Recoryにできないこと
通話録音、Web会議への自動参加、共同編集、買い切り。Recoryが対応していないことと、話者分離が崩れる条件を先に書きます。合わない方には他をお勧めします。

製品の紹介ページには、できることが並びます。この記事は逆です。Recoryが対応していないことを、先にまとめて書きます。入れてから気づく方が、お互いに損だからです。
この記事の内容(18項目)
対応していないこと
電話の通話は録音できません
Recoryは通話の録音に対応しておらず、今後も対応の予定はありません。iPhoneの標準の通話録音は「電話」アプリの機能で、Recoryはその外側にいます。対象になるのは、対面の会議と、スピーカーから流れている音です。電話商談を録りたい場合の選択肢は2つです。iOS標準の通話録音(iOS 18.1以降。開始時に相手へ自動でアナウンスが流れます)で録ってから、そのファイルをRecoryに取り込んで議事録にするか、PLAUD(プラウド) Note / Note Pro のような振動センサーでiPhone本体の音を拾うハードウェアを使うか。前者は通話そのものの録音をRecoryがしているわけではない、という意味で「対応していない」に変わりはありません。
Web会議に自動で入るボットがありません
ZoomやTeamsの会議URLを渡すと勝手に参加して記録する、という機能はありません。Zoomなどで録画したファイルを取り込んで文字起こしすることはできますが、ひと手間かかります。Web会議が業務の半分以上なら、ボット型のサービスの方が確実に合います。録画の置き場所と取り出し方は動画から議事録を作るにまとめてあります。
iPhone専用です
- Android版、Web版、Windows版、ブラウザ拡張 —— いずれもありません
- 動作環境は iOS 17以降
チームに1人でもAndroidの方がいると、そこで揃いません。全員がiPhoneでない限り、共通の道具にはなりません。
共同編集・共有ワークスペースがありません
チームプラン(後述)で席をまとめて契約・管理することはできますが、次はありません。
- 共同編集、共有ワークスペース —— ありません。議事録は録った本人のものです
- 管理者が全員の議事録を横断して見る機能もありません(席の管理はできますが、中身は覗けません)
共有したい場合は、できあがった議事録をNotion・Slackへ投稿するか、テキストで書き出して渡す形になります。共有の単位は「議事録1本」で、ワークスペースごと共有する形ではありません。
チームプランは、アプリの外での契約になります
人数分をまとめて契約したい場合、チームプラン(スタンダード ¥1,500/人・Pro ¥2,500/人・いずれも月額・税込)があります。ただしApp内課金ではありません。Appleのアプリ内課金は「個人・カード払い・1アカウント1契約」しかできないため、請求書払いと席の管理はアプリの外で契約して、サーバーが席を配る形にしています。申し込みはサイトのフォームから。アプリの中に申し込みへの導線は置いていません(Appleの規約上そうする必要があります)。席を受け取る側は、招待に届いた使い捨てのコードを、そのメールアドレスでログインしたアプリに入れる流れです。
ライトのチームプランはありません。スタンダードかProのどちらかで、契約内の席は全員同じプランになります。
買い切りがありません
月額のみです。ライト¥980/スタンダード¥1,480/Pro¥2,480、ライト(1週間)¥280。初めて月額プランに入る月は半額(ライト¥490/スタンダード¥740/Pro¥1,240)で、2か月目から通常価格です。ライト(1週間)は対象外。使う量が少なくて長く使う方には向きません。専用機を買い切って無料枠の中で使う方が、総額で安くなる場合があります。分岐点の計算は「サブスク不要のAIレコーダー」を探している人へに書きました。
日本語の会議専用です
2026年8月時点では、英語をはじめ日本語以外の会議に対応していません。文字起こしに渡す指示も、議事録を書かせる指示も、いまは日本語の会議として書いてあります。言語を切り替える設定もありません。いま英語の会議を記録する必要があるなら、多言語に対応した別のサービスをお選びください。そちらのほうが確実に良い結果になります。
この項目は、上の「通話の録音」とは事情が違います。あちらは対応の予定がありませんが、言語はこちらの実装の問題です。時期はお約束できませんが、恒久的な制約ではありません。
CRMへの自動連携がありません
Salesforce、HubSpotなどへ自動で書き込む機能はありません。書き出したテキストを貼る形になります。MCP連携で外のAIから読むことはできますが、CRMへ書く方向の連携は持っていません。Claude側にコネクタとして登録する手順はClaudeのコネクタ一覧に、議事録アプリが入っていないにまとめました。他社がどこまで書き込みに対応しているかも含めた比較はMCP対応の議事録サービス比較にあります。
通信が必要です
録音そのものは電波が無くてもできますが、文字起こしと議事録の生成はサーバーで行います。オフラインで完結する道具ではありません。音声は文字起こしのために社外の事業者(Soniox / Google / Anthropic)へ送信されます。録音を外部に出せない職場では使えません。その場合は、端末内でAI文字起こしが完結する専用機(iFLYTEK VOITER SR302 Pro など・買い切り)か、通信を使わない従来型のICレコーダーをお選びください。詳しくはプライバシーポリシーに記載しています。
できるが、限界があること
「対応しています」と書いてあっても、思ったとおりにならない条件があります。ここも先に書きます。実際に測って確かめたものだけです。
