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選び方と比較

toruno(リコー)の料金は3段——同じ100時間で、3倍ちがう理由

個人向けは月1,650円で8時間、法人向けは月100時間28,500円。ところがAI要約が付くプランになると、同じ100時間が85,500円になります。この3倍の差がどこから来るのか、そして安いほうの価格が料金表に出ていない件を整理しました。

株式会社リコーが出している文字起こし・記録サービスです。Web会議も対面の会議も録れて、音声や動画のファイルもアップロードできます。文字起こしと要約が別料金で分かれている珍しい作りで、その2つが中では別の処理だという話はAI議事録とは何かに書きました。ただし料金の作りが3段に分かれていて、そのうち1つの価格は料金表に載っていません。検討するときにいちばん引っかかるのがここなので、先に整理します。

この記事の内容(27項目)
  1. 料金は3系統あります
  2. 料金表は7区分。金額以外の列も読む
  3. 従量課金は、止まらない仕組みです
  4. 請求の締めは、毎月1日の午前9時です
  5. 支払い方法と、解約するときの条件
  6. 無料枠は「累計」です
  7. 法人の無料トライアルには、申し込みの条件があります
  8. Windowsが要ります
  9. 入口は4つ。スマートフォンでも文字起こしはできます
  10. 「3時間」が3か所に出てきます
  11. 画面キャプチャは、この製品の独自な部分です
  12. 専用の端末は売っていません
  13. 精度の書き方が、この分野では誠実です
  14. 話者分離はあります。ただし名前は毎回入れ直します
  15. AI要約は、押して使う機能です
  16. 多言語とリアルタイム翻訳は、AI要約プランだけです
  17. 書き出せる形式と、書き出せない形式
  18. 公式が数字を出していない項目
  19. 音声認識と生成AIの中身、学習に使われるか
  20. セキュリティと認証は、書き方に注意が要ります
  21. ログインまわりで、できないこと
  22. 削除と、退会したときに残るもの
  23. サポートは、Webフォームとメールだけです
  24. 向く場面・向かない場面
  25. 記録していることは、相手の画面に出ません
  26. 検討するときに見る順番
  27. 誰に向くか、もう一段細かく

料金は3系統あります

プラン月額含まれる時間超過分
パーソナル(無料)¥0累計3時間
パーソナル(有料)¥1,650(税込)月8時間1分 2.2円
ビジネス¥28,500(税抜)月100時間1時間 285円
ビジネス AI要約¥27,000(税抜)月30時間1時間 900円
ビジネス AI要約¥85,500(税抜)月100時間1時間 855円

初期費用は0円で、年間契約ではありません。公式も「スモールスタートで始められる(価格が安価、年間契約ではない)」を他社との違いとして挙げています。

ここで目を引くのが、月100時間の2行です。AI要約が付かないビジネスが28,500円、付くビジネスAI要約が85,500円。同じ100時間の記録に対して、AI要約の有無だけで3倍の差があります。超過分の単価も285円と855円で、やはり3倍です。

安いほうの価格は、料金表に出ていません

法人向けの料金ページに並んでいるのは、ビジネスAI要約の2プランだけです。28,500円のビジネスプランの価格は、個人向けページの「料金計算例」の中に例として書かれているだけで、プランの一覧としては出てきません。

同じことがRimo Voiceでも起きています。料金ページには3プランしか並んでいないのに、別のページにもう1つ安いプランがある、という作りです。AI要約が要らない人にとっては、この差が年間で数十万円になります。文字起こしまでで足りるなら、問い合わせるときにビジネスプランの存在を自分から確認してください。

文字にするところまでで足りるかどうかの判断は、文字起こしだけのプランを選ぶ考え方にまとめてあります。議事録の形は自分で整える、という分担が成り立つ職場は思ったより多くあります。

パーソナル 無料累計3時間・使い切ると戻らないパーソナル 有料月1,650円・8時間・超過2.2円/分ビジネス月28,500円・100時間・要約なしビジネス AI要約月85,500円・100時間・要約あり
torunoの4つの入口。上に行くほど安い。

料金表は7区分。金額以外の列も読む

torunoのプランは、個人向け2つと法人向け5つの計7区分です。7つを1枚に並べた料金表は、法人向けページではなく個人向けページに掲載されています。初期費用は0円で月額料金制、と公式に記載があります。

個人向けの2つはこうです。価格は税込で、公式ページに「料金はいずれも税込みです。」と明記があります。

プラン月額含まれる時間超過分保存容量
パーソナル(無料)¥0会員登録後 累計3時間20GB
パーソナル(有料)¥1,650月10時間1分 2.2円20GB

有料プランに含まれるのが月10時間である根拠は、公式ページの計算例です。「1,650円 + 超過分120分 × 2.2円/分 = 1,914円」という式が、12時間使った月の例として載っています。12時間のうち120分が超過なので、基本料金でまかなえるのは10時間です。

法人向けの5つは税抜表示です。公式に「料金はいずれも税抜きです。」と記載があります。

プラン月額(税抜)含まれる時間超過分(税抜)保存容量
ビジネス¥9,000月30時間1時間 300円75GB
ビジネス¥28,500月100時間1時間 285円250GB
ビジネス¥135,000月500時間1時間 270円1,500GB
ビジネス AI要約¥27,000月30時間1時間 900円75GB
ビジネス AI要約¥85,500月100時間1時間 855円250GB

AI要約が付くプランに、月500時間の区分はありません。料金表に載っているのは月30時間と月100時間の2つだけです。要約付きで月500時間を使いたい場合、金額は公式の料金表からは読めません。

法人向けで見落とされやすいのが、登録できるユーザー数です。全プラン共通で上限1,000人と料金表に記載があり、ユーザーアカウント数に連動する費用は発生しないと公式が明記しています。料金は招待したユーザーの記録時間の合計で決まります。

つまり法人向けは、人数ではなく時間で払う作りです。ライセンスを人数分そろえる型のサービスとは前提が変わります。10人で月30時間なら9,000円、100人で月30時間でも9,000円です。

