議事録のテンプレート8種と、項目を決めるときの考え方
打ち合わせ・定例・商談・1on1・ヒアリング・役員会・取材・箇条書きの8つについて、そのまま使える議事録の型を載せます。あわせて「なぜその項目なのか」と、項目を増やすほど書かれなくなる理由も。

議事録のテンプレートを探している人の多くは、フォーマットが分からないのではなく、毎回ゼロから項目を考えるのが面倒なのだと思います。だからまず、そのまま使える型を4つ置きます。考え方の説明はそのあとに書きます。
この記事の内容(24項目)
- 1. 打ち合わせ・検討(いちばん汎用)
- 2. 定例会議(積み上げ型)
- 3. 商談・アライアンス(社外向け)
- 4. 1on1(記録を残しすぎない)
- 見出しの語が、機能の鍵になっていることがある
- 項目を決めるときの考え方
- 書くときの作法——ここで迷うと手が止まる
- テンプレートを使わずに済ませる
- 5. ヒアリング(要望を聞き取る)
- 6. 役員会・意思決定(議案ごとに結論を出す)
- 7. 取材・インタビュー(発言そのものを残す)
- 8. 箇条書きだけ(最小)
- 埋めた例——定例・商談・ヒアリング
- Wordでひな形として保存する
- Excelでひな形として保存する
- Googleドキュメントでひな形を作る
- Notionでひな形を作る
- 配る前の点検——誤字、履歴、宛先、添付
- 保存と共有——あとから探せる形にする
- 議事録が読まれないときの、ひな形側の直し方
- 英語で出すときの項目名
- 会議の種類ごとの、よくある失敗
- 会議の種類ごとの、もっと詳しい記事
- うまくいかないとき
1. 打ち合わせ・検討(いちばん汎用)
【会議名】
日時:2026-08-23 14:00-15:00
場所:
参加者:(自社)/(先方)
■ 決まったこと
-
-
■ 決まらなかったこと・持ち帰り
- (論点/なぜ決まらなかったか)
■ アクションアイテム
- [ ] 内容 / 担当 / 期限
- [ ]
■ 次回
日時: 議題:
「決まらなかったこと」を独立させているのが要点です。ここを書かない議事録が非常に多いのですが、次の会議でいちばん役に立つのはこの欄です。決まったことは覚えていますが、なぜ決まらなかったかは1週間で忘れます。
埋めるとこうなる
型だけ見ても書き方は伝わらないので、この2つの欄だけ、埋めた例を出します。■ 決まらなかったこと
✗ 保守範囲について議論した ○ 保守範囲。 障害対応の夜間帯を含むかで折り合わず。先方が見積を出す◯/◯まで保留
✗は1週間後に読んでも何も思い出せません。○は「何が引っかかっているか」と「何が来たら決まるか」が入っているので、次の会議がそこから始まります。■ アクションアイテム
✗ [ ] 見積の件を確認する ○ [ ] 夜間帯を含む保守の見積を先方へ依頼 / 担当:田中 / 9/3まで
✗は誰が何をするのか決まっていません。「確認する」「検討する」で終わっている行は、たいてい実行されない行です。動詞を具体的にして、担当と日付を入れる。それだけで実行率が変わります。
2. 定例会議(積み上げ型)
【◯◯定例(第◯回)】
日時: 参加者:
■ 前回の宿題
- [x] 内容 / 担当 → 結果
- [ ] 内容 / 担当 → 未完・理由
■ 進捗
-
■ 今回の決定
-
■ 新しい宿題
- [ ] 内容 / 担当 / 期限
定例の議事録は、前回の宿題から始めると機能します。逆に「進捗」から始めると、やらなかった宿題が静かに消えていきます。
3. 商談・アライアンス(社外向け)
【◯◯社 商談(第◯回)】
日時: 場所:
先方:会社名/氏名/役職
自社:
■ 先方の状況・課題
-
■ 提示した内容
- 条件:
- 価格:
■ 先方の反応
- (前向き/保留/懸念点)
■ 決まったこと
-
■ 次のアクション
- [ ] 自社: / 期限
- [ ] 先方: / 期限
■ 次回
社外の議事録では、アクションを「自社」と「先方」に分けて書きます。混ぜて書くと担当が曖昧になり、しかも読み返したときに逆に読めてしまいます。詳しくは商談の議事録に何を残すかに書きました。
4. 1on1(記録を残しすぎない)
【1on1(◯◯さん)】
日時:
■ 話したこと
-
■ 本人が困っていること
-
■ こちらが約束したこと
- [ ] 内容 / 期限
■ 次回まで見ておくこと
-
1on1の議事録は、他の会議とは目的が違います。共有のための記録ではなく、次回の自分のための記録です。だから発言録にしません。むしろ書きすぎると相手が話さなくなります。目の前でタイプし続けるのは、1on1では逆効果です。
見出しの語が、機能の鍵になっていることがある
作っている側から、ひとつ注意を書いておきます。ひな形の見出しを自分の言葉に変えると、道具の機能が静かに止まることがあります。議事録から宿題を自動で抜き出す仕組みは、たいてい見出しの語を手がかりにしています。「アクションアイテム」「ネクストアクション」といった語を含む見出しを探して、その下の行を拾う。だから見出しを「フォローアップ事項」のような独自の言い方に変えると、議事録に宿題が書いてあるのにタスクは0件になります。
うちで実際に起きました。取材向けのひな形の見出しを「フォローアップ事項」にしていた時期があり、そのひな形で作った会議12件のうち10件が、タスク0件でした。議事録の本文にはちゃんと宿題が書いてあります。拾えていなかっただけです。
厄介なのは、どこにも失敗が出ないことです。エラーも警告も出ず、タスクの一覧が静かに空になります。気づくのは、宿題が抜けて困ったあとになります。自分でひな形を作るときは、その道具が何の語で拾っているかを先に確かめてください。分からなければ、一般的な語(「アクションアイテム」「決定事項」「次回」)から外さないほうが安全です。
項目を決めるときの考え方
ここからが本題です。テンプレートは配れますが、そのまま使い続けられるかは項目数で決まります。
最低限の5項目
議事録として成立する最小の構成はこれだけです。
| 項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 日時 | あとで探すときの手がかり。タイトルより効きます |
| 参加者 | 決定の当事者が誰かを示す |
| 決まったこと | 議事録の本体 |
