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Copilotで議事録を作る——「会議中のみ」を選ぶと、あとから読めません

Teams会議のCopilotには会議オプションが3つあり、既定は「会議中および会議後」でトランスクリプトの保存が必須です。「会議中のみ」に切り替えると記録は残りません。エンドツーエンド暗号化の会議では使えないなど、公式ドキュメントに書かれている条件を整理しました。

Microsoft 365 Copilot を Teams の会議で使うと、会議の要点をまとめたり、誰が何に同意したかを尋ねたりできます。ただし設定によって、あとから読み返せるかどうかが変わります。ここを知らずに使うと、会議が終わったあとに「Copilotに聞けない」ことに気づくことになります。

この記事の内容(11項目)
  1. まずライセンスが要ります
  2. 会議オプションが3つあり、ここが分かれ目です
  3. 既定は「トランスクリプトの保存が必須」です
  4. 記録を止めても、残るものがあります
  5. 使えない場面が2つ明記されています
  6. 管理者のポリシーで、開催者にできることが変わる
  7. Copilotに「Teamsの外の議事録」を読ませられるか
  8. Copilotに議事録を書かせるときの頼み方
  9. うまくいかないときに見る順番
  10. 対面の会議はどうなるか
  11. Copilotで議事録を作るときの実際

公式ドキュメントに書かれている条件を、順に整理します。

まずライセンスが要ります

前提条件として、アドオンの Microsoft Copilot ライセンスが挙げられています。会議に参加している全員が使えるわけではなく、ライセンスを持つ参加者だけがCopilotのボタンを選べます。

Copilotへの問いかけと答えは、その人にしか見えません。公式の説明は「Microsoft Copilot ライセンスを持つ各参加者は、最大 1,000 人の出席者を含む会議またはイベントで、自分にしか表示されないプロンプトを要求できます」です。会議中に手元で「いま何が決まった?」と聞いても、他の参加者には見えません。大人数向けに最適化されたイベントでは扱いが変わり、開催者・共同開催者・発表者のみがCopilotを使えるとされています。

会議オプションが3つあり、ここが分かれ目です

開催者が会議を作るときに選ぶ設定です。この選択で、記録が残るかどうかが決まります。

設定動き会議後に読めるか
会議中および会議後誰かが文字起こしを開始すると、会議中も会議後もCopilotが使える読める
会議中のみ会議の終了後に保存されない一時的な音声テキスト変換データを使う読めない
オフCopilotが使えない。録画と文字起こしも無効になる読めない

「会議中のみ」は、記録を残さずにCopilotを使いたいときの設定です。プライバシーへの配慮としては合理的ですが、議事録を作る目的では成立しません。会議が終わった時点で、参照できるデータが消えます。

もう1つ、見落としやすい挙動があります。開催者がCopilotをオフにすると、レコーディングと文字起こしもオフになります。Copilotだけを止めたつもりが、記録そのものが残らなくなる、という順序で効いてきます。

会議後に議事録を作りたい会議中および会議後文字起こしの開始が必要記録を残したくない会議中のみ会議後は参照できないCopilotをオフにする録画も文字起こしも止まる意図しない副作用
Teams会議のCopilotは、設定の組み合わせで挙動が変わります。

既定は「トランスクリプトの保存が必須」です

管理者が設定するポリシーには4つの値があり、既定値は「オンで、トランスクリプトの保存が必須」です。この設定のとき、開催者の会議オプションは「会議中および会議後」に固定され、開催者はこの値を変更できません。

ポリシーの値開催者の既定開催者が変更できるか
オン会議中のみできる
オンで、トランスクリプトの保存が必須(既定)会議中および会議後できない
オンで、トランスクリプトを既定で保存会議中および会議後できる
オフオフできる

つまり、何も設定を変えていない組織では、Copilotを使う会議は必ず文字起こしが残ります。議事録を作りたい側にとっては都合がよく、記録されたくない参加者にとっては注意すべき点です。管理者はTeams管理センターの「記録と文字起こし」セクション、またはPowerShellの Set-CsTeamsMeetingPolicy で変更できます。

管理者側の文字起こしポリシーとの組み合わせにも決まりがあります。管理者が文字起こしをオフにしていても、文字起こしの権限を持つ別の参加者がオンにすれば、その部分については会議後もCopilotが使えます。自分の設定だけでは決まらない、という点は覚えておく価値があります。

記録を止めても、残るものがあります

公式ドキュメントに、あまり知られていない記述があります。そのまま引用します。

organization の Microsoft Purview 保持ポリシーによっては、会議中の Copilot のプロンプトと応答は、記録と文字起こしが無効になっている場合でも、コンプライアンスの目的で保持される場合があります。

「会議中のみ」を選んで記録を残さないつもりでも、Copilotへの問いかけとその答えは組織の保持ポリシー次第で残ることがある、ということです。商用クラウドにのみ適用され、GCCやDoDのクラウド環境には適用されないと補足されています。

これは欠陥ではなく、企業向けサービスとして当然の設計です。ただし「記録しない設定にしたから何も残らない」と説明してしまうと、事実と違うことになります。社内で録音のルールを整えるときは、この点を含めて書いてください。会議の録音ポリシーを1枚で決めるにまとめた項目に、この行を足す価値があります。

使えない場面が2つ明記されています

公式ドキュメントに、はっきりと書かれている制限が2つあります。

1つは、エンドツーエンド暗号化された会議です。「Teams の会議とイベントの Microsoft Copilot は、エンドツーエンドの暗号化された会議では使用できません」と明記されています。機密性の高い会議ほど暗号化を有効にしたくなりますが、そうするとCopilotは使えません。いちばん記録を正確に残したい会議で使えない、という形になりがちです。

もう1つは、GCC High です。「Teams の Microsoft Copilot は、現在 GCC High では使用できません」とされています。

管理者のポリシーで、開催者にできることが変わる

「会議オプションでCopilotを選べない」という詰まり方をしたときは、管理者のポリシーを見ることになります。Microsoftの管理者向けドキュメントには、ポリシーの値ごとの動きが表で書かれています。

管理センターのポリシー開催者の既定開催者が変えられるか
オン会議中のみ会議中および会議後/オフへ変えられる
オンで、トランスクリプトの保存が必須会議中および会議後変えられない(これが既定値)
オンで、トランスクリプトを既定で保存会議中および会議後会議中のみ/オフへ変えられる
オフオフ会議中のみ/会議中および会議後へ変えられる

2行目が既定です。組織が何も設定していなければ、開催者は「会議中および会議後」から動かせません。つまり文字起こしが保存される前提で運用が始まります。この状態を変えたいなら、管理者にポリシーを変えてもらうことになります。

文字起こしのポリシーとの組み合わせでも動きが変わります。文字起こしがオフで、開催者の設定が「会議中および会議後」の場合、文字起こしの権限を持つ別の参加者がオンにしない限り、Copilotと対話できません。自分のライセンスがあっても使えないのは、この組み合わせに入っているときです。

Copilotに「Teamsの外の議事録」を読ませられるか

ここが他のAIといちばん違うところです。ClaudeやChatGPTは、利用者が自分で接続先を足せます。Copilotはその形になっていません。

MicrosoftがMCPに対応させているのは Copilot Studio です。公式ドキュメントは「Model Context Protocol (MCP) は、Copilot Studio内の既存のナレッジ サーバーとデータ ソースに直接接続するのに役立ちます。」と書いています。サポートしているのは現時点でツールとリソースで、使うには生成オーケストレーションを有効にする必要があるとも書かれています。

Copilot Studioはエージェントを作る側の製品です。つまり、Teamsの会議でCopilotを使っている人が、自分の判断で外部の議事録サービスを繋ぐ、という道ではありません。誰かが作って配る形になります。

誰が繋ぐか利用者の手数
Claude利用者本人(一覧から選ぶ、またはURLを登録)数分
ChatGPT利用者本人(URLを登録)数分
Copilot作る側がCopilot Studioで用意する配られるのを待つ

もう1つ、外部のMCPサーバーに繋ぐ場合の責任についても書かれています。「外部 MCP サーバーを含むMicrosoft以外の製品に接続する場合は、Copilot Studio内からアクセスするツールとリソースを担当します。」つまり繋いだ先の面倒は繋いだ側が見る、という立て付けです。

Copilot Studioの中でMCPサーバーへ接続する経路は Power Platform のコネクタに依存するので、組織のデータのポリシーがそのまま効きます。管理が厳しい組織ほど、勝手に繋がらない作りになっている、と考えておくと見通しが良い。他社の対応状況と並べたものはMCP対応の議事録サービス比較にまとめました。

Copilotに議事録を書かせるときの頼み方

Copilotのボタンを押すだけでも要約は出ますが、そのままだと「話の流れ」で返ってきます。議事録の形にしたいなら、欲しい形を指定したほうが早い。

そのまま使える頼み方を並べます。

  • 「この会議の決定事項だけを箇条書きで出してください。決まらなかったことは別に分けてください。」
  • 「アクションアイテムを、担当者と期限つきの表にしてください。担当が分からないものは『未定』としてください。」
  • 「反対意見が出た箇所を、誰が何を懸念したかとあわせて挙げてください。」
  • 「この会議に出ていない人向けに、前提から5行で説明してください。」
  • 「次回の会議で決めるべきことを3つに絞ってください。」

指示の形は「何を・どの形で・何を除くか」の3つを入れると安定します。「要約して」だけだと、毎回違う粒度で返ってきます。同じ形で毎回欲しいなら、頼み方を固定してテキストとして手元に置いておくのが実務的です。指示文の作り方そのものは議事録のプロンプトにまとめました。

出てきたものは、固有名詞と数字だけ必ず確認してください。会社名・製品名・金額・期日は、文字起こしの段階でずれていると、そのまま要約に乗ります。ここは人が読む工程として残ります。

うまくいかないときに見る順番

  1. ライセンスがあるか。前提条件はアドオンのMicrosoft Copilotライセンスです
  2. 会議オプションのCopilotがオフになっていないか。オフにすると、記録も文字起こしもできなくなります