話者分離は万能ではありません
次の場合に崩れます。実際に測って確認しています。どれも、録音の質を上げれば直るという類ではありません。
- 声質が似ている人が複数いるとき。同性で年齢の近い3人以上の会議は、2人に畳まれることがあります
- 相槌だけの人がいるとき。「はい」「なるほど」しか発言しない人は、独立した話者として立ちません
- 途中から入室した人。前半に声が無いと、別人として数えられないことがあります
申告5人の会議が3人にまとまった録音が実際にありました。音声認識のモデルを替えても、音質を上げても、その録音は3人のままでした。対策として、語に強いエンジンの本文へ、話者に強いエンジンの話者を貼り直す機能があります(有料プラン)。ただし必ず直るとは限りません。なお、起こし直したあとでなければ話者に名前を付けられないようにしています。まとまったまま名前を付けると、別の方の発言までその方のものとして記録に残るためです。不便ですが、あえて止めています。
AIは間違えます
文字起こしが正しくても、そこからの読み取りが間違うことがあります。とくに数字・固有名詞・期日・担当者の4つは、間違っていても文章として自然に読めるので気づきにくい。だから議事録の一行ごとに [mm:ss] の出典を付けて、その瞬間の音声に戻れるようにしています。目的は「間違えないこと」ではなく「間違いに気づけること」です。詳しくはAIが書いた議事録は、どこまで信じていいかに書きました。
録音時間に上限があります
1回あたり、有料プランは4時間、無料のお試しは60分です。終日の研修や合宿は、休憩で区切って録ってください。1日中録りっぱなしにしたい方は、連続50時間クラスの専用機が向いています。
無料のお試しでは使えない機能があります
有料プラン(ライト・スタンダード・Pro・ライト(1週間))は機能が全部同じです。違いは使える量(議事録込みで月600分/1,200分/1,800分、週は120分)と音声の保存日数だけ。2026年9月にそう揃えました。ただし無料のお試しでは、次の3つは使えません。
- ハイブリッドで聞き直す(話者分離の作り直し)
- MCP連携(Claude・ChatGPTから過去の会議を参照する)
- 会議中の「ここまでのまとめ」
話者を正確に分けたいことが導入の理由なら、お試しで話者の分かれ方を見たうえで、有料プランに入ってからハイブリッドを試してください。ライトでも使えますが利用時間を3倍消費するので、毎回かけるならスタンダード以上のほうが余裕があります。
音声は既定で14日後に消えます
設定で7日に縮めることも、プランの上限まで伸ばすこともできます(ライト90日/スタンダード180日/Pro 365日)。文字起こしと議事録は音声が消えたあとも残りますが、「1年前の会議の音声を聞き直す」使い方は、既定のままではできません。
こういう方には、他をお勧めします
正直に書きます。次に当てはまる方は、Recoryを選ばない方がいいと思います。右の列は、うちが実際に記事で比べた先です。
| こういう方 | お勧め |
|---|---|
| 電話商談を録りたい | PLAUD Note / Note Pro |
| Web会議が業務の半分以上 | ボット型のサービス(Nottaなど) |
| 1日中録りっぱなしにしたい | 専用機(連続20〜50時間) |
| 録音を社外に出せない | ICレコーダー(OM SYSTEM Voice-Trek など) |
| 議事録を共同編集したい・管理者が中身を見たい | 法人向けSaaS(席の管理だけならチームプランで足ります) |
| Androidやパソコンを使う | Recory以外 |
| 月5本以内・3年以上使う | 専用機の買い切り |
| 買い切りで済ませたい | 専用機、または従来型ICレコーダー |
それでも合う方
裏返すと、Recoryが噛み合うのはこの条件が重なった方です。全部でなくても、上から3つが重なっていれば合います。
- iPhoneを持っている
- 対面の商談・面談・取材が多い
- 誰が言ったかを正確に残したい
- 議事録を読んだあと、本当にそう言ったかを確かめたい
- 個人か、数人までの規模
この条件なら、いまのところ良い選択肢だと思っています。合わないなら、上の表から選んでください。無理に使ってもらっても、お互いに続きません。
比較の全体像はiPhone1台で対面の会議を議事録にする8つの方法に書きました。無料のお試しは3会議・各60分まで使えるので、上の制約に当たらないかを実際に確かめてから判断してください。
よくある質問
英語の会議でも使えますか
2026年8月時点では使えません。日本語の会議を前提に作っており、言語を切り替える設定もありません。いま英語の会議を記録する必要があるなら、多言語に対応した別のサービスをお選びください。
RecoryはAndroidやパソコンで使えますか
使えません。iPhone専用です(iOS 17以降)。Android版・Web版・Windows版・ブラウザ拡張はいずれもありません。今後の予定も公表していません。
Recoryで電話の通話を録音できますか
できません。Recoryが録るのは、対面の会議と、スピーカーから流れている音です。iPhoneの標準の通話録音は「電話」アプリの機能なので、通話を残したい場合はそちらで録ってから取り込む形になります。電話商談を録りたい場合は、専用のハードウェアをお選びください。
ZoomやTeamsの会議に自動で入って記録してくれますか
しません。会議に参加して録音するボット機能はありません。Zoomなどで録画したファイルを取り込んで文字起こしすることはできます。Web会議が中心の方には、ボット型のサービスの方が合います。
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