| 宿題(担当・期限) | 会議を次につなげる唯一の欄 |
| 次回 | 決まらなかったことの受け皿 |
逆に言うと、議題・発言の要旨・背景説明は必須ではありません。これらは録音や文字起こしから復元できます。復元できないのは「決定」と「約束」だけです。
5W1Hを、全部の行に当てはめない
議事録の書き方を調べると、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識しよう、という説明が必ず出てきます。「いくら」を足して5W2Hにする流儀もあります。
考え方としては正しいのですが、全部の行に当てはめようとすると手が止まります。会議の発言は5W1Hの形では出てきません。「じゃあそれで」の一言で決まることもあれば、担当が最後まで決まらないこともある。無い要素を埋めようとして書き手が推測を足しはじめると、そこが後でいちばんもめます。
当てはめるのは決まったことと宿題の2つの欄だけにしてください。この2つには、埋まっていないと困る要素が決まっています。
| 欄 | 埋める要素 | 埋まらないときに書くこと |
|---|---|---|
| 決まったこと | 何を・いつから | 「◯◯で合意。開始時期は次回」 |
| 宿題 | 誰が・何を・いつまでに | 「担当未定」とそのまま書く |
埋まらない要素は、空欄にせず「未定」と書きます。空欄は書き忘れと区別が付きませんが、「未定」と書いてあれば次の会議の議題になります。議事録が次につながるかどうかは、だいたいここで決まります。
残りの「どこで」「なぜ」「どのように」は、議事録の本体には要りません。場所は日時の隣に一行あれば足りますし、理由と経緯は録音の側に残っています。
項目を増やすと、議事録は続かなくなる
多くの会社のテンプレートには、「目的」「前提条件」「議論の経緯」「所感」といった欄が並んでいます。丁寧に見えますが、埋める人の負担が項目数に比例して増えます。そして負担が閾値を超えると、何が起きるか。議事録が書かれなくなります。空欄だらけのテンプレートが残るか、そもそも作られなくなるかのどちらかです。
埋まらない欄は、無い方がましです。「所感」が3回続けて空欄なら、その欄は消してください。
発言をそのまま残すか、要約するか
原則は要約です。会議の価値は流れではなく結論にあります。そのまま残す価値があるのは、言った言わないが後で問題になりうる場面だけです。
- 条件交渉(価格・納期・責任範囲)
- トラブル対応・クレーム
- 労務、ハラスメント関連の面談
こうした場面では、要約した議事録とは別に文字起こしを保管する形が実用的です。議事録は読むため、文字起こしは確かめるため、と役割を分けます。両方を1つの文書に混ぜると、長すぎて誰も読まなくなります。
誰の発言かを、どこまで書くか
「発言者を明記する」は、議事録の書き方でほぼ必ず出てくる作法です。ただし全部の行に名前を付けると、議事録が会話の記録に近づきます。読む人が知りたいのは、たいてい誰が言ったかではなく、何が決まったかのほうです。
名前を付けるのは、次の3つに限ってください。
| 名前を書くところ | なぜ要るか |
|---|---|
| 宿題の担当 | 誰がやるか決まっていないと、次につながらない |
| 反対・保留の意見 | あとで蒸し返されたとき、誰の懸念だったかが要る |
| 社外の相手の発言 | 言った言わないになりやすい |
決まったことに名前は要りません。「会議で決まった」ことに個人名が付くと、決定が誰かの意見のように読めます。逆に、反対意見を名前なしで書くと「誰も反対しなかった」ことになってしまうので、ここは残します。
社外の会議では、名前そのものよりどちら側の発言かのほうが効きます。「自社」「相手先」の2つに分けておくと、宿題の担当が入れ替わっている間違いに一目で気づけます。個人名まで書くかどうかは、そのあとで決めれば足ります。
書くときの作法——ここで迷うと手が止まる
型が決まっても、書きながら迷う小さいことで手が止まります。先に決めておけば考えずに済みます。
文体は「である・だ」に統一する
ですます調で書くと、発言の引用と、書き手の要約が混ざります。「〜と述べました」と「〜する」が並ぶと、どこまでが誰の言葉か読めません。
である調にすると、引用したい発言だけを鉤括弧でくくれば済みます。境目がはっきりします。
こそあど言葉を残さない
会議中は「それ」「あの件」で通じますが、1週間後に読む人には通じません。書いた本人でも分からなくなります。
| 会議中の言い方 | 議事録に書く形 |
|---|---|
| その件は来週 | A社の見積もりは来週 |
| あれをお願いします | 初期設定の手順書をお願いします |
AIに書かせた場合も同じで、元の発言が「それ」なら議事録も「それ」になります。ここは人が直す場所です。
敬称は落として、冒頭に一行
社内と社外が混ざると「さん」「様」「氏」が揺れます。全部落として、冒頭に「敬称略」と書くのがいちばん揉めません。
役職を付けるかどうかも先に決めます。付けるなら全員に付けます。一人だけ役職付きだと、意図がなくても序列に見えます。
いつまでに出すかを決めておく
当日中、遅くとも翌営業日まで。これは丁寧さの問題ではありません。
時間が経つと、参加者が「そうだったかな」と思っても訂正してこなくなります。記憶が薄れた側が引き下がるからです。結果、間違ったまま確定します。早く出すのは、訂正を受け取るためです。
送ったあとに間違いに気づいたら
黙って直さないでください。共有の場で直すと、手元に古いものを持っている人が残り、2つのファイルが出回ります。
訂正した箇所を明記して、同じ宛先に送り直す。ひと手間ですが、「言った言わない」の元を断てます(対処)。
テンプレートを使わずに済ませる
ここまで型の話をしてきましたが、型を埋める作業自体を減らすのがいちばん効きます。決まったこと・宿題・次回は、会議の音声にすべて含まれています。人が聞きながら手で振り分けているだけです。ここは機械の方が得意な仕事です。
Recoryは、録音からこの振り分けまでをやります。会議の種類を選ぶと、上のような章立てで議事録が出ます。用意しているのは8種類(打ち合わせ・検討/シンプル箇条書き/定例会議/商談・アライアンス/ヒアリング/1on1/役員会・意思決定/インタビュー)で、自分の型を作って保存することもできます。