保存容量は、超えると新規の記録ができなくなると公式に記載があります。続けるには不要な記録を削除する必要があります。容量は時間の枠とは別に効くので、長く使うほどこちらが先に当たる場面が出てきます。

従量課金は、止まらない仕組みです

含まれる時間を超えても、そこで記録が止まるわけではありません。法人向けのヘルプに「自動的に従量課金となります。記録の停止や確認・通知はございません。」と記載があります。会議の途中で上限を越えても、画面には何も出ません。

事前の通知が無いという点は、予算を締めて運用したい部署では効いてきます。超えない前提で回したいなら、月の途中で使用量を自分で見に行く運用が要ります。

「従量料金のない月額基本料金だけ」の契約はあるか、という質問が法人向けヘルプに立っていて、回答は「ご用意はございません」です。上限を超えたら必ず追加で払う、という前提で作られています。

枠の中基本料金だけ枠を超えた瞬間通知なし・記録は続く超えた分従量料金が加算される請求翌月の締めで確定
月の枠を超えたあとの挙動。止まるのではなく、乗る。

年額プランもありません。公式ヘルプの回答は「現在、ご用意はございません」で、年払いで何か月ぶん安くなるという割引は存在しません。月額以外の支払いサイクルについては、公式に記載を確認できませんでした。計算の単位が個人向けと法人向けで違う点にも注意が要ります。

契約単位単価端数
パーソナル(有料)1分2.2円(税込)記載を確認できず
ビジネス 月30時間1時間300円(税抜)切り上げ
ビジネス AI要約 月30時間1時間900円(税抜)切り上げ

法人向けの従量料金は1時間単位で、1時間未満の記録は切り上げて計算すると公式ヘルプに記載があります。10分の超過でも1時間ぶん請求される、という意味です。毎月ちょうど枠の前後を使う組織は、ここで細かく上振れします。

パーソナル有料プランのほうは1分単位です。公式の計算例も「超過分120分 × 2.2円/分」と分で書かれています。この2つを混ぜて読むと、個人向けの見積りが実際より大きく出ます。

超過が常態化するなら、プランを上げたほうが安くなる境目があります。月30時間プラン(9,000円)で100時間使うと、超過70時間 × 300円 の21,000円が乗って合計30,000円です。月100時間プランは28,500円なので、この時点で逆転します。

請求の締めは、毎月1日の午前9時です

パーソナル有料プランの契約初月は日割り計算になります。月額基本料金と、その中に含まれる記録時間が通常の月と異なると公式ヘルプに記載があります。月の途中で契約すると、初月は10時間より少ない枠で始まります。

締めのタイミングも独特です。公式ヘルプは、決済システムの都合で毎月1日の午前9時が締めになると書いています。月額基本料金と従量料金で、計算の対象になる期間がずれます。

月末に長い会議を入れる仕事だと、この数時間のずれが月をまたぐことがあります。金額が大きく動くものではありませんが、請求の数字と手元の感覚が合わない理由にはなります。

支払い方法と、解約するときの条件

支払い方法は契約の種別ではっきり分かれます。

契約支払い方法
toruno ビジネス請求書払い
toruno ビジネス AI要約請求書払い
toruno パーソナルクレジットカード決済のみ

パーソナルは請求書払いに対応していないと公式ヘルプに明記があります。経費精算に請求書が要る個人事業主は、ここで一度止まります。逆に法人契約は請求書払いなので、部署でカードを持っていなくても通ります。

法人の解約は、解約希望月の前月末までに意思表示が要ります。そのため最低利用期間は契約月とその翌月の2か月間です。半年や1年といった最低利用期間は設けていない、と公式ヘルプが明記しています。

返金については、特定商取引法に基づく表示に「商品の特性上、返品が不可能であるため、購入確定後のキャンセル・返金についてはお受けできません」と記載があります。契約解除はログイン後のマイページから行います。ただしこの記載が請求書払いの法人契約にも同じように及ぶかは、公式に記載を確認できませんでした。

事業者は株式会社リコー、住所は東京都大田区中馬込1丁目3-6、運営責任者はデジタルサービスBU デジタルサービス事業本部 本部長 髙松太郎と表示されています。稟議で提供元を書く欄があるなら、この表記をそのまま使えます。

無料枠は「累計」です

パーソナルの無料枠は累計3時間で、月ごとに戻るものではありません。ここは読み落としやすい部分です。3時間ぶん試したら、そこで判断することになります。

法人向けの無料トライアルは3週間・上限30時間なので、こちらは実務に近い量を試せます。無料プランから自動的に有料プランへ切り替わることはない、と公式に明記されている点は安心材料です。

法人の無料トライアルには、申し込みの条件があります

法人向けの無料トライアルは3週間・上限30時間です。実務に近い量を試せる代わりに、申し込める人に制限があります。公式ヘルプ「toruno ビジネス 無料トライアルのご利用制限」には、受け付けられない場合がある例として、個人利用の方、個人事業主と思われる方、同業他社や同種のサービスを運営する企業に勤める方、企業ドメインではないメールアドレス(Gmail、Yahooメールなど)での申し込みが挙げられています。

フリーメールで申し込むと通らないことがある、という点は先に知っておくと無駄がありません。会社のドメインのアドレスで申し込むのが前提です。個人事業主として検討している場合は、個人向けの累計3時間の枠を使うことになります。

トライアルが終わっても、自動で有料プランへ移行したり課金されたりすることはないと公式に記載があります。契約を解約しない限り、期間終了後も保存済みの会議を閲覧できます。ただし1年以上利用が無い場合、データ削除・トライアル契約の解除の対象になる場合があるとも書かれています。

個人向けの無料プランについては、料金表の記載が「会員登録後 累計3時間」までです。この3時間が何らかの条件でリセットされるかどうかは、公式に記載を確認できませんでした。

