営業会議の議事録は、商談の議事録と別物として書く
数字と進捗が主役の社内会議で、何を残すと次の一週間が動くのか。そのまま使える型と、書いても読まれない項目を分けました。

商談の議事録と営業会議の議事録は、別物です。商談は社外との記録で、あとで「言った言わない」になり得る。だから正確さが要ります。営業会議は社内で、来週の動きを決めるためにやっている。だから読み返して動けるかどうかがすべてです。同じ型で書こうとすると、たいてい後者が失敗します。
読まれない議事録の形
よく見るのがこれです。担当者ごとに、全案件を並べる形です。
【Aさん】
・X社 提案済み、返答待ち
・Y社 訪問予定
・Z社 進展なし
【Bさん】
・P社 見積提出
...
全員分の全案件が並んでいる。丁寧に書かれているのに、次の週に誰も開きません。理由ははっきりしていて、変化していない情報が9割を占めているからです。「進展なし」と書かれた行を読んでも、何も起きません。しかも書くほうも、毎週これを埋めるのが苦行になります。
動く議事録の形
私が見てきた中で機能していたのは、変化と障害だけを書く形でした。項目は4つで足ります。
営業会議(第◯回)
日時: 参加者:
■ 今週動いたもの
- X社:稟議が通った。来週契約書
- P社:単価で折り合わず、条件を作り直す
■ 止まっているもの/理由
- Y社:先方の担当が異動。窓口を再確認する(担当◯◯/〜◯/◯)
- Z社:3週間動きなし。いったん寝かせる
■ 会議で決めたこと
- 値引きの上限は◯%まで。それを超える案件は事前に相談
- 来月から週次を隔週にする
■ 持ち帰り
- [ ] 内容 / 担当 / 期限
「止まっているもの/理由」が、この型のいちばんの要点です。営業会議でいちばん価値があるのは、止まっている案件の理由を全員が知ることだと思っています。同じ壁に他の人がぶつかったことがあるかもしれない。担当者が異動したなら、別の接点を知っている人がいるかもしれない。進捗の羅列からは、それが出てきません。
数字は書かない
これは意見が分かれるところですが、私は議事録に数字を転記しないほうがいいと考えています。進捗の数字はCRMか日報に入っているはずです。議事録にも書くと二重管理になって、しかも片方が必ず古くなります。3か月後に見返したとき、どちらが正しいのか分からない議事録ほど困るものはありません。議事録に残す価値があるのは、数字そのものではなくなぜその数字なのかのほうです。
× 今月の受注は8件、目標比80% ○ 受注が目標に届かなかった主因は、3月納品の案件が2件とも4月にずれたこと
下は数字が動いても意味が残ります。上は来週には古くなります。議事録に残るのは、数字の背景のほうです。
「詰め」の部分は書かない
もうひとつ。会議で誰かが詰められる場面がありますが、そのやり取りは議事録に残さないほうがいいと思っています。「◯◯さんの案件について、△△部長から進め方の甘さを指摘」と書かれた議事録が回ると、次の週から本当のことが報告されなくなります。止まっている案件が「順調です」に変わる。そうなると、この会議をやる意味がなくなります。残すのは決まったことだけです。何を、いつまでに、誰が。
録音する場合
営業会議を録音するなら、社内でも一言伝えてください。社外より社内のほうが揉めることがあります。とくに人事評価に関わる話題が出る会議は、知らないうちに録られていたと分かったときの反応が大きい。「議事録を作るので録音します。共有は参加者の範囲までにします」で足ります。文面はこちらにまとめました。
Recoryで録る場合、定例会議の章立てを選ぶと「前回の宿題 → 進捗 → 今回の決定 → 新しい宿題」の順で出ます。上に書いた「止まっているもの/理由」は自動では立たないので、そこは自分の型を作って保存するほうが早いです。宿題は担当者と期限つきでタスクの一覧に入るので、次の会議の冒頭でそこを開けば済むのは実務では効きます。前回の宿題から始める会議は、進捗から始める会議より短く終わります。
議事録そのものの目的と例は議事録とはにあります。営業会議は、そのうち「次の行動」に寄せた型になります。
社外の商談を記録する場合は商談の議事録に何を残すかのほうが近いです。求められるものがかなり違います。
よくある質問
営業会議の議事録に数字はどこまで書きますか
会議で口頭に出た数字だけ書いてください。CRMや日報に入っている数字を議事録に転記すると、二重管理になって、しかも片方が必ず古くなります。議事録に残す価値があるのは「なぜその数字なのか」の部分です。
個人の進捗を全員分書くべきですか
全員分を並べると、たいてい読まれません。動いた案件と止まった案件だけを書いて、変化のない案件は名前だけにするほうが実用的です。
詰められた内容も残すべきですか
「誰が誰に何を指摘したか」を議事録に書くと、次から本当のことが報告されなくなります。決まったこと(何を、いつまでに、誰が)だけ残して、やり取りの経緯は書かないほうが会議が健全に回ります。
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