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議事録の書き方

議事録はExcelとWord、どちらで作るか

なんとなくExcelで作って、罫線と行の高さと格闘している人が多い形式です。Excelが正しい場面と、Wordにすべき場面を分けて、それぞれの列と項目の作り方を書きました。

議事録をExcelで作っている人は多いと思います。そしてその多くが、罫線と行の高さと格闘しています。

この記事の内容(13項目)
  1. 分かれ目は「並べ替えるかどうか」
  2. Excelで作るなら、1会議1行にする
  3. 列を決めるときの考え方——増やす前に、削れないか考える
  4. 記入例1——商談記録を1行、実際に埋める
  5. 列の設計を、良い例と悪い例で比べる
  6. Wordで作るなら、見出しを固定する
  7. 記入例2——打ち合わせ議事録を1本、実際に書く
  8. 様式が指定されているとき
  9. 使い回す仕組み——毎回ゼロから作らない
  10. 共有とバージョンの管理
  11. そもそも、ファイルで持つ必要があるか
  12. AIに渡すときの整え方
  13. うまくいかないとき

セルを結合して、文章を入れたら印刷で切れて、行の高さを直して、また切れて。中身を考える前に、体裁で時間が終わる。

ExcelとWordは、向いている議事録が違います。先に分けたほうが早いです。

一覧して探したいExcel行が並ぶ文章として読ませたいWord配る前提そもそも配るだけどちらでもないチャットに3行
ExcelとWord、どちらで作るか。

分かれ目は「並べ替えるかどうか」

判断はこれ一つで足ります。

あとで一覧にして並べ替えるなら Excel。読むための文書なら Word。

Excelの本質は表計算ではなく、行と列で持つことです。行が増えても壊れず、絞り込みと並べ替えができる。逆に言うと、その予定が無いならExcelを使う理由がありません。

ExcelWord
向く項目が毎回同じ/あとで並べ替える/件数を数える議論の流れを残す/社外へ送る/読ませる
商談記録、定例の進捗、安全衛生委員会打ち合わせ議事録、取材メモ、社外向け報告
つらいところ長い文章を入れると体裁が崩れる100件たまると探せない

Excelで作るなら、1会議1行にする

いちばんよくある失敗が、1つの会議で1シートを作る形です。これをやると、Excelを使う利点が丸ごと消えます。並べ替えられないし、絞り込めない。それならWordのほうが速い。

Excelにするなら、1会議=1行です。列はこうします。

内容
日付並べ替えの軸
相手先/会議名絞り込みに使う
参加者名前だけ
決定事項短く。1つずつ改行
未決・持ち帰り決まらなかったこと
宿題(誰が・いつまでに)担当と期限
次回日程

列を増やしたくなりますが、増やすほど埋まらなくなります。空欄が並ぶ表は、無いのと同じか少し邪魔です。足りなくなったらあとから足せます。

長い文章を入れないこと。セル内で改行(AltEnter)して箇条書きにし、1項目を1行に収める。文章を書きたくなったら、それはWordの仕事です。

「折り返して全体を表示する」をやめて、行の高さを固定するのも手です。全部が見えなくても、絞り込んで該当行を開けば読めます。一覧は探すためのもので、読むためのものではありません。

列を決めるときの考え方——増やす前に、削れないか考える

「1会議1行」の型を実際に運用してみると、列を増やしたくなる場面が必ず出てきます。ここで踏みとどまれるかどうかが、表が続くかどうかを分けます。

列を増やす前に、次の3つを自問してください。

  1. その列は、あとで検索・並べ替えに使うか。使わないなら、その情報は決定事項や宿題のセルに文章として書けば足ります
  2. 毎回埋まる列か。埋まらない列が増えると、表全体が空欄だらけに見えて、記入する意欲が下がります
  3. すでにある列と役割が重なっていないか。「進捗」と「ステータス」のように似た列が2つあると、どちらに書けばいいか毎回迷います

逆に、足したほうがよい列もあります。案件をまたいで集計したい情報がある場合です。たとえば商談記録なら「金額」の列を独立させると、四半期ごとの合計を関数で出せるようになります。決定事項の文章の中に金額を埋め込んでしまうと、集計のたびに1件ずつ開いて読む作業が発生します。数字として使う予定がある情報だけ、列に昇格させるという基準で選ぶと、表が肥大化しません。基準を決めておけば、あとから列を足すかどうかで毎回悩まずに済みます。