Windowsが要ります

この製品を検討するうえで、料金の次に効いてくるのがここです。会議をリアルタイムに記録するデスクトップアプリはWindows専用で、Mac版はありません。公式のよくある質問にも「スマホアプリやMac版はありませんか?」という項目が立っています。

iPhoneアプリはありますが、Web会議の文字起こしには使えません。公式の記載は「Web会議の文字起こしはできません。会議室や外出先での打合せにご利用ください」です。つまり使い分けはこうなります。

場面使う手段
Web会議をリアルタイムに記録Windowsのデスクトップアプリのみ
会議室・外出先の対面の打合せiPhoneアプリ
あとから音声・動画ファイルを処理Webサイトでアップロード

Macを使っていてWeb会議が中心の人は、この時点で候補から外れます。逆に、Windowsが標準の職場で、Web会議も会議室の会議も両方あるという環境なら、1つのサービスで両方をカバーできることになります。対面とWebで道具を分けたくない場合、この使い分けができるサービスは多くありません

入口は4つ。スマートフォンでも文字起こしはできます

torunoに音を入れる方法は4つあります。それぞれできることが違うので、表で分けます。

入口リアルタイム文字起こし画面キャプチャ拾える音
Windows記録アプリマイク音源と内部音源
ブラウザ版(ベータ)×マイク音源のみ
Webサイトへのアップロード××音声・動画ファイル
iPhoneアプリ××録音のみ

スマートフォンでリアルタイム文字起こしができない、というのは誤りです。公式ヘルプ「スマートフォン、タブレットで使えますか?」は、ブラウザアプリ版(ベータ)をiPhone・iPhone以外のスマートフォン・タブレットのすべてで使えるとし、「本機能では、リアルタイム文字起こしが行えます。」と明記しています。推奨環境のページにも「モバイル記録(ブラウザ版)」が独立した項目として載っています。

ただし制約が2つあります。このブラウザ版では画面キャプチャ機能の提供が無いこと、そしてスマートフォン・タブレットではWeb会議の相手方の音声などデバイスから出力される音声を録音・文字起こしできないことです。どちらも同じヘルプ記事に記載があります。

つまりブラウザ版が使えるのは、目の前で話している声を拾う場面です。会議室の打合せや外出先の面談なら成立し、Web会議の相手の声を録るには足りません。そこはWindowsの記録アプリの領分になります。

iPhoneアプリは録音専用です。公式は「オフライン環境やネットワーク環境が悪い環境での利用も考慮し、録音専用となっております」と理由まで書いています。録ってからアップロードして文字起こしする流れです。Androidのネイティブアプリは提供されておらず、Androidで使うならブラウザ版になります。

推奨環境も確認しておきます。記録アプリはWindows 11 Enterprise 日本語版 64bitの最新から2世代前まで、iPhoneアプリとモバイル記録(ブラウザ版)はiOS 26以上、Webサービスの推奨ブラウザはGoogle Chromeの最新版です。

iOS 26以上という条件は、この分野では高いほうです。手元のiPhoneのOSが古いと、そもそも入口に立てません。買い替えの予定が無いなら、契約前にOSのバージョンを見てください。

macOS用のアプリはありません。Macではブラウザで使える機能(ファイルアップロードによる文字起こし、結果の閲覧)に限られ、公式は「デスクトップアプリで利用する機能はご利用いただけません」と記載しています。しかも推奨環境外で、動作保証はありません。

「3時間」が3か所に出てきます

torunoの説明では3時間という数字が何度も出てきますが、指しているものが毎回違います。混ぜて読むと見積りを外します。

どの3時間か中身
1回の記録記録開始ボタンから3時間で終了。変更不可
アップロードできる音声3時間以内・1GB以下
パーソナル無料プラン会員登録後の累計3時間

1回の記録の上限は、2023年1月18日の更新で2時間から3時間に延長されたと公式ヘルプに記載があります。上限は変更できず、3時間を超えて録るには一度終了して録り直します。終日の研修やワークショップを丸ごと1本で録る使い方はできません。

一方、月のプラン時間(10時間・30時間・100時間など)に停止はありません。超えたぶんは従量課金になるだけで、記録は続きます。3時間で止まるのは1回の記録の話で、月の枠の話ではありません。

アップロードの条件はもう少し細かく決まっています。音声はmp3・aac・m4a・ogg・opus・wavで1GB以下・3時間以内、動画はmp4・movで5GB以下です。数秒程度の短いファイルは受け付けないとも記載があります。長い録音を持ち込むときは、先に分割が要ります。

iPhoneアプリからのアップロードには別の制限もあります。同じタイミングで上げられるのは3ファイルまでで、4ファイル目以降は先に上げたファイルの文字起こしが終わるまで待つことになります。文字起こしが終わるまでの目安も公式に出ています。

会議の長さ完了までの目安
30分10〜20分
60分・120分10〜30分
180分20〜50分

3時間の会議なら、上がるまで最大50分の計算です。会議直後にすぐ議事録を配る仕事だと、この待ち時間を段取りに入れておく必要があります。長い録音をどう扱うかは分割の考え方にまとめてあります。

画面キャプチャは、この製品の独自な部分です

torunoは文字起こしと同時に、音声と画面のキャプチャも記録します。30秒ごとに、記録開始時に選んだ画面を自動で撮る仕組みです。撮るのはtorunoを起動して記録しているユーザーのPCに映っている画面だと公式ヘルプに記載があります。

対象はスクリーン全体でもアプリケーションウィンドウ単位でも選べます。ただし選んだウィンドウを記録中に最小化すると、キャプチャが正しく行われないという注意書きが付いています。裏で資料を切り替える進行だと、ここで抜けが出ます。

資料を映しながら進む会議では、この30秒ごとの画像が効きます。どの話がどのスライドのときだったかが画像で残るので、文字だけの記録より当たりが早くなります。設計レビューや画面を見ながらの仕様詰めのように、発言だけでは再現できない会議に向きます。

撮られたくない場面では、記録開始時に「キャプチャしない」を選べます。手順は公式ヘルプの「画面を記録(キャプチャ)しない方法はありますか?」にあります。他人の情報が映る画面や、社外に出せない資料を開いたまま録るときは、ここを先に決めておくことになります。