- 宿題は担当者と期限つきで抜き出され、タスクの一覧に入ります
- 社外の会議では、担当を「自社」「相手先」の2択で出します。この2択にしているのは、選択肢が2つなら逆になっていても一目で分かるからです
- 聞き取りに自信のない箇所は ※要確認 と明示します。黙って埋めません
同じように録音から議事録まで作る製品を並べた比較は議事録アプリの比較にあります。
ひとつ、実際にやってみて分かったことを書いておきます。Recoryでは以前、あるテンプレートの見出しを「フォローアップ事項」という独自の言葉にしていました。その結果、宿題は議事録に書かれているのに、タスクとして1件も抽出されない状態が起きました。見出しの語が抽出の手がかりだったからです。
テンプレートの項目名は、それを読む人と道具の両方に効きます。凝った名前を付ける前に、「この欄は何のためにあるのか」を一度考えてみてください。埋まらない欄も、伝わらない名前も、結局は議事録が続かない原因になります。
5. ヒアリング(要望を聞き取る)
要件定義、初回の相談、業務の棚卸し。「聞く」ことが目的の会議用です。
【◯◯ヒアリング】
日時: 参加者:
■ 目的
■ 現状と課題
■ 要望・条件
・必須:
・希望:
■ 制約(予算・期限・体制)
■ 確認できていない点
■ 決定事項
■ アクションアイテム(内容 / 担当 / 期限)
「必須」と「希望」を分けるのと、「確認できていない点」の欄が要点です。ヒアリングは全部を聞き切れないのが普通で、聞けなかったことを書き残さないと、次回また同じところから始まります。
6. 役員会・意思決定(議案ごとに結論を出す)
取締役会・経営会議など、議案があって結論を出す会議用です。
【◯◯会議】
日時: 場所: 出席者:
■ 議題一覧
1.
2.
■ 議題別の審議内容
【第1号議案】
審議:
結論:承認/否決/継続審議
■ 決議事項
■ アクションアイテム(内容 / 担当 / 期限)
■ 次回への継続審議事項
結論を「承認/否決/継続審議」の3択にしているのが要点です。「前向きに検討」のような曖昧な語を許さない形にしておくと、後から読んで解釈が割れません。会社法上の議事録(取締役会・株主総会)には記載事項と保存期間の定めがあります。この型はその下書き用なので、法定の要件は専用の記事を見てください。
7. 取材・インタビュー(発言そのものを残す)
記事や事例を作るための取材用。要約より原文が大事な会議です。
【◯◯様 取材】
日時: 媒体/用途:
■ 目的
■ 質問と回答(トピック別)
Q.
A.(重要な発言は原文のまま)
■ 印象的だった発言・気づき
■ 決定事項(掲載可否・確認方法など)
■ アクションアイテム(追加取材・資料受領・原稿確認)
重要な発言は要約せず、原文のまま残すのがこの型の要点です。あとで引用するとき、要約からは戻せません。取材の進め方はインタビューの文字起こしにまとめました。
8. 箇条書きだけ(最小)
「型が邪魔」なとき用の、いちばん短い形です。
■ 決定事項
■ アクションアイテム(内容 / 担当 / 期限)
■ 論点メモ
3つしかありません。短い打ち合わせや、型に当てはまらない会議はこれで足ります。迷ったらここから始めて、足りない欄が出てきたら足すほうが、最初から凝った型を作るより続きます。
論点ごとに構造を作る書き方は、ひな形とは考え方が違います。コンサルの議事録はなぜ別物かに分けて書きました。
議事録という文書そのものの説明は議事録とはにまとめました。目的と例を先に見ておくと、どの型を選ぶかが決まりやすくなります。
埋めた例——定例・商談・ヒアリング
型だけを見ても手は動きません。上の3つについて、実際に埋めるとどうなるかを並べます。会社名と人名は架空のものです。
定例の「前回の宿題」
✗ [ ] 見積の件 / 田中 → 継続 ○ [x] A社の保守見積を取得 / 田中 → 8/28受領。夜間対応は別見積とのこと
「継続」だけの行は、次の回でも「継続」と書かれます。結果を1行入れておくと、その場で次の判断ができます。完了した行は消さずに [x] にして残してください。消すと、いつ終わったのかが分からなくなります。
商談の「先方の反応」
✗ 好感触だった ○ 保留。価格は許容範囲だが、導入時期を年度内に前倒しできるかを社内で確認するとのこと(回答は9/5ごろ)
「好感触」は書いた本人以外には何も伝えません。保留の理由と、次に何が返ってくるかを書くのがこの欄の役目です。前向きか後ろ向きかの判定は、読む人がします。
ヒアリングの「確認できていない点」
✗ 予算未確認 ○ 予算の上限。決裁が部長決裁か役員決裁かも未確認。次回、鈴木さんに確認する
聞けなかったことを「未確認」の3文字で終わらせると、次回また同じところから始まります。何を、誰に聞くのかまで書ければ、次の会議の冒頭がそのまま決まります。
Wordでひな形として保存する
毎回、前回の議事録を開いて中身を消して使い回している人は多いと思います。この運用は上書き保存の事故が起きます。テンプレートとして保存すれば、開くたびに新しい文書ができます。Windowsのデスクトップ版Wordでの手順は次のとおりです。
- ひな形にしたい文書を開く
- [ファイル] > [名前を付けて保存] を開き、[この PC] を選ぶ
- ファイルの種類で「Word テンプレート」(.dotx) を選ぶ
- マクロを含む文書なら「Word マクロ有効テンプレート」(.dotm) を選ぶ
- 保存先には「カスタム Office テンプレート」フォルダーが選ばれる
作ったひな形から新しい議事録を起こすときは、[ファイル] > [新規作成] > [個人用] を開いてテンプレートを選びます。既存ファイルを開いて上書きする運用にしなくて済みます。
Macは経路が違います。[ファイル] メニュー > [テンプレートとして保存] を使い、保存先は /Users/ユーザー名/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/User Content/Templates です。新規作成は [ファイル] > [テンプレートから新規作成] から入ります。
| Windows デスクトップ版 | Mac版 | |
|---|---|---|