記入例1——商談記録を1行、実際に埋める

型だけでは、どれくらいの粒度で書けばいいか伝わりません。架空の商談を1件、実際にセルに入れる形で書きます。会社名と人名はすべて架空のものです。

記入例
日付2026-09-08
相手先/会議名北浜物産/新規取引の条件確認
参加者田中(自社)/木村様・佐野様(先方)
決定事項初回発注ロットは100個。納期は10月20日。支払いは月末締め翌月末払い
未決・持ち帰り送料の負担割合。先方社内で稟議中、9/12までに回答予定
宿題(誰が・いつまでに)田中:見積書を9/10までに送付/木村様:社内稟議の結果を9/12までに連絡
次回9/15 14:00〜(オンライン)

「決定事項」のセルの書き方に注目してください。「条件について合意した」のような曖昧な書き方ではなく、数量・日付・支払い条件という具体的な数字を並べています。あとで請求書を作る担当者が、この行だけを見て作業できる書き方です。

「宿題」のセルは、Alt + Enterで1行ずつ改行し、誰が・何を・いつまでにの3点を1人1行にしています。主語(担当者名)を先頭に置くのが要点です。行末に担当者名があると、自分の担当を探すのに全部読む必要が出ます。

列の設計を、良い例と悪い例で比べる

同じ商談記録でも、列の切り方で使いやすさが大きく変わります。実際にありがちな失敗例と、直した例を並べます。

✗ 悪い例

相手内容備考
北浜物産9/8に打ち合わせ。ロット100個、納期10/20で合意。送料は保留、見積もりは9/10に送る予定次回9/15

一見コンパクトに見えますが、この形には3つの問題があります。日付が本文に埋もれていて並べ替えに使えません。宿題(見積もり送付)が文章の中に紛れていて、担当者ごとに抽出できません。「備考」という名前の列に次回の予定が入っていて、列名と中身が一致していません。

○ 直した例

日付相手先決定事項宿題(誰が・いつまで)次回
2026-09-08北浜物産ロット100個・納期10/20で合意田中:見積送付(9/10)9/15

同じ情報量でも、列を分けただけで「今月の宿題だけ抜き出す」「相手先ごとに件数を数える」といった操作ができるようになります。列を分ける基準は、あとで単独で使いたい情報かどうかです。文章の中に埋め込んだ情報は、Excelの機能(フィルター・並べ替え・関数)が一切使えなくなります。

Wordで作るなら、見出しを固定する

Wordは自由に書けてしまうので、毎回違う形になるのが弱点です。3か月後に見返したとき、探している項目がどこにあるか分からない。見出しを固定してください。

◯◯打ち合わせ 議事録
日時 / 場所 / 参加者

1. 決まったこと
2. 決まらなかったこと・持ち帰り
3. 宿題(担当・期限)
4. 次回

この4つだけで足ります。型の中身は議事録のテンプレート8種に置きました。

スタイル機能で見出しを設定しておくと、目次が自動で作れて、長い議事録でも飛べます。手で太字にしているだけだと、これができません。

記入例2——打ち合わせ議事録を1本、実際に書く

Wordで使う見出しの型に、実際の内容を入れるとこうなります。架空の社内打ち合わせを例にしています。

新オフィス移転打ち合わせ 議事録 日時:2026年9月8日(火)15:00〜15:45 場所:本社3階 会議室B 参加者:総務部(山田・佐藤)、経理部(鈴木) 敬称略

>

1. 決まったこと ・移転先は駅前ビル7階に決定。契約は9月中に締結する ・引っ越し業者は3社見積もりを取り、経理が10月1日までに選定する ・社員への告知は9月20日の全体会議で行う

>

2. 決まらなかったこと・持ち帰り ・新オフィスの座席配置。フリーアドレスにするかは、次回までに部門長の意見を集めて判断する ・什器の廃棄費用が予算内に収まるか、経理で試算中(9/12回答予定)

>

3. 宿題(担当・期限) ・山田:引っ越し業者3社への見積もり依頼(9/10まで) ・鈴木:什器廃棄費用の試算(9/12まで) ・佐藤:全体会議の告知資料の準備(9/18まで)

