信頼する前に、精度を確認してください。会話を完全に再現できていない可能性があります。
無料か有料かに関わらず、話者ラベルには当たり外れがあります。外れたときに手で直せるかを、選ぶ前に確かめてください。直せない仕組みだと、間違ったまま配ることになります。
無料の一覧によく載っているのに、いまは選べないもの
「文字起こし 無料」で出てくる比較記事は、更新が止まっているものが混ざっています。名前を見て探しに行くと、そこで初めて条件を知ることになるので、先に潰しておきます。
CLOVA Note——2025年7月31日に終了しました
無料で、日本語に強くて、話者まで分かれる。個人が使える文字起こしの定番でしたが、公式サイトにこう掲示されています。
2025年7月31日(木)をもってCLOVA Noteβのサービスを終了いたしました。
それでも「無料アプリ4選」の類にはまだ載っています。後継として案内されているLINE WORKS AiNoteはフリープランがありますが、公式のプラン表でデータの学習利用が「あり」になっています。詳しくはCLOVA Noteは終了したにまとめました。
Word の文字起こし——Microsoft 365 の契約が要ります
Wordにも文字起こしがありますが、無料ではありません。Microsoftの案内では次の条件です。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 必要なもの | Microsoft 365 サブスクリプション |
| 月あたり | アップロードした音声で最大300分 |
| ブラウザ | Edge と Chrome のみ |
| 日本語 | 対応 |
すでに365を契約しているなら追加費用なしで月300分なので、そこは強い。契約していない人にとっては無料の選択肢ではない、というだけです。
「フィラー除去」は無料の側にはほぼ無い
比較記事が選定基準に挙げる項目ですが、「えー」「あのー」を落とす処理は、無料枠では付いてこないことがほとんどです。素の文字起こしは、読むとかなり冗長に見えます。ここを気にするなら、無料の範囲では解決しません。
無料で使うと、音声はどう扱われるか
料金より先に見たほうがいいのがここです。無料の側ほど、学習利用と保管期間の条件が付きます。
| サービス | 学習利用について公式が書いていること | 保管 |
|---|---|---|
| NotebookLM(個人) | フィードバックを提供しない限りトレーニングに使用されない | 記載を確認できず |
| Geminiアプリ | 人間のレビュアーがレビューする場合がある | レビュー済みは最長3年。既定の保存は18か月 |
| LINE WORKS AiNote(フリー) | 学習利用あり | 1年間 |
| 文字起こしさん(無料会員) | 精度確認などで社員が内容を見ることがある | 30日(非会員は1日) |
| Wordの文字起こし | このサービスを提供するためだけに使用 | Microsoftのサービス側には保存されない |
NotebookLMは、フィードバックを送ると話が変わります。Googleは「クエリ、アップロード、モデルの回答など、そのやり取りの全容を確認させていただく場合があります」と書いていて、確認の対象にアップロードした音声が含まれます。
Geminiアプリはもう一段はっきりしています。人がレビューしたチャットは自分でアクティビティを削除しても消えず、最長で3年間保存されると明記されています。Google自身が、レビュアーに見られたくない機密情報は入力しないでくださいと書いています。
保存の設定は変えられます。既定の18か月から3か月・36か月・無期限に変更でき、「アクティビティの保存」をオフにすれば以後レビューや改良には使われないとされています。会議の音声を貼るなら、貼る前に触っておく場所です。
Nottaについて公式が明記しているのは、「AI学習なし」の環境を提供するのがエンタープライズとビジネスPlusだ、というところまでです。同じページに、学習の対象になるのは音声認識のときだけで、AI要約など音声認識以外のAI機能はどのプランでも学習に使っていないと書かれています。学習を行うのはNottaではなく、音声認識エンジンを提供する第三者の国内パートナー企業だとも明記されています。
AiNoteのフリープランは、学習利用の対象が明確です。同社の規約は、音声データと、その音声から音声認識技術で変換されて表示されるテキストデータの両方を対象に挙げています。音を消せばテキストは残らない、という関係ではありません。
Wordは書き方が二段になっています。文字起こしが完了すると音声も結果もMicrosoftのサービスによって保存されない一方、アップロードした音声そのものはOneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダに残ります。消すのは自分の仕事です。
文字起こしさんは、AIエンジン側は「ログを残さない」仕様だとしつつ、社内の限られた社員がエラーや精度の確認に利用し、研究開発のための統計的データとして活用する場合があると書いています。第三者への提供と一般公開は行わないとされています。なお、iPhoneのボイスメモの文字起こしが端末内で完結するのか通信を要するのかは、Appleの公式ヘルプに記載を確認できませんでした。外に出ないことを前提に運用するなら、そこは自分の環境で確かめる必要があります。
どう選ぶか
用途で決まります。