| 保存 | [名前を付けて保存] > [この PC] > .dotx | [テンプレートとして保存] |
| 保存先 | カスタム Office テンプレート | Group Containers 配下の Templates |
| 新規作成 | [ファイル] > [新規作成] > [個人用] | [ファイル] > [テンプレートから新規作成] |
Microsoftの手順ページはWindowsデスクトップ版が前提で、「手順とオプションは、Web のWordまたはWord for Macで異なる場合があります」と公式に書かれています。手元の画面と違うときは、まずバージョンを疑ってください。
ブラウザー版のWordについて公式が案内しているのは、Wordで作ったテンプレートを .docx としてOneDriveに保存してから使う手順です。ブラウザーの中で .dotx をそのまま新規作成に使う手順は書かれていません。パスワードで保護した文書は、ブラウザー版では読み取り専用でしか開けず、編集にはデスクトップアプリが必要です。
見出しスタイルを当てておく
ひな形を作るときにいちばん効くのがこれです。見出しにしたいテキストを選んで、[ホーム] タブのスタイル ギャラリーから見出しを選びます。公式には、見出しスタイルを使うと目次をすばやく作成できると記載があります。
長い議事録を拾い読みできるようにする仕掛けが、ナビゲーション ウィンドウです。Ctrl キーを押しながら F キーを押すか、[表示] タブから [ナビゲーション ウィンドウ] を開くと、見出しの一覧から飛べます。表示されるのは、本文に見出しスタイルを適用した見出しだけです。
ここに落とし穴があります。見出しを罫線表の中やテキストボックスに入れると、ナビゲーション ウィンドウには出てきません。ヘッダーやフッターの中の見出しも同じです。表で体裁を整えたひな形は、見た目は整うのに拾い読みができなくなります。
Excelでひな形として保存する
Excelも経路は同じです。[ファイル] > [名前を付けて保存] のファイルの種類で「Excel テンプレート」(.xltx) を選びます。マクロを含むブックは「Excel マクロ有効テンプレート」(.xltm) です。PowerPointは .potx、マクロ入りは .potm になります。
| ソフト | テンプレートの拡張子 | マクロを含む場合 |
|---|---|---|
| Word | .dotx | .dotm |
| Excel | .xltx | .xltm |
| PowerPoint | .potx | .potm |
議事録をExcelで作るときに手が止まるのが、1つのセルに複数行を入れる操作です。セルをダブルクリックして改行したい位置をクリックし、Alt + Enter キーを押すと改行が入ります。Mac版の別のキーについては、この操作を説明した公式ページに記載を確認できませんでした。
紙で配る議事録が複数ページに渡るときは、見出し行を全ページに出しておきます。[ページ レイアウト] タブ > [ページ設定] グループ > [印刷タイトル] を開き、[シート] タブの [一番上の繰り返し行] ボックスに $1:$1 のように入力します。2ページ目から列が何なのか分からない表は、配ったあとで必ず聞き返されます。
ひとつ、社外に出すときの注意があります。データが入った非表示の列も、ドキュメント検査の検出対象です。議事録を集計表と同じブックに置いていると、非表示にしただけの列がそのまま相手に渡ります。
Googleドキュメントでひな形を作る
Googleドキュメントには最初からテンプレート ギャラリーがあります。ホーム画面右上の [テンプレート ギャラリー] をクリックして、使うテンプレートをクリックすると、テンプレートのコピーが開きます。公式には、一部のテンプレート機能を使うには職場または学校のアカウントにログインしている必要がある、と記載があります。自作の議事録テンプレートを組織のギャラリーに載せる手順は次のとおりです。
- ホーム画面上部の [テンプレート ギャラリー] を開く
- [テンプレートを送信] > [ドキュメントを選択] でファイルを選び、[開く]
- カテゴリを選んで [送信]
- 「元のファイルではなくコピーを送信する」を選ぶかどうかを決める
送信できないことがあります。テンプレートの共有設定を変更する権限がない場合と、共有設定で閲覧者と閲覧者(コメント可)がファイルをダウンロードできないようになっている場合です。ここで詰まったら、ファイルの共有設定を先に見てください。
管理者側の設定と、対応エディション
組織のテンプレートギャラリーは、管理者が開いていないと使えません。管理コンソールの [アプリ] > [Google Workspace] > [ドライブとドキュメント] > [テンプレート] で [テンプレート ギャラリーの設定] を開き、「組織でカスタム テンプレートを有効にする」をオンにします。送信できる人の範囲は「公開」「管理対象」「制限付き」から選び、「制限付き」ならドキュメントのテンプレート権限のある管理者しか送信できません。
公式が対応エディションとして挙げているのは、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Education Fundamentals、Education Standard、Education Plus、Enterprise Essentials Plus、Nonprofits、G Suite Basic、G Suite Business です。無料のGoogleアカウントとBusiness Starterは、この列挙に入っていません。
管理者がカスタムテンプレートを無効にすると、利用者は送信も使用もできなくなります。ただし標準のテンプレートギャラリーは引き続き使えます。組織で型を配れないときは、共有ドライブに原本を1つ置いてコピーしてもらう形が現実的です。
予定から議事録を起こす
Googleカレンダーの予定から起こすと、日時と参加者を手で書かずに済みます。予定の [説明または添付ファイルを追加] で [会議メモを作成] を選び、[保存] します。作られたドキュメントには会議の詳細情報が事前入力されます。