書き出しのときは、文字起こし結果とキャプチャ画像を左右に並べたWordファイルを出力できます。議事録の下書きとして配るなら、この形式がいちばん手数が少なくなります。

専用の端末は売っていません

AIレコーダーの分野では専用のハードウェアを売る製品が増えていますが、torunoは違います。公式サイトの「プランと価格」「プロダクト」「個人向け」の各ページと特定商取引法に基づく表示を確認しましたが、toruno専用のハードウェア製品と、その本体価格の記載を確認できませんでした。

紛らわしいのは、公式ヘルプに「torunoで利用可能なオーディオデバイスについて」という記事があることです。これは他社製のマイク・スピーカーの動作確認一覧で、toruno自身が販売している製品ではありません。

つまり買うのは月額のサービスだけで、初期費用は0円です。手元のPCとマイクで始められる代わりに、集音の質は自分でそろえる部分になります。公式が精度を上げる方法として集音デバイスを挙げているのも、そういう作りだからです。

端末ごと買う型の製品と比べるときは、この違いが効きます。専用機は集音とボタン1つの操作が付いてくる代わりに、本体代が先に要ります。どちらが合うかは専用機とアプリの分かれ目にまとめました。

精度の書き方が、この分野では誠実です

公式は文字起こしの精度を「95%以上」としています。ただしその真下に条件が書かれています。「雑音のない環境でイヤホンマイクや発話者から近い距離でマイク付きスピーカーを使用した場合」です。

この分野の精度の数字は、何を測ったものかが製品ごとに違います。読み上げ原稿を静かな部屋で録った条件と、複数人が同時に話す実際の会議とでは、同じエンジンでも結果が変わります。条件を書かずに数字だけを掲げる例が多いなかで、条件を併記しているのは読み手にとって有用です。

精度を上げる方法として公式が挙げているのは2つで、集音デバイスを使うことと、辞書機能を使うことです。ユーザー辞書は個人向けでも使えて、テナント辞書は法人向けの機能になります。社内用語や固有名詞が多い会議では、この辞書が効きます。集音の側はマイクを足すかどうかの判断にまとめてあります。

話者分離はあります。ただし名前は毎回入れ直します

torunoには話者識別(話者分離)機能があります。公式ヘルプに専用の記事があり、「会議前の事前準備は不要で、文字起こししながら自動で発話者を識別します。」と記載があります。識別結果はSpeaker1、Speaker2、Speaker3…のように表示されます。

プランによる制限もありません。公式は「話者識別機能は、tournoで文字起こしされる全てのユーザーがご利用いただけます。」とし、無料トライアルだから使えない、パーソナルとビジネスのどちらかだけ、といった制約は無いと書いています。無料の段階から、自分の会議で分かれ方を確かめられます。

識別できる人数には上限があります。

記録の方法識別できる人数
リアルタイム文字起こし音源ごとに20名
ファイルアップロード(指定あり)1〜20名を指定
ファイルアップロード(指定なし)10名

指定しなかったときの既定が10名である点は、実務でよく当たります。11人以上の会議をそのまま上げると、人数を超えた発言は既存の話者に割り当てられて誤認識になります。参加者が多い会議は、アップロードのときに人数を指定するのが前提です。

いちばん効く制約は、名前が引き継がれないことです。公式は「発話者の名前は、記録した会議ごとにご入力・設定してください。」とし、その理由を「声紋の生体情報と個人(発話者名)の紐づけ情報はお預かりしないためです。」と説明しています。毎週同じ4人でやる定例でも、毎回4人ぶん入力し直します。

これはプライバシーの設計としては筋の通った選択です。声紋を持たないから名前も紐づけられない、という関係になっています。ただし運用の手数としては毎回発生するので、定例が多い職場ほど積み上がります。

もう1つ、リアルタイム文字起こし中に記録を一時停止すると話者識別も停止します。再開以降は改めてspeakerX、speakerY、speakerZ…とIDが振られる状態になると公式に記載があります。休憩を挟む長い会議では、同じ人が別の番号で登場します。

機能をリリースした2023年10月3日以前の会議には、話者識別は提供されません。過去の記録をさかのぼって分けたい場合、その線より前は対象外です。

精度の数値は公式に記載を確認できませんでした。公式が書いているのは、声質が似ている・同時に発話がかぶる・発話時間が短いといった要因で誤識別が起きうる、という注意までです。話者分離が要件なら、無料の枠で自分の会議を1本通すのが早い判断になります。何で崩れるかは実際に測った記事に書きました。

AI要約は、押して使う機能です

AI要約は、torunoの文字起こし結果をもとに生成AIで議事録・要約・商談記録などを作る機能です。会議ログ詳細画面の「AI要約」ボタンから開き、用途別のプロンプトテンプレートを選んで送信し、結果を「議事録エディタ」に転記して人が仕上げる流れになります。

記録する文字起こしテンプレートを選ぶAI要約を送信議事録エディタで仕上げ
AI要約の流れ。最後は人が仕上げる。

自動で走らせる設定もあります。公式ヘルプ「自動要約について」は、会議の記録終了後やファイルアップロード後の文字起こし完了時に、あらかじめ指定したテンプレートを使ってAI要約を自動実行する機能だと説明しています。設定はテナントの管理者が行います。

上限は明確です。プロンプトの送信回数は1つの会議ログあたり20回までで、入力128,000トークン・出力16,384トークンを超えるとエラーになります。要約を書き直させながら詰める使い方なら、この20回が効いてきます。

公式自身が、生成AIが事実と異なる内容を返す場合があると注意しています。出てきた要約をそのまま配れる想定では作られていません。議事録エディタで人が仕上げる前提です。

AI要約が実際に出力する議事録の分量や構成(見出しの数、文字数、アクションアイテム欄の有無)は、公式に記載を確認できませんでした。公式の説明は「用途別のプロンプトテンプレートがある」までです。ここは無料トライアルで実物を見るしかありません。

