「サブスク不要のAIレコーダー」を探している人へ、2年の総額で比べました
本体を買えば月額ゼロで使える機種はほとんどありません。各社の無料枠と有料プランを実際に調べ、2年使ったときの総額と、どこで買い切りの方が安くなるかの分岐点を出しました。

「AIレコーダー サブスク不要」「買い切り」——よく検索されている言葉です。本体を買ったのに月額も要るという構造への抵抗が、そのまま検索語になっています。
この記事の内容(8項目)
月額を払い続けたくない、という気持ちはもっともです。ただ調べてみると、この条件を素直に満たす機種はほとんどありません。何がどうなっているのかを、実際の金額で書きます。
「本体を買えば無料」は、だいたい成り立たない
2026年8月時点で公表されている無料枠と有料プランです。各社の公式ページの表示から並べました。
| 本体 | 無料枠 | 超えたら | |
|---|---|---|---|
| PLAUD Note Pro | ¥30,800 | 月300分(期限なし) | 年¥16,800(月換算¥1,400・1,200分)/月¥3,000 |
| PLAUD Note | ¥27,500 | 月300分(期限なし) | 同上 |
| Anker Soundcore Work | ¥24,990/¥26,990(8GB/64GB・通常価格) | 月300分 | 月¥2,680(1,200分) |
| Notta Memo(標準) | ¥23,500 | 月300分+要約30回 | 月¥1,185〜(年払い・1,800分) |
| GLIDiC AI +u Buds | ¥29,800 | 月300分 | 月¥1,980(1,200分) |
| TicNote | ¥24,900 | 月300クレジット | 月¥2,000/年¥13,000 |
| BOYA Notra | ¥23,000 | 月320分 | 月¥3,000(1,280分) |
| TALIX DingTalk A1 | ¥32,800 | 月300分 | 月¥2,480(1,500分) |
| viaim OpenNote | ¥32,800 | 月600分 | 月¥1,500(1,800分) |
| オートメモ S | ¥19,800 | 月60分 | 月¥1,480/年¥14,800(30時間) |
| HiDock P1 | ¥26,800 | 文字起こしは無制限と明記 | 上位機能は月300分の枠あり |
| OM SYSTEM WS-883 | ¥11,878 | — | 月額なし(文字起こし機能そのものが無い) |
月300分が業界の標準です。1時間の会議で5本。週2本の打ち合わせがあれば2か月目に超えます。
「サブスク不要」を正面から名乗っているのはHiDockだけでした。ただし同じページに「アドバンスト機能を毎月300分無料提供」とも書かれていて、上位機能には枠があります。完全に無制限なのは基本の文字起こしまで、と読むのが妥当です。
無料枠だけで見るなら viaim OpenNote の月600分が最大です。ここだけ標準の倍あります。ただし本体が¥32,800なので、初期費用と引き換えという構造は変わりません。
なぜ買い切りが成立しにくいのか
理由は単純です。文字起こしと要約は、録るたびにサーバー側で費用が発生する処理だからです。
本体を1回売り切っただけでは、その人が3年使い続けたときの処理費用を回収できません。使う人ほど赤字になるので、事業として続きません。だから各社が「本体+無料枠+超過分は月額」という形に落ち着いています。
これは各社が欲張っているというより、構造上そうならざるを得ないという話です。逆に「完全買い切り・無制限」を強く謳う製品があったら、どこで費用を回収しているのかを確認したほうがいいと思います。無料・無制限を名乗るサービスの一部は、音声データの二次利用を利用規約で許諾させています。
2年使ったときの総額
条件を決めないと比べられないので、月600分(1時間の会議を月10本=週2〜3本)で計算します。ふつうの働き方に近い量です。この量だとどの機種も無料枠(月300分)では足りません。
| 本体 | 月額(年払い換算) | 2年の総額 | |
|---|---|---|---|
| PLAUD Note Pro | ¥30,800 | ¥1,400(年¥16,800) | ¥64,400 |
| PLAUD Note | ¥27,500 | ¥1,400 | ¥61,100 |
| Notta Memo | ¥23,500 | ¥1,185 | ¥51,940 |
| オートメモ S(単品+年契約) | ¥19,800 | ¥1,233(年¥14,800) | ¥49,400 |
| オートメモ S+2年セット | — | — | ¥29,800(公式のセット。月30時間つき) |
| Recory ライト | ¥0 | ¥980(600分) | ¥23,520 |
| Recory スタンダード | ¥0 | ¥1,480(1,200分) | ¥35,520 |
差は本体代がそのまま残ります。月額そのものは各社そんなに変わりません。なおRecoryは初めて加入する月だけ半額(ライト¥490)なので、24か月の累計は実際には¥490少なくなります。表は通常価格で揃えました。
逆に、買い切りが勝つ分岐点
ここは正直に書きます。使う量が少ないなら、専用機の方が最終的に安くなります。月300分以内(1時間の会議を月5本まで)に収まるなら、PLAUD(プラウド)は無料枠のまま月額0円で使えます。すると、
- PLAUD Note:¥27,500 で打ち切り(以後いくら使っても、月300分以内なら0円)
- Recory ライト:月¥980 × 使う月数
ここで注意が要ります。オートメモには公式に「オートメモS+プレミアムプラン(2年間)」¥29,800というセットがあります。本体¥19,800と2年分(¥29,600相当)を単品で足すと¥49,400ですが、セットなら¥19,600安い。しかも枠は月30時間です。