ドキュメント側から紐づけるときは「@」を入力して [会議メモ] を選び、予定を検索して選びます。予定の主催者なら [共有して添付]、主催者でなければ [共有] をクリックします。
制約が2つあります。予定とメモの変更は互いに反映されません。また、その予定を編集する権限がない場合と、他のユーザーがすでに会議メモを添付している場合は追加できません。
アクションアイテムをタスクにする
宿題の欄をチェックリストにしておくと、そのまま担当者に渡せます。「@checklist」と入力して Enter を押すか、[表示形式] > [箇条書きと番号付きリスト] > [チェックリスト] を選びます。
チェックリスト項目の左にある [ToDo リストに追加] アイコンをクリックし、[割り当て先] 欄に担当者名を入れて [追加] を押すと、相手の個人用ToDoリストに入ります。日付を設定したタスクはGoogleカレンダーにも表示されます。
ここには条件があります。この割り当ては仕事用アカウントまたは学校用アカウントが必要で、割り当てられるのは自分または同じドメイン内のユーザーだけです。個人のGmailアカウント同士では使えません。社外の相手にも割り当てられないので、社外の宿題は議事録の本文に担当を書く形になります。
Notionでひな形を作る
Notionでは、データベースのテンプレートとして持ちます。公式は、データベーステンプレートを「週次の会議メモのような繰り返しのページ構造を1クリックで複製する仕組み」として説明しています。
- データベースの右上にある [新規] の横のドロップダウン矢印をクリックする
- [+新規テンプレート] を選ぶ
- プロパティと本文を作り込んでから戻る
- 定例なら [•••] メニューの [繰り返し] を開く
- 毎日・毎週・毎月・毎年のいずれかと、間隔・開始日・時間を指定する
繰り返しを設定すると、会議の日にページが自動で作られます。空のページが立っていること自体が、書き忘れの防止になります。
作るときの注意が3つあります。まず、テンプレートにリレーションを入れて値まで埋めると、そのテンプレートから作る全ページが同じページに紐づきます。参加者や案件を先に埋めてはいけない、ということです。次に、データベーステンプレートの入れ子は3階層までです。最後に、毎日繰り返すテンプレートの中にテンプレートを入れ子にすることはできません(週次・月次・年次なら入れ子にできます)。
なお、データベーステンプレートと繰り返しテンプレートが無料プランで使えるかどうかは、公式ヘルプの該当ページでは確認できませんでした。
権限とプランの制約
Notionの共有権限は「フルアクセス権限」「編集権限」「コンテンツ編集権限」「作成可能」「コメント権限」「閲覧可能」の6段階です。このうち「コンテンツ編集権限」と「作成可能」はデータベース専用で、「作成可能」にはプランの条件が付きます。社外へリンクで渡すときは、ページ上部の [共有] から [公開] タブを開き、必要ならリンクの有効期限を設定します。
ボタンを押してひな形を出す形にしている場合は、押す人に「Full access」か「Can edit」の権限が必要です。閲覧だけの参加者はボタンを押せません。無料プランで議事録を回すときに、先に知っておくべき数字を並べます。
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| アップロードするファイル | 無料プランはすべて5MB未満 |
| ページ履歴 | 無料7日/Plus 30日/Business 90日 |
| 変更履歴を見る権限 | 少なくとも「Can edit」 |
| ゴミ箱 | 既定で30日後に完全削除 |
録音そのものをページに貼る運用は、無料プランでは5MBの壁に当たります。議事録の本文と音声ファイルの置き場所は、分けたほうが安全です。
書き出しにも制約があります。サブページを含めてPDFに書き出すには、BusinessプランまたはEnterpriseプランが必要です。データベースのフォームビューは書き出せません。Notionに議事録を貯める形そのものは置き場所の決め方にまとめました。
配る前の点検——誤字、履歴、宛先、添付
議事録は、内容より先に体裁で信用を落とします。配る直前に見る場所を決めておくと、毎回考えずに済みます。
誤字と表記
Wordでスペルチェックと文章校正を始めるキーは F7 です。押すとエディターのウィンドウが開きます。Macでは F7 または Option+Command+L です。
校正の強さはライセンスで変わります。公式は、無料版は基本的なスペルチェックと文章校正まで、Microsoft 365 サブスクライバーには明快さ・簡潔さ・形式性・ボキャブラリの提案といった高度な文法とスタイルの絞り込みが加わると書いています。ただし、どこからが有料の機能なのかを一文で切り分けた記載は確認できませんでした。
「読みやすさの統計情報」には癖があります。複数言語が混在する文書では、最後にチェックした言語のテキストについてしか表示されません。英語文書中の一部のヨーロッパ言語では、語数や平均値だけが表示され、読みやすさのスコアは出ません。日本語の文書でこの統計が機能するかは、公式の明示的な記述を確認できませんでした。
変更履歴と、隠れているもの
複数人で直した議事録は、変更履歴が残ったまま配られがちです。[承諾] または [元に戻す] を1つずつ、あるいは [承諾] のドロップダウンから [すべての変更を受け入れる] を選んで片づけます。
表示を「マークアップなし」に切り替えても、変更履歴は一時的に隠れるだけで消えていません。承諾か拒否をしない限り、ファイルの中に残ります。画面がきれいになったことを、片づいたことと取り違えないでください。
社外へ出す前は、[ファイル] タブ > [情報] > [問題のチェック] > [ドキュメントの検査] を通します。検査の対象には「コメント、変更履歴、バージョン、および注釈」「ドキュメントのプロパティと個人情報」「ヘッダー、フッター、透かし」「隠し文字」が含まれます。ユーザー名などの個人情報はドキュメントのプロパティとして残るので、ここで落とします。
ひとつ注意があります。ドキュメント検査で削除されたデータは必ずしも復元できるとは限らず、公式は元の文書のコピーで実行することを強く勧めています。原本を残してから通してください。
宛先と添付