多言語とリアルタイム翻訳は、AI要約プランだけです

日本語以外の音声の文字起こしとリアルタイム翻訳は「toruno ビジネス AI要約」プランでのみ利用可能、と公式に記載があります。パーソナルと、AI要約が付かないビジネスでは使えません。料金表のチェック行もそうなっています。

対応言語は18です。PC記録アプリを使ったリアルタイム文字起こしについて、公式ヘルプが次の言語を挙げています。

区分言語
アジア日本語・中国語(中国本土/台湾)・韓国語・ベトナム語・フィリピノ語・インドネシア語・ミャンマー語・タイ語・クメール語・シンハラ語
欧州ほか英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・ウクライナ語・ポルトガル語(ブラジル)

多言語が使えるのはPC記録アプリのリアルタイム文字起こしに限られます。ファイルアップロードによる文字起こしと、iPhoneアプリでの文字起こしは日本語のみと公式ヘルプに記載があります。海外の相手と録った音声ファイルを後から上げても、日本語以外は処理されません。

日本語以外の言語では辞書機能が適用されない点も書かれています。社名や製品名を正しく出したい場合、辞書での補正は効きません。英語の会議をどう記録するかは別記事に整理してあります。

リアルタイム翻訳は翻訳元・翻訳先ともに18言語に対応し、会話中の言語を自動判別します。ただし機能の中身はテキストの翻訳表示です。公式は「音声としての読み上げ(通訳)には対応していません。」と明記しています。

ここは公式サイトの中で記述が食い違っている箇所でもあります。個人向けページの機能比較は「日本語以外の音声の文字起こし」を「toruno ビジネス・toruno ビジネス AI要約だけの機能」の下に但し書き無しで並べていますが、トップページのよくある質問・料金表・ヘルプ記事はいずれもAI要約プランのみとしています。多言語が目当てなら、AI要約プランの前提で見積もるのが安全です。

書き出せる形式と、書き出せない形式

対象形式
文字起こし結果.txt / .csv / .docx
文字起こし+キャプチャ画像.docx(左右に配置)
音声.mp3
キャプチャ画像.jpg(全画像をzip)

共有された側もダウンロードできると公式ヘルプに記載があります。会議に出ていない人へリンクを渡し、その人が自分でWordに落とす、という流れが成立します。

PDFには対応していません。公式のよくある質問に明記があります。Googleドキュメントでの書き出しにも対応していないと書かれています。Googleドライブ中心の職場では、docxを経由することになります。

SRT・VTTといった字幕形式での書き出しは、公式に記載を確認できませんでした。ダウンロード機能の一覧に挙がっているのはtxt・csv・docx・mp3・jpgだけで、ヘルプセンターの記事本文に「srt」「字幕」の語は現れません。動画に字幕を付ける用途で選ぶ道具ではありません。

書き出しには絞り込みが付いています。発言に「重要・決定事項・ToDo」といったタグを付けられ、ダウンロードのときにタグで絞り込めます。決定事項だけを抜いて配る、という運用がそのまま組めます。

気になる発言から録音を頭出し再生できる点と、会議ログの画面をリンクで共有できる点も公式に記載があります。文字を読んで、怪しいところだけ音で確かめる、という確認の仕方ができます。

公式が数字を出していない項目

書かれていることと同じくらい、書かれていないことを知っておくと実務では役に立ちます。2026年9月2日時点で、公式ページに記載を確認できなかったのは次です。

項目状態
話者識別の対応記載を確認できず
保存容量の具体的な数値記載なし(超過すると新規記録ができないとだけ書かれている)
データの保管期間記載なし
セキュリティ認証(ISO27001等)よくある質問に項目はあるが、ページ上では折りたたまれている
対応言語の一覧日本語以外はビジネス限定とあるが、言語名の記載を確認できず

話者識別の記載が見当たらないのは、会議の記録では大きな項目です。「誰が言ったか」が要る使い方なら、問い合わせて確認する価値があります。

AI要約のほうには、はっきりした上限が書かれています。プロンプトの送信回数は1会議あたり20回までです。要約をやり直しながら詰めていく使い方をするなら、この20回が効いてきます。

サポート体制も書かれています。問い合わせ窓口はWebフォームとメールのみで、電話サポートはありません。

音声認識と生成AIの中身、学習に使われるか

torunoが使っているエンジンは公開されています。

用途使っているサービス
日本語の文字起こしアドバンスト・メディアのAmiVoice
日本語以外の文字起こしMicrosoftのAzure AI Speech
AI要約の生成AIAmazon Bedrock

音声データおよび文字起こし結果は、いずれの音声認識AIにおいても学習目的で利用されることはないと公式に記載があります。AI要約側についても、顧客のデータが学習データとして利用されることはないと明記されています。

過去にはそうでなかった時期があることも、公式が自分で書いています。セキュリティホワイトペーパーには「音声認識AIのAmiVoiceは、2024年3月13日以前までは学習データとして利用される契約でサービス提供していた」とあり、2024年3月14日のバージョンアップで学習に使わないエンジンへ切り替えた経緯が説明されています。

この経緯には続きがあります。2024年3月13日以前に音声認識サーバーへ送信・保管された音声データと認識結果は、退会したときの削除対象外です。それ以前から使っている場合、退会しても当時のぶんはtoruno側の削除の対象になりません。

自分で不利な過去を書いている点は、評価していい部分です。学習の扱いはサービスごとに前提も書き方も違うので、各社のヘルプの原文は別の記事に並べました。

セキュリティと認証は、書き方に注意が要ります

データの扱いは公開されています。すべてのデータはSSL/TLSでサーバーに送信され、サーバー上では暗号化して保管されると公式ヘルプに記載があります。セキュリティホワイトペーパーには暗号アルゴリズムAES・鍵長256、通信はTLS1.2以上と書かれています。