>

4. 次回 9月15日(火)15:00〜 同会議室

この例で押さえてほしいのは3点です。まず、決定事項に「いつまでに・誰が」が必ず添えてあります。「業者を選ぶ」ではなく「経理が10月1日までに選定する」と書くことで、次回までの確認事項がそのまま宿題になります。次に、決まらなかったことにも期限が入っています。「未定」で終わらせず、いつ・誰が持ち帰ったかを書くと、次回の冒頭がそのまま決まります。最後に、参加者の欄に「敬称略」と明記して、本文中の敬称の揺れを防いでいます。

様式が指定されているとき

安全衛生委員会の議事録や、取引先から渡された打合せ記録簿のように、提出先が形式を決めている場合があります。この場合は選ぶ余地がありません。指定の様式に従ってください。たいていExcelです。

このとき工夫できるのは中身の書き方だけです。決定事項の欄に経緯を書かない、担当者名を先頭に置く、日付は必ず入れる。この3つを守るだけで、あとから読める記録になります。

使い回す仕組み——毎回ゼロから作らない

前回の議事録を開いて中身を消して使い回している人は多いと思います。この運用は上書き保存の事故が起きます。テンプレートとして保存すれば、開くたびに新しい文書ができます。

Wordの場合、Windowsのデスクトップ版での手順は次のとおりです。

  1. ひな形にしたい文書を開く
  2. [ファイル] > [名前を付けて保存] を開き、[この PC] を選ぶ
  3. ファイルの種類で「Word テンプレート」(.dotx) を選ぶ
  4. 保存先には「カスタム Office テンプレート」フォルダーが選ばれる

作ったひな形から新しい議事録を起こすときは、[ファイル] > [新規作成] > [個人用] を開いてテンプレートを選びます。既存ファイルを開いて上書きする運用にしなくて済みます。Macは経路が違い、[ファイル] メニュー > [テンプレートとして保存] から保存し、新規作成は [ファイル] > [テンプレートから新規作成] です。

Excelも考え方は同じです。[ファイル] > [名前を付けて保存] のファイルの種類で「Excel テンプレート」(.xltx) を選びます。マクロを含むブックを使っている場合は「Excel マクロ有効テンプレート」(.xltm) を選んでください。

ソフトテンプレートの拡張子
Word.dotx
Excel.xltx

この仕組みを使うメリットは、事故が減ることだけではありません。列や見出しの構成を直したくなったとき、テンプレートの側を1回直せば、次に作る議事録すべてに反映されます。個々の議事録ファイルを1つずつ直して回る必要がありません。

共有とバージョンの管理

複数人で同時に書き込む運用にするなら、条件を先に確認してください。Microsoftの公式には次の条件が明記されています。

  • 共同編集がサポートされるのは .docx / .xlsx などの新しい形式だけ(古い .doc / .xls では使えません)
  • 共同編集はOneDriveまたはSharePointに保存された文書で使える
  • IRM(情報保護)で保護された文書では共同編集ができない

古い形式のまま、あるいはローカルのフォルダに置いたファイルで「同時に編集してください」と頼んでも、そもそも機能が動きません。同時編集を前提にするなら、保存場所と形式をまず揃えるのが順番です。

バージョンの管理は、ルールを1つ決めるだけで揉め事が減ります。「いつの内容か分かる名前を付ける」「最新がどれか、置き場所を1か所に決める」の2つです。ファイル名に日付を入れる場合、OneDriveやSharePointでは " * : <> ? / \ | の記号が使えないので、「2026/09/08」のようなスラッシュ区切りは保存できません。ハイフンなどに置き換えてください。

共有ドライブに置く場合は、常に同じファイルを開く運用にすれば、そもそも複数のバージョンが並ぶ状況を避けられます。メールで添付を送り合う運用は便利に見えますが、返信のたびにファイルが枝分かれし、どれが最新か分からなくなります。社外とのやり取りでどうしても添付が必要な場合以外は、共有ドライブへのリンクを送るほうが安全です。

そもそも、ファイルで持つ必要があるか

最後にこれを書いておきます。ExcelとWordで悩んでいる時点で、「ファイルとして保存して、フォルダに置く」前提になっています。この前提自体を疑う価値があります。

ファイルで持つと、検索が弱くなります。フォルダを開いて、それらしいファイル名を探すことになる。相手先の名前がファイル名に入っていなければ辿れません。

提出や配布が要らないなら、議事録はアプリやデータベースに置いて、必要なときだけ書き出すほうが実務では速いです。貯め方はNotionの置き場所の決め方に書きました。とはいえ、送る相手がWordを求めるなら、それが正解です。相手の都合が最優先で、そこは工夫のしどころではありません。送るときの文面は議事録を送るメールの文面にまとめてあります。