| 見るところ | よくある事故 |
|---|---|
| 敬称 | 社内と社外が混ざって「さん」「様」が揺れる |
| 日付 | 前回から使い回して、日付が古いまま残る |
| 宛先 | 前回の宛先が残り、社外の相手に社内向けが届く |
| 添付 | 添付し忘れ、または別案件のファイルが付く |
| バージョン | 手元の最新と、送ろうとしているファイルが違う |
添付は「開いて中身を見る」まで含めて点検してください。ファイル名が合っていても中身が違うことがあります。
送ってしまったあと
送信の取り消しは、時間も条件も限られます。社外に送った議事録は取り消せない前提で書くのが安全です。
| 手段 | 条件 |
|---|---|
| Gmailの送信取り消し | 設定 > [すべての設定を表示] > [送信取り消し] で 5・10・20・30 秒から選ぶ |
| Outlookのリコール | 自分と受信者が同じ組織内のMicrosoft 365職場/学校アカウントで、受信者がまだ開いていない場合のみ |
| Outlook.comの送信を元に戻す | [設定] > [メール] > [作成] で待機時間を選ぶ。最大30秒 |
個人用メールアカウント(Gmail、Hotmail、Outlook.com)では、Outlookのメッセージ取り消しは使えません。誤りに気づいたときの現実的な手は、訂正した箇所を明記して同じ宛先に送り直すことです。
保存と共有——あとから探せる形にする
議事録は、書いた瞬間より半年後のほうが必要になります。探せない議事録は、無いのとほとんど同じです。
名前の付け方は、「使えない文字」から決める
命名規則そのものを推奨した公式の記載は確認できませんでした。ただし、使えない文字と長さの上限は公式に決まっています。ここから逆算するのが確実です。
OneDrive と SharePoint では、ファイル名・フォルダー名に " * : <> ? / \ | を使えません。名前の先頭と末尾のスペースも使えません。日付を「2026/09/01」の形でファイル名に入れると、スラッシュが使えないので保存できません。日付を入れるなら、区切りをハイフンなどにします。
使えない名前も決まっています。.lock、CON、PRN、AUX、NUL、COM0〜COM9、LPT0〜LPT9、_vti_、desktop.ini、および「~$」で始まる名前です。会議名をそのままファイル名にすると、末尾に空白が混ざりやすいので、貼り付けたあとに前後を削ってください。
長さの上限もあります。公式には、OneDrive・職場または学校向けOneDrive・Microsoft 365のSharePointで、デコード後のファイルパス全体がファイル名を含めて400文字を超えられないと記載があります。フォルダーを深く切るほど、ファイル名に使える長さが減ります。全角文字がこの400文字でどう数えられるかは、公式に記載を確認できませんでした。
探し方を決めてから、置き方を決める
命名を凝るより、検索の当て方を先に決めるほうが早いです。Googleドライブは検索演算子に対応しています。
| 演算子 | 何で絞るか |
|---|---|
title: | タイトル |
owner: | オーナー |
type: | 種類 |
before: / after: | 更新日 |
"" / - | 完全一致/除外 |
絞り込みメニューにも「種類」「ユーザー」「更新日」があります。owner: と after: で足りるなら、ファイル名に部署名を入れる必要はありません。探し方が決まっていない命名規則は、そのうち誰も守らなくなります。
消えるまでの期限を知っておく
「あとで探す」前提なら、いつ消えるかを知っておく必要があります。
| 置き場所 | 公式の記載 |
|---|---|
| OneDrive(個人用) | ごみ箱のアイテムは30日後に自動削除。ごみ箱がいっぱいの場合は古いものから3日後 |
| OneDrive(職場・学校) | 管理者が変更しないかぎり93日後に削除 |
| Googleドライブ | ゴミ箱に移動したファイルは30日後に完全削除 |
| Notion | ゴミ箱のページは既定で30日後に完全削除 |
個人用OneDriveの「3日」は見落とされがちです。30日あると思って放置していると、先に消えていることがあります。
同時に書くなら、条件が3つある
会議中に複数人で書く運用にするなら、共同編集の条件を満たしているか先に見てください。公式には次の記載があります。
- 共同編集がサポートされるのは .docx / .pptx / .xlsx の新しい形式だけ
- 共同編集はOneDriveまたはSharePointに保存された文書で使える
- IRM/RMSで保護された文書では共同編集ができない
古い .doc のまま回している議事録は同時に編集できません。ローカルに置いたファイルやメール添付でも成立しません。ここが満たせないなら、書く人を1人に決めて、他の人はチャットで補う形のほうが速いです。
貯め続けるときの上限
| 項目 | 公式の記載 |
|---|---|
| 1ファイルのアップロード上限 | OneDrive/SharePointで250GB |
| 同期するファイル数 | 1つのライブラリで30万件以下を推奨 |
| Googleドキュメントの文字数 | 半角102万文字まで |
| テキストの変換 | Googleドキュメント形式に変換する場合は50MBまで |
| 共有できる相手 | 1つのファイルにつき最大600メールアドレス |
Googleドキュメントの共有権限は「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」の3種類です。個人アカウントの画面では、リンクの範囲として「制限付き」と「リンクを知っている全員」の2つが案内されています。社外に議事録を渡すときは、共有アイコンの設定から、閲覧者や閲覧者(コメント可)によるファイルのダウンロード・印刷・コピーを止められます。
配布後に直した版を追えるようにするには、右上の最終編集アイコンから版を選び、その他アイコンで [この版に名前を付ける] を実行します。名前を付けられる版は、ドキュメントで最大40個、スプレッドシートで最大15個です。ただし、ファイルの以前の版を参照するには、そのファイルの編集権限が必要です。閲覧者として共有した相手は、変更履歴をたどれません。