データセンターの所在地は日本および一部グローバルで、顧客データ(会議情報・ユーザー情報・AI要約プランの要約結果等)は日本に保管しているとホワイトペーパーが記載しています。グローバル側には顧客データを置かず、システム稼働に必要な情報のみを保管するとも書かれています。AWSの東京リージョンといった具体的なリージョン名は、公式に記載を確認できませんでした。バックアップは1日1回で、保有期間はシステム・インフラごとに異なるものの最長のもので1か月強と公式ヘルプに記載があります。

サーバーへのアクセス権限も限定されています。暗号化されたデータを保存するサーバーへのアクセスは、リコーの一般社員は一切できず、toruno開発運用スタッフのみに限られると公式が書いています。ローデータへのアクセスは原則禁止で、必要なときは管理者承認と2要素認証が要ります。

認証については、書き方に注意が要ります。ここを取り違えると、稟議に事実でないことを書くことになります。

主体認証の状態
株式会社リコー(開発・提供元)全社レベルでの公的認証を取得していない
リコージャパン株式会社(販売元)ISO27001(登録番号 JQA-IM1520)
toruno単体対象とした認証は確認できず

ホワイトペーパーは「本サービスの開発・提供元であるリコーは全社レベルでの公的認証を取得しておりません。」と自ら明記しています。そのうえで、認証取得可能なレベルでの内部監査は定期的に実施しているとしています。

ISO27001を持っているのは販売元のリコージャパン株式会社です。ISMS-AC(情報マネジメントシステム認定センター)の登録組織検索で、登録番号JQA-IM1520、認証基準JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)、有効期限2028年12月10日、認証機関は日本品質保証機構と確認できます。登録範囲は「リコー製品ならびに関連ソリューションの販売とサポート&サービス」で、toruno単体を対象とした認証ではありません。

グループ会社が認証を持っていることと、そのサービスが認証の範囲に入っていることは別です。社内規定で「ISO27001を取得しているサービス」が条件になっているなら、範囲まで確かめてから書いてください。

ISO27017・ISO27018・SOC2・プライバシーマークの取得は、公式に記載を確認できませんでした。ホワイトペーパー第4章に挙げられている認証は、リコージャパンのISO27001だけです。認証を要件にするかどうかの考え方は別記事に書いています。

ログインまわりで、できないこと

項目状態
SSO(シングルサインオン)提供していない
IDフェデレーション提供していない
多要素認証提供している
IPアドレス制限ビジネスのみ(パーソナルには無し)
パスワード規則8文字以上。英数混合などの制限は無し

SSOを提供していないことは、セキュリティホワイトペーパーに明記されています。全社の認証基盤にアカウントを寄せる方針の情報システム部門では、ここが引っかかります。上限1,000人まで登録できる作りなので、人数が増えるほど個別のアカウント管理が積み上がります。

パスワード規則が8文字以上だけ、という点も見ておく価値があります。英数混合などの追加の制限は無いと書かれています。社内の基準がこれより厳しいなら、運用側で守る形になります。

秘密保持契約(NDA)の個別締結には対応していません。公式は「多くのお客様にご利用いただくことを前提にサービス・ビジネスの設計をしているため、対応しておりません。」とし、利用規約での検討を求めています。NDAの締結が導入の前提になっている組織では、ここで止まります。

代わりにセキュリティチェックシートは用意されています。経済産業省のクラウドサービスレベルのチェックリストに準拠したものだと記載があります。NDAは無理でもチェックシートは出せる、という構えです。

削除と、退会したときに残るもの

削除は2段階です。まずゴミ箱に入れ、ゴミ箱から完全に削除すると復元できません。削除できるのは記録したユーザー本人だけで、共有された側は削除できないと公式ヘルプに記載があります。法人契約で本人が退会・除外された場合は、管理者が削除できます。

解約・退会したときに削除されるのは、会員登録情報と会議ログ(文字起こし結果・音声・画像キャプチャ)です。一方で、削除の対象外になるものも公式が列挙しています。

区分内容
削除される会員登録情報/会議ログ(文字起こし・音声・キャプチャ)
削除されないバックアップデータ/サービス分析データ/問い合わせ履歴/決済関連データ/システム操作ログ

バックアップデータは即時削除の対象外で、一定期間経過後に消えると記載があります。解約を起点として何日で消えるかという確定した日数は、公式に記載を確認できませんでした。

会議データの保存期間についても、日数や月数の定めは公式に記載を確認できませんでした。公式が示しているのは保存容量(GB)での管理までです。容量を超えたら新規の記録ができなくなるので、実務では容量が保存期間の代わりに効きます。

契約を続けているあいだに記録が自動で消える仕組みは確認できませんでした。裏返せば、消したいものは自分で消す運用になります。人事や法務の会議を扱うなら、削除の担当と時期を先に決めておくほうが確実です。

サポートは、Webフォームとメールだけです

問い合わせ窓口はWebフォーム・メール対応のみで、電話サポートはございません、と公式サイトが自ら書いています。上場企業が出しているサービスなので電話窓口があると思って契約すると、ここで期待が外れます。

会議当日に録れないと分かったとき、電話で聞けないのは実務では痛みます。逆に言えば、その前提で手順を自分の側に持てるなら問題になりません。初回の会議で試す、予備の録音手段を1つ持っておく、といった段取りで吸収する形です。

法人向けにはセキュリティチェックシートの提供があり、料金も問い合わせではなく公式サイトに全プランの金額が公開されています。問い合わせないと分からないことが少ない、という点はこのサービスの良いところです。電話が無いことと、情報が閉じていることは別の話です。

向く場面・向かない場面

Windowsの職場向くデスクトップアプリが動くWeb会議も対面もある向く1つのサービスで両方AI要約が要らない向く安いビジネスプランがあるMacが中心向かないMac版が無い
torunoが向くかどうかは、3つで決まります。

向く

  • Windowsが標準の職場。リアルタイム記録のアプリはWindows専用です
  • Web会議と会議室の会議が両方ある。手段は分かれますが、記録は1か所に集まります
  • 文字起こしまでで足りる。AI要約を外したビジネスプランなら、100時間で28,500円です
  • 提供元の信頼性を重視する。リコーという上場企業が運営していることは、社内の稟議で効くことがあります
  • 社内用語が多い会議。ユーザー辞書とテナント辞書が用意されています