- 口述筆記・1人で考えをまとめる → Googleドキュメント。これ以上のものは要りません
- 月に何本も処理する・外に出せない音声 → Whisperを自分の機械で。準備の元は取れます
- たまに短い音声を文字にする → 各社の無料枠で足ります
- 毎週の会議を記録して、誰が言ったかも残す → ここが無料の外側です
4つ目に当てはまるなら、足りないのは精度ではなく、話者分離と、貼り直す手間です。そこにいくら払う価値があるかという話になります。
うまくいかないとき
無料の側で止まる場所は決まっています。層で見ると4つです。
原因が公式に書かれているものだけを、対処と対にして並べます。
| 症状 | 公式に確認できる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 文字起こしのボタンが出ない | 最低要件を満たしていないか、対応する言語を検出していない | 機種(iPhone 12以降)と端末の言語設定を見る |
| 録音が途中で止まっていた | ほかのアプリでオーディオの再生が始まると録音は停止する | 録音中は音を鳴らすアプリを開かない |
| 1時間の音声が通らない | 1回あたりの上限(Nottaは3分、文字起こしさんの無料会員は先頭10分) | 音声を割るか、1回60分まで通る枠を使う |
| ファイルが大きすぎる | NotebookLMは200MB、Geminiアプリは100MB、文字起こしさんは1GB未満・90分以内 | 渡す先に合わせて分割する |
Wordには固有の詰まりどころがあります。ここも全部公式に書いてあります。
| 症状 | 公式に確認できる原因 |
|---|---|
| メニューに見当たらない | 商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365でのみ使用できる |
| ブラウザで動かない | 新しいMicrosoft EdgeとChromeでのみ機能する。インターネット接続が必要 |
| 前の文字起こしが消えた | 1ドキュメントにつき1つのトランスクリプトのみ格納できる |
| 本文に入らない | 自動では追加されない。[すべてをドキュメントに追加] が要る |
3行目は事故になりやすいところです。同じファイルで2本目を作った時点で1本目が消えるので、会議ごとに新しい文書を作るのが安全です。
Zoomの字幕を保存する手も、いまは使えません。2026年5月18日から字幕の保存とダウンロードができなくなり、会議中に見られるのは3分ぶんのスクロールバックまでだとZoomが告知しています。クラウド録画の文字起こしはPro以上の有料アカウントが要件です。
会社のGoogleアカウントで音声入力のメニューが無い場合は、管理者が無効にしている可能性があると公式が書いています。個人のアカウントで使えても、職場で使えるとは限りません。
間違ったファイルを上げてしまったときは、サービスによっては取り返しがつきません。文字起こしさんは処理中・処理済みに関わらずキャンセルできないと明記していて、無料会員の枠は1日10分しかありません。押す前に、ファイルの中身と長さを確かめてください。
最後に録音そのものについて。Appleは通話録音の手順の中で「録音しても問題ないことを通話相手に確認してください」と案内しています。社内規程や相手先の規則は別に効きますので、個別の判断は弁護士にご確認ください。
仕様は2026年9月2日時点の公式サイトの記述に基づきます。OSのバージョンで名前や場所が変わるので、お手元でご確認ください。
有料に移る前に確かめること
移るとしても、先に無料枠で試してください。多くのサービスに無料枠があるのは、そのためです。試すときに見るのは3つだけで足ります。
- 固有名詞が出るか(社名・商品名を10個数える)
- 参加者の人数と、出てきた話者ラベルの数が合うか
- 議事録の1行から、音声の該当箇所に戻れるか
測り方は精度は3つあるにまとめました。カタログの数字より、自分の会議で1本測るほうが早いです。
Recoryにもお試しがあります(3会議・各60分まで)。上の3つを試すには足ります。月1〜2本なら、正直この記事の無料の方法で足ります。払う価値が出るのは、量が増えて貼り直しが面倒になってからだと思っています。
Android端末の場合は事情が違います。機種ごとにできることが分かれるので、Androidで会議を文字起こしするにまとめました。
有料に移る段になったら、4つの質問と1時間あたりの料金一覧が使えます。
無料でできる範囲を確かめたうえで、作業そのものの整理は文字起こしとはにまとめました。3つのやり方それぞれにかかる時間と、用途ごとに必要な精度を並べてあります。
サービスを横断して並べた比較は文字起こしアプリの比較にあります。無料枠は月の合計ではなく1回の上限で詰まるので、その列を足しました。3分・10分・3時間と桁が違うので、自分の会議の長さで先に絞れます。
無料のAIに貼って議事録にする手順はChatGPTで議事録を作るに、iPhoneだけで完結させる方法はこちらにあります。
よくある質問
完全に無料で文字起こしできる方法はありますか
あります。Googleドキュメントの音声入力は無料で、時間の上限は公式ヘルプに記載がありません(「無制限」と書かれているわけでもありません)。Whisperを自分のパソコンで動かす方法も、動かしてしまえば無料で無制限です。ただし前者は録音ファイルの取り込みに向かず、後者は準備に手間がかかります。
無料の文字起こしは精度が低いですか