会議当日に回線が不安定な場所へ行くなら、オフラインの準備は前日までに済ませます。Googleドキュメントをオフラインで使うには、事前にGoogle オフライン ドキュメントのChrome拡張機能をインストールして有効にしておく必要があります。ChromeまたはEdgeが前提で、シークレット ブラウジングでは使えず、設定そのものにはインターネット接続が必要です。
議事録が読まれないときの、ひな形側の直し方
届き方の問題は別の記事に書きました。ここでは、ひな形の構造で直せるところだけを挙げます。
| 症状 | 原因 | ひな形の直し方 |
|---|---|---|
| 長くて読まれない | 経緯と結論が同じ塊にある | 決定と宿題を先頭に出し、経緯は下へ送る |
| 結論が下にある | 時系列に並べている | 章の順を「決定 → 宿題 → 経緯」に変える |
| 宿題が埋もれる | 文章の中に混ぜている | 内容・担当・期限の3列の表にする |
| 拾い読みできない | 見出しが飾りになっている | 見出しスタイルを当て、表の中に入れない |
| どれが最新か分からない | コピーが増える | 版に名前を付けるか、正を1か所に決める |
いちばん効くのは、章の順番を変えることです。項目を減らすより先に、決定と宿題を上に持ってくる。それだけで読まれ方が変わります。
英語で出すときの項目名
海外拠点や外資の相手に出すとき、日本語のひな形の項目をそのまま訳すと通じにくくなります。下の対応は編集部で使っているものです。「Attendees」「Action Items」といった項目名を規定した公的機関・標準化団体の一次情報は確認できませんでした。社内の標準がある場合はそちらを優先してください。
| 日本語の項目 | 英語で使われる語 |
|---|---|
| 会議名/日時/場所 | Meeting / Date & Time / Location |
| 参加者・欠席者 | Attendees / Absent |
| 議題 | Agenda |
| 決定事項 | Decisions |
| 保留・持ち帰り | Open Issues / Parking Lot |
| アクションアイテム | Action Items(Owner / Due date) |
担当と期限の欄は Owner と Due date に分けます。日本語の「担当:田中(9/3)」をそのまま1列に入れると、抽出も並べ替えもできなくなります。英語の会議そのものの進め方は英語会議の議事録にまとめました。
会議の種類ごとの、よくある失敗
公式の一次情報がある領域ではありません。編集部が実際に見てきた失敗と、その直し方です。どのくらいの割合で起きるかといった数字は出しません。
| 会議 | よくある失敗 | 直し方 |
|---|---|---|
| 打ち合わせ | 決まらなかったことを書かない | 「決まらなかったこと」を独立した欄にする |
| 定例 | 前回の宿題が静かに消える | 前回の宿題から始まる章立てにする |
| 商談 | 自社と先方の宿題が混ざる | 行を分けて、主語を行頭に置く |
残りの4つは、会議の性格が型と合っていないときに出ます。
| 会議 | よくある失敗 | 直し方 |
|---|---|---|
| ヒアリング | 「必須」と「希望」が混ざる | 要望の欄を2段に割る |
| 1on1 | 書きすぎて相手が話さなくなる | 発言は残さず、約束だけ書く |
| 役員会 | 「前向きに検討」で終わる | 結論を承認/否決/継続審議の3択にする |
| 取材 | 要約してしまい引用に戻せない | 重要な発言だけ原文のまま残す |
直し方はどれも「欄を足す」ではなく「欄を割る」か「順を変える」です。項目を増やす方向の対処は、埋まらない欄を増やすだけで終わります。
会議の種類ごとの、もっと詳しい記事
この記事は型の一覧です。会議ごとに何を残すかは、それぞれ別に書いてあります。
- 商談 → 商談の議事録に何を残すと、次の商談が楽になるか
- 定例・営業会議 → 営業会議の議事録は、商談の議事録と別物として書く
- 1on1 → 1on1の記録は、「誰が見られるか」を先に決める
- 採用面接 → 採用面接の記録——評価と発言を分けて残す
- 取締役会・株主総会 → 法定の記載事項と、AIに任せてよい範囲
- 打ち合わせ記録(帳票寄り) → 打ち合わせ記録の書き方
- サービス担当者会議(介護・第4表) → 会議の後回しにしない
会議の前に用意するアジェンダはこちら、WordとExcelのどちらで作るかはこちら、書いたあと読まれるようにする話はこちらにあります。
うまくいかないとき
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 保存したひな形が [個人用] に出ない | 既定の保存先から動かしている | カスタム Office テンプレートに戻す |
| Macのひな形がWindowsで見つからない | 保存先が各自のGroup Containers配下 | 共有ドライブに原本を置き、各自で入れ直す |
| ブラウザー版で自作テンプレートを使えない | 公式の案内は .docx で使う手順のみ | .docx としてOneDriveに置き、コピーを作る |
| 見出しがナビゲーションに出ない | 見出しが表やテキストボックスの中にある | 見出しを本文に出し、見出しスタイルを当てる |
| ファイル名が保存できない | 禁止文字か、先頭末尾のスペース | 禁止文字を外し、名前の前後の空白を削る |
上の5つは、いずれも「手元では起きていた」のに気づけない種類の失敗です。配る前ではなく、ひな形を作った日に一度試してください。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 深い階層のファイルが保存できない | パス全体が400文字を超えている | フォルダーを浅くするか、名前を短くする |
| 同時に編集できない | .doc のまま、またはローカル保存 | .docx にしてOneDriveかSharePointに置く |