向かない

  • Macが中心。Mac版のデスクトップアプリがありません
  • Web会議をiPhoneで録りたい。iPhoneアプリはWeb会議に対応していません
  • 「誰が言ったか」が要る。話者識別についての記載を確認できませんでした
  • 月に数時間しか会議が無い個人。パーソナル有料は月1,650円で8時間なので、ひとりで使う量に届くかは先に見たほうがいいです
  • 電話でのサポートが要る場合。窓口はWebフォームとメールのみです

料金と仕様は2026年9月2日時点の公式サイト(toruno.biz)の表示です。内容は変わることがあるので、契約前に公式でご確認ください。

記録していることは、相手の画面に出ません

torunoは会議にボットを入れる方式ではありません。記録するユーザーのPC上でローカルに録る仕組みなので、Web会議ソフトとの連携操作は不要で、会議参加者全員のログインも不要だと公式に記載があります。記録可能なことを確認しているのはMicrosoft Teams・Skype・Zoom・Google Meet・WebExで、YouTubeやPC内で再生する音声・動画も文字起こしできます。

その裏返しとして、記録していることは他の参加者に伝わりません。公式ヘルプは「記録をしていることを、お使いのWeb会議ソフトに連携しておりません。」と明記しています。会議ツール側の録画のように、画面に表示が出ることはありません。

公式は告知を利用者の責任としています。「必要に応じて、記録されるユーザー様ご自身で、会議参加者に記録する旨をお伝えください」「不適切な利用やお相手様に記録をしていることをお伝えせずトラブルが生じましても、恐れ入りますが、当社はいかなる責任も負いません」という記載です。

ボットが入らないことは、相手先の規定でボットを断られる会議では利点になります。同時に、告知の手順を自分で持つ必要があるという意味でもあります。録音を伝えるかどうかは、道具の設定ではなく運用で決める部分です。

記録の可否には社内規程や相手先の規則が別に効きます。取引先によっては録音そのものを禁じている場合があり、個別の判断については弁護士にご確認ください。社内の基準をどう作るかは会議の録音をどこまで認めるかにまとめました。

検討するときに見る順番

torunoは公開されている情報が多い代わりに、見るべき場所が散っています。料金表は個人向けページ、機能の細かい条件はヘルプセンター、セキュリティはホワイトペーパーです。順番を決めておくと早く終わります。

OSを確認入口を決める月の時間を見積るAI要約の要否無料枠で1本試す
5つを順に潰すと、判断が付きます。

最初に見るのはOSです。WindowsかMacか、iPhoneのOSが26以上か。ここで外れると、料金を比べる意味がありません。

次に入口を決めます。Web会議が中心ならWindowsの記録アプリ、対面が中心ならブラウザ版かiPhoneアプリ、過去の音源を処理したいならアップロードです。入口によって使える機能が変わります。

三番目が月の時間の見積りです。超えても止まらず自動で従量課金になるので、平均ではなく多い月で見てください。個人なら10時間、法人なら30時間が最初の線になります。

四番目がAI要約の要否です。同じ月100時間で28,500円と85,500円に分かれる分岐なので、ここだけは先に決めておく価値があります。チームで使う場合の枠の考え方は別記事に書きました。

最後に無料枠で1本通します。個人は累計3時間、法人は3週間・上限30時間です。話者分離の分かれ方も、AI要約の出力も、実物を見ないと分かりません。個人の累計3時間は戻らないので、試す会議は選んでください。

誰に向くか、もう一段細かく

資料を映す会議が多い向く30秒ごとのキャプチャ会議室での対面が中心向くブラウザ版で録れる毎週の定例が多い向かない話者名を毎回入れ直す社内でSSOが必須向かないSSOが無い
使い方から見た、向き不向き。

上の向き不向きを、使う人の型で言い直します。金額の桁が変わる分かれ目は、AI要約が要るかどうかの1点です。

現実的な選択
個人・月10時間までパーソナル有料 ¥1,650(税込)
少人数の部署・要約は自分で書くビジネス 月30時間 ¥9,000(税抜)
全社・要約まで任せたいビジネスAI要約 月100時間 ¥85,500(税抜)

向くのは、Windowsが標準で、資料を映しながら進む会議が多い職場です。30秒ごとの画面キャプチャは他社にあまり無い作りで、発言だけでは再現できない会議で効きます。文字起こしまでで足りるなら、AI要約を外したビジネスプランで時間あたりの単価はかなり下がります。

会議室での対面が中心の人にも、入口はあります。ブラウザ版(ベータ)でマイク音源のリアルタイム文字起こしができるので、目の前の会話なら録れます。ただしiOS 26以上という条件と、画面キャプチャが無いことは織り込んでください。

向かないのは、まず認証基盤をSSOに寄せている組織です。SSOもIDフェデレーションも提供されておらず、NDAの個別締結にも対応していません。ここは仕様として動かない部分なので、要件に入っているなら検討の前で止まります。

毎週の定例が多い人にも、手数の面で向きません。話者名は会議ごとに入力し直す設計で、同じメンバーでも引き継がれません。声紋を保持しないという方針の裏返しなので、改善を待つ性質のものではありません。

Macが中心の人と、Web会議の相手の声をスマートフォンで録りたい人も外れます。前者はデスクトップアプリが無く、後者はデバイスから出力される音声を録音・文字起こしできないと明記されています。会議への入り方で候補が変わる話はWeb会議と対面の分担に整理しました。

なお、当サイトを運営しているRecoryは対面の会議をiPhone1台で録ることに寄せた作りで、torunoとは前提が違います。Web会議と画面キャプチャが要るなら、torunoのほうが素直です。


料金と仕様は2026年9月2日時点の公式サイト(toruno.biz)およびヘルプセンター、セキュリティホワイトペーパーの表示です。内容は変わることがあるので、契約前に公式でご確認ください。