「本体を買って、あとは無料枠で」を探している読者にとって、この行がいちばん効く選択肢になります。うちの表は長らく単品の足し算で載せていたので、競合の費用を1.66倍に見せていました。訂正します。
分岐点は約28か月です。2年4か月を超えて使い続けるなら、PLAUDの方が安くなります。
| 使用期間 | PLAUD Note(月300分以内) | Recory ライト |
|---|---|---|
| 1年 | ¥27,500 | ¥11,760 |
| 2年 | ¥27,500 | ¥23,520 |
| 2年4か月 | ¥27,500 | ¥27,440(ほぼ並ぶ) |
| 3年 | ¥27,500 | ¥35,280 |
| 5年 | ¥27,500 | ¥58,800 |
つまり判断はこうなります。月に録る時間で決まります。
- 会議が月5本以内で、3年以上使うつもり → 専用機の買い切りが安い
- 会議が週2本以上ある → 無料枠を超えるので、専用機でも月額が乗る。総額はアプリが安い
- どのくらい使うか分からない → まずアプリ。専用機は先に2〜3万円が出ていく
本当に月額ゼロにしたいなら
従来型のICレコーダーです。OM SYSTEMのVoice-Trek WS-883が約¥11,878、乾電池で約53時間録れます。月額は一切かかりません。
代わりに、文字起こしも要約も話者分離も付いていません。録音ファイルが手に入るだけです。そこから先は自分でやることになります。
なお、無料でやる手はあります。iOS標準のボイスメモで文字起こしして、そのテキストをChatGPTなどに貼って要約させる。手数はかかりますが、月額は本当にゼロです。面倒だと感じたときが、有料を検討する時期だと思います。
ソニーはICレコーダーの縮小が進んでいます。ソニーストアで購入できるのはICD-UX570Fシリーズだけで、ICD-TX660・ICD-PX470F・PCM-A10は製品ページに販売終了と表示されています(2026年8月時点)。従来型を選ぶなら、在庫があるうちに、という状況です。
まとめ
- 「本体を買えば月額ゼロ」はほぼ成り立たない。月300分の無料枠が業界の標準
- 週2本以上の会議があるなら、専用機でも月額が乗る
- その条件で2年使うと、総額は本体代の差がそのまま残る
- ただし月5本以内・3年以上なら、専用機の買い切りが安くなる(分岐点は約28か月)
- 完全に月額ゼロにしたいなら、従来型ICレコーダーか、iOS標準+手作業
Recoryは月¥980からのサブスクで、買い切りはありません。上の表のとおり、使う量が少なくて長く使う人には向きません。週2本以上の会議がある人向けの料金です。機種ごとの詳しい違いはAIレコーダーを買う前に、iPhoneで足りるか確かめるに書きました。
価格は2026年8月時点の税込で、各社の公表情報を確認したものです。改定が速い分野なので、契約前に必ず最新をご確認ください。総額の計算は年払いを前提にしています(月払いだとPLAUDは月¥3,000なので差が広がります)。
月額に何が乗っているのかはAI議事録とは何かの2段の説明が土台になります。買い切りに見える製品でも、2段目の処理はサーバー側にあることが多く、そこが課金の対象です。機種ごとの違いはAIレコーダーはどれを買うかにまとめました。
買い切りで済む機種と、済まない機種
月額を避けたい場合の選択肢です。2026年の機種には3つの型があります。
| 型 | 何が起きるか |
|---|---|
| 月額が前提 | 無料枠を超えると払い続ける |
| 分数の買い切りパックがある | 使う分だけ買える。月額なしで運用できる |
| 本体だけで完結 | 端末内で処理する。追加費用なし |
いちばん下は、通信せずに端末の中で文字起こしする作りの機種です。サービスが止まっても動きますが、要約の作り直しのようなクラウド側の機能は使えません。
真ん中の買い切りパックは、月に数本しか会議がない人に向きます。月額だと使わない月も払いますが、パックなら使う分だけです。
確認する項目は2つ。パックに有効期限があるか、そして無料枠を使い切ったあと自動で課金されるか。後者は、止める設定があるかどうかで事故が防げます。
月額を払い続ける前提で考える
避けられない場合の計算です。月額は「時間を買っている」のではなく「処理を買っている」と考えると分かりやすくなります。
文字起こしと要約は、事業者のサーバーで処理されます。使うほど費用がかかる構造なので、買い切りにすると使われるほど提供側が損をします。だから月額か従量になる。
これは避けられない性質ですが、払う額は自分で決められます。4つの方法があります。
| やり方 | 効果 |
|---|---|
| 無料枠に収まる本数だけ録る | 月額¥0 |
| 要約は使わず文字起こしだけ | 安いプランで足りることがある |
| 年払いにする | 1〜2か月ぶん安くなる |
| 買い切りパックを使う | 使わない月に払わない |
2つめが見落とされます。文字起こしだけのプランがあるサービスでは、要約つきの半額前後になります。要約を自分で書く前提なら、ここで下げられます。
総額ではなく1時間あたりで各社を並べた一覧はこちらにあります。
よくある質問
買い切りで使えるAIレコーダーはありますか
文字起こしまで含めて完全に買い切りの機種は、ほぼありません。HiDockが「買い切りで文字起こし無制限」と明記していますが、同じページに上位機能は月300分という記載もあります。多くの機種は本体購入で月300分前後の無料枠が付き、それを超えると月額が必要です。
従来のICレコーダーなら月額はかかりませんか
かかりません。ただし文字起こし・要約・話者分離は付いていないので、そこは人の作業として残ります。録音するだけでよければ、これがいちばん安く確実です。
無料枠の月300分はどのくらい使えますか
1時間の会議で5本です。週2本の打ち合わせがあると2か月目には超えます。月に4本以内なら無料枠のままで運用できます。
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