低くありません。日本語でも実用になりますが、条件を揃えた公開比較は見つけられませんでした。無料と有料で差が出るのは精度そのものより、話者分離・議事録への整形・長時間の安定性といった周辺の部分です。
無料枠のあるサービスはどのくらい使えますか
サービスによって幅があります。月300分のものから、月120分(1回3分まで)、1日10分まで様々です。週に1本1時間の会議を記録するだけでも月240分ほど必要なので、定期的に使うなら無料枠は早い段階で足りなくなります。
無料で文字起こしできるおすすめのAIはありますか
iPhoneをお使いなら標準のボイスメモが無料で時間の制限もありません。ただし話者は分かれません。パソコンならGoogleドキュメントの音声入力、手元で動かすならWhisperという選択肢があります。
無料で30分の文字起こしはできますか
できる方法とできない方法があります。iPhoneの標準機能や手元で動かすWhisperには時間の上限がありません。一方でサービスの無料枠は月120分や1ファイル10分といった制限があり、1回30分が通らないものもあります。
CLOVA Noteは今も無料で使えますか
使えません。2025年7月31日にサービスが終了しています。無料の比較記事にはまだ名前が残っていることがあるので、注意してください。後継はLINE WORKS AiNoteですが、フリープランは公式のプラン表でデータの学習利用が「あり」になっています。
Wordの文字起こしは無料で使えますか
Microsoft 365のサブスクリプションが必要なので、単体では無料ではありません。契約していれば追加費用なしで月300分まで使えます。ブラウザはEdgeとChromeのみで、日本語に対応しています。
文字起こしを完全に無料でやる方法はありますか
あります。iPhone 12以降ならボイスメモの文字起こしが追加費用なしで使え、パソコンならGoogleドキュメントの音声入力、手元で動かすならWhisperがあります。ただしいずれも公式に「無制限」と書かれているわけではなく、上限の記載が無いだけです。
iPhoneのボイスメモの文字起こしはどの機種で使えますか
Appleの公式ヘルプでは、オーディオの文字起こしはiPhone 12以降で日本語を含む言語に対応し、一部の国や地域では利用できないと書かれています。要約に必要なApple Intelligence(iPhone 15 Proモデル、iPhone 16モデル以降・iOS 18.1以降)とは条件が別です。
Googleドキュメントの音声入力に時間の制限はありますか
公式ヘルプに時間の上限の記載は確認できませんでした。「無制限」とも書かれていません。対応ブラウザはChrome・Edge・Safariの最新バージョンで、載っている手順はマイクに向かって話すものだけです。
無料で1時間の会議を文字起こしできますか
できます。iPhoneのボイスメモには1回の長さの上限の記載がなく、NotebookLMは時間ではなくファイル200MB・50万語で区切られています。一方でNottaのフリーは1回3分、文字起こしさんの無料会員は1ファイル先頭10分なので、その枠では通りません。
無料で話者を分けることはできますか
できる経路があります。iPhoneの通話録音は文ごとに話者を識別するとAppleが明記していて、Nottaのフリーには話者識別、LINE WORKS AiNoteのフリーには話者分離があります。ボイスメモとメモの文字起こしについては、話者に触れた記述を公式に確認できませんでした。
無料の文字起こしで音声は学習に使われますか
サービスによります。LINE WORKS AiNoteのフリープランは公式のプラン表でデータの学習利用が「あり」・保管1年、NotebookLMの個人アカウントはフィードバックを提供しない限りトレーニングに使用されないと書かれています。Geminiアプリは人がレビューしたチャットが最長3年保存されると明記しています。
NotebookLMで音声ファイルを無料で文字起こしできますか
できます。音声ファイルはインポート時に文字起こしされてソースになると公式ヘルプにあり、m4aやmp3にも対応しています。無料版の区切りはノートブック100件、1ノートブックにつきソース50件、チャット50回/日、ファイルは200MBまでです。
Wordの文字起こしは無料で使えますか
Microsoft 365のサブスクリプションが前提なので、単体では無料になりません。契約していればアップロードした音声を月300分まで処理でき、話者にSpeaker 1などのラベルが付きます。使えるのは商用テナントのWindows上のWord for Microsoft 365で、ブラウザはEdgeとChromeのみです。
Whisperを動かすにはどのくらいの性能が要りますか
OpenAIの公式表では、largeが約10GB、turboが約6GB、smallが約2GB、tiny/baseが約1GBのVRAMとされています。1時間の日本語音声にかかる実時間は公式に記載がなく、示されているのはlargeを1倍とした相対速度だけです。
Zoomの字幕を保存して議事録にできますか
できません。2026年5月18日から字幕の保存とダウンロードができなくなり、会議中に見られるのは3分ぶんのスクロールバックまでだとZoomが告知しています。クラウド録画の文字起こしはPro以上の有料アカウントが要件です。
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