よくある質問

torunoの料金はいくらですか

3系統あります。個人向けのtorunoパーソナルが月1,650円(税込・月8時間まで、超過は1分2.2円)、法人向けのtorunoビジネスが月100時間で28,500円(税抜)、AI要約が付くtorunoビジネスAI要約が月30時間27,000円・月100時間85,500円(いずれも税抜)です。初期費用は0円です。

無料で使えますか

torunoパーソナルは累計3時間まで無料です。月ごとではなく累計なので、使い切ると戻りません。法人向けは3週間・上限30時間の無料トライアルがあります。無料プランから自動的に有料へ切り替わることはないと明記されています。

対面の会議でも使えますか

使えます。Web会議(Zoom・Teams・Google Meet・Webex)に加えて、会議室でのリアル会議とハイブリッド会議、音声・動画ファイルのアップロードにも対応しています。ただしデスクトップアプリはWindows専用で、Mac版はありません。

iPhoneアプリでWeb会議を録れますか

録れません。公式に「Web会議の文字起こしはできません。会議室や外出先での打合せにご利用ください」と明記されています。Web会議はWindowsのデスクトップアプリを使う分担になります。

文字起こしの精度はどれくらいですか

公式は95%以上としていますが、「雑音のない環境でイヤホンマイクや発話者から近い距離でマイク付きスピーカーを使用した場合」という条件を併記しています。条件つきの数字を条件ごと出している点は、この分野では誠実なほうです。

torunoに話者分離はありますか

あります。公式ヘルプに「話者識別機能(話者分離機能)」の記事があり、事前準備なしで自動的に発話者を識別し、Speaker1・Speaker2…と表示すると記載があります。無料トライアルでもパーソナルでもビジネスでも使えて、プランによる制限はありません。ただし話者名は会議ごとに入力し直す設計です。声紋と個人名の紐づけ情報を保持しないためで、一度設定した名前が次回に自動で引き継がれることはありません。識別できる人数はリアルタイムが音源ごとに20名、ファイルアップロードは1〜20名の指定制で、指定しない場合は10名です。精度の数値は公式に記載を確認できませんでした。

torunoはMacで使えますか

デスクトップアプリはWindowsのみで、macOS用アプリの提供はありません。Macではブラウザで使える機能(ファイルアップロードによる文字起こし、結果の閲覧)に限られ、公式は「デスクトップアプリで利用する機能はご利用いただけません」と記載しています。しかも推奨環境外で動作保証はありません。記録アプリの推奨環境はWindows 11 Enterprise 日本語版 64bitの最新から2世代前までです。

torunoの月の時間を超えるとどうなりますか

記録は止まらず、自動的に従量課金になります。公式ヘルプに「自動的に従量課金となります。記録の停止や確認・通知はございません。」と記載があります。事前の通知も画面表示もありません。単価はパーソナル有料が1分2.2円(税込)、ビジネスが1時間300円・285円・270円(税抜)、ビジネスAI要約が900円・855円(税抜)です。法人の従量料金は1時間単位で、1時間未満は切り上げて計算されます。

torunoで1回に何時間まで録音できますか

1回の記録は[記録開始]ボタンを押してから3時間が上限です。上限は変更できず、3時間以上録るには一度終了して録り直すことになります。2023年1月18日の更新で2時間から3時間に延長されました。アップロードの場合は音声が3時間以内・1GB以下(mp3/aac/m4a/ogg/opus/wav)、動画が5GB以下(mp4/mov)です。月のプラン時間とは別の上限なので混同しないでください。

torunoはPDFで書き出せますか

できません。公式のよくある質問に「PDFにも対応しておりません」と明記があります。Googleドキュメントでの書き出しにも対応していません。書き出せるのは文字起こし結果がtxt・csv・docx、音声がmp3、キャプチャ画像がjpg(全画像をzip)です。文字起こし結果とキャプチャ画像を左右に配置したWordファイルも出力できます。SRT・VTTといった字幕形式は公式に記載を確認できませんでした。

torunoはISO27001を取得していますか

toruno単体を対象とした認証は確認できませんでした。セキュリティホワイトペーパーは「本サービスの開発・提供元であるリコーは全社レベルでの公的認証を取得しておりません。」と自ら記載しています。ISO27001を取得しているのは販売元のリコージャパン株式会社で、登録番号はJQA-IM1520、登録範囲は「リコー製品ならびに関連ソリューションの販売とサポート&サービス」です。社内規定で認証が条件になっている場合は、範囲まで確かめてください。

torunoに年額プランはありますか

ありません。公式ヘルプの回答は「年額プランはありますか?/現在、ご用意はございません。」です。したがって年払いで割引になる仕組みもありません。「従量料金のない月額基本料金だけ」の契約も、法人向けヘルプで「ご用意はございません」と回答されています。法人の解約は解約希望月の前月末までの意思表示が必要で、最低利用期間は契約月とその翌月の2か月間です。

torunoで録音していることは相手に分かりますか

会議ソフトの画面には表示されません。torunoはボットを入れる方式ではなく、記録するユーザーのPC上でローカルに録る仕組みで、公式ヘルプも「記録をしていることを、お使いのWeb会議ソフトに連携しておりません。」と明記しています。公式は「必要に応じて、記録されるユーザー様ご自身で、会議参加者に記録する旨をお伝えください」と告知を利用者の責任としています。社内規程や相手先の規則は別に効くので、個別の判断は弁護士にご確認ください。

torunoの法人無料トライアルは誰でも申し込めますか

条件があります。公式ヘルプ「toruno ビジネス 無料トライアルのご利用制限」に、受け付けられない場合がある例として個人利用の方、個人事業主と思われる方、同業他社や同種のサービスを運営する企業に勤める方、企業ドメインではないメールアドレス(Gmail、Yahooメールなど)での申し込みが挙げられています。トライアルは3週間・上限30時間で、終了後に自動で有料プランへ移行したり課金されたりすることはありません。

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