AIに渡すときの整え方

Excelの表やWordの文章を、AIに読ませて要約させたり、次の議事録の下書きに使ったりする場面が増えています。渡し方によって、返ってくる結果の質が変わります。

Excelの表をそのまま貼り付けると、AIは列の意味を推測しながら読むことになります。列名を1行目に必ず入れておく——「日付」「決定事項」のような見出し行があるだけで、AIが表の構造を正しく認識しやすくなります。セルの中で改行を多用した文章も、貼り付けると改行の位置がずれることがあるので、貼り付けたあとに一度整形結果を確認してください。

Wordの文章を渡す場合は、見出しをそのまま残しておくのが安全です。「1. 決まったこと」のような番号付きの見出しがあると、AIはその構造を手がかりに要約できます。見出しを崩して1つの段落にまとめてしまうと、決定事項と経緯の境目が分からなくなり、AIも人と同じように読み違えます。

指示文の組み立て方——「決まったこと」「宿題」を項目ごとに出させる具体的なプロンプトは、AIに議事録を書かせるプロンプトにそのまま使える形で置きました。ExcelやWordで書いた記録を、次の会議前にAIへ渡して過去の宿題を振り返らせる、という使い方もできます。そのときも「文字起こしに無いことは書かない」と同じ発想で、「表に無いことは書かない」と指示に加えておくと、AIが空欄を推測で埋めるのを防げます。

具体例で示します。先ほどの商談記録の1行をAIに渡すとき、そのままセルをコピーして貼り付けると、タブ区切りの読みにくいテキストになりがちです。次のように、列名を先頭に明記してから値を並べると、AIが列の対応を取り違えません。

日付: 2026-09-08 / 相手先: 北浜物産 / 決定事項: ロット100個・納期10/20で合意 / 宿題: 田中が見積送付(9/10)

この形にひと手間かけるだけで、複数行をまとめて渡したときも、AIが列を読み違えて宿題の担当者を取り違えるような事故が減ります。ひと手間を惜しまないほうが、結局は直す時間が短くなります。

うまくいかないとき

症状よくある原因直し方
Excelの表が誰にも更新されなくなる列が多すぎて埋めるのが負担になっている使われていない列を削り、1会議1行の形に戻す
Wordの議事録が毎回フォーマットが違うテンプレートを使わず、毎回真っ白から書いているひな形をテンプレートとして保存し、そこから起こす
複数の担当者が同時に触って上書きし合う古い形式・ローカル保存のまま共同編集している.docx/.xltxに変換し、OneDriveかSharePointに置く
AIに読ませても要点を拾ってくれない列名や見出しを崩したまま貼り付けている見出し・列名を残した状態で渡す

いちばん多いのは、1つ目と2つ目です。どちらも「最初は丁寧に作ったが、続けるうちに崩れた」パターンで、道具の問題ではなく運用の問題です。テンプレート化と列の絞り込みは、この記事のここまでの内容で直せます。直った状態を保つコツは、月に一度だけ表を見直す時間を作ることです。

どちらで作るにしても、書く中身は変わりません。何を書くかは議事録とはにまとめました。


RecoryからはテキストとMarkdownで書き出せます。ExcelやWordのファイルを直接は作れません。貼り付けて整える形になるので、決まった様式への記入が毎回発生する仕事だと、そこは手作業が残ります。

よくある質問

議事録はExcelとWordのどちらで作るべきですか

項目が決まっていて一覧にしたいならExcel、文章が主で配布するならWordです。毎回同じ項目を埋める定例や、あとで案件ごとに並べ替えたい商談記録はExcelが向きます。議論の流れを残す会議や、社外へ送る議事録はWordのほうが早く作れます。

Excelで議事録を作ると時間がかかるのはなぜですか

セルの結合と行の高さの調整に時間を取られるためです。長い文章をExcelに入れると、印刷したときに文字が切れるので、そのたびに高さを直すことになります。文章が主役の議事録は、最初からWordで書くほうが速く終わります。

決まった様式が指定されている場合はどうすればよいですか

その様式に従ってください。安全衛生委員会の議事録や、取引先から指定された打合せ記録簿など、提出先が形式を決めている場合は選ぶ余地がありません。この場合はExcelであることが多く、中身の書き方だけを工夫することになります。

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