| 組織のギャラリーに送信できない | 共有設定の権限、または管理者設定 | 共有設定を見直し、管理者に有効化を依頼 |
| 会議メモを予定に追加できない | 編集権限が無いか、他の人が添付済み | 主催者に依頼するか、既存のメモを使う |
| タスクを割り当てられない | 個人アカウント、または別ドメイン | 議事録の本文に担当と期限を書く |
いちばん多いのは最後の2つです。社外が絡む会議では、道具側の割り当て機能はたいてい使えません。そこは議事録の本文で担保する、と決めておくほうが早いです。なおRecoryは、録音から決定事項と宿題を抜き出してテキストとMarkdownで書き出す形なので、WordやExcelの様式に入れる手作業はここに書いた手順のまま残ります。
仕様は2026年9月2日時点の公式サイトの記述に基づきます。OSのバージョンで名前や場所が変わるので、お手元でご確認ください。
よくある質問
議事録に最低限必要な項目は何ですか
日時・参加者・決まったこと・宿題(担当と期限)・次回の予定、の5つです。この5つがあれば議事録として成立します。議題や発言の要旨は、あとから録音や文字起こしで復元できるので必須ではありません。
議事録は発言をそのまま書くべきですか、要約すべきですか
原則は要約です。発言をそのまま残すのは、言った言わないが問題になりうる場面(条件交渉、トラブル対応、労務)に限ります。全文が必要なときは、要約した議事録とは別に文字起こしを保管する形にすると読みやすさと正確さを両立できます。
テンプレートは会議の種類ごとに分けるべきですか
分けた方が続きます。ただし1人が日常的に使うのは3〜4種類までです。手元に置く型を増やしすぎると「どれを使うか」を選ぶ手間が発生し、結局いちばん簡単なものだけが使われるようになります。用意されている種類が多いこと自体は問題ではなく、自分が使う分だけ選べば足ります。
Wordで議事録のテンプレートを作るにはどうすればよいですか
Windowsのデスクトップ版では、[ファイル] > [名前を付けて保存] を開いて [この PC] を選び、ファイルの種類で「Word テンプレート」(.dotx) を選びます。マクロを含む文書は「Word マクロ有効テンプレート」(.dotm) です。保存先にはカスタム Office テンプレートのフォルダーが選ばれます。Macは [ファイル] メニュー > [テンプレートとして保存] で、保存先は Group Containers 配下の Templates フォルダーです。
保存したテンプレートから新しい議事録を作るにはどうしますか
Windowsは [ファイル] > [新規作成] > [個人用] でテンプレートを選びます。Macは [ファイル] > [テンプレートから新規作成] です。この経路を使えば、前回の議事録を開いて中身を消す運用をやめられるので、上書き保存の事故がなくなります。
Excelの議事録でセルの中に複数行を入れるにはどうしますか
セルをダブルクリックして改行したい位置をクリックし、Alt + Enter キーを押すと改行が入ります。Mac版の別のキーについては、この操作を説明した公式ページに記載を確認できませんでした。複数ページに渡る場合は、[ページ レイアウト] タブ > [ページ設定] グループ > [印刷タイトル] の [シート] タブで「一番上の繰り返し行」に $1:$1 のように入力すると、見出し行が全ページに出ます。
議事録のファイル名に日付を入れるとき、どんな形式にすればよいですか
命名規則そのものを推奨した公式の記載は確認できませんでした。ただし OneDrive と SharePoint ではファイル名に " * : <> ? / \ | を使えないので、「2026/09/01」のようなスラッシュ区切りは保存できません。ハイフンなどに置き換えてください。名前の先頭と末尾のスペースも使えず、パス全体はファイル名を含めて400文字を超えられません。
社外へ議事録を送る前に何を確認すればよいですか
Wordなら [ファイル] タブ > [情報] > [問題のチェック] > [ドキュメントの検査] を通します。検査の対象にはコメント・変更履歴・ドキュメントのプロパティと個人情報・隠し文字が含まれます。削除したデータは必ずしも復元できないと公式が書いているので、原本のコピーで実行してください。表示を「マークアップなし」にしただけでは変更履歴は消えていません。
送ってしまった議事録を取り消せますか
条件付きです。Gmailは設定の [送信取り消し] で 5・10・20・30 秒から選べます。Outlookのリコールは、自分と受信者が同じ組織内の Microsoft 365 職場/学校アカウントを持ち、受信者がまだメッセージを開いていない場合だけ使えます。Gmail・Hotmail・Outlook.com のような個人用アカウントでは使えません。社外に送ったものは取り消せない前提で、訂正箇所を明記して送り直すのが現実的です。
Googleドキュメントの議事録テンプレートを社内で共有できますか
組織のテンプレートギャラリーへ [テンプレートを送信] で載せられますが、管理者が管理コンソールで「組織でカスタム テンプレートを有効にする」をオンにしている必要があります。公式が対応エディションとして挙げているのは Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Education 各版、Enterprise Essentials Plus、Nonprofits、G Suite Basic/Business で、無料のGoogleアカウントと Business Starter はこの列挙に入っていません。
Notionで定例会議の議事録を自動で作れますか
データベースの [新規] 横のドロップダウン矢印から [+新規テンプレート] を作り、テンプレートの [•••] メニューで [繰り返し] を毎日・毎週・毎月・毎年のいずれかに設定すると、ページが自動で作られます。テンプレートにリレーションの値まで埋めると、そこから作る全ページが同じページに紐づくので、参加者や案件は空のままにしてください。無料プランで使えるかは公式ヘルプで確認できませんでした。
議事録が苦手なのは、聞きながら書こうとしているからです
商談の議事録に何を残すと、次の商談が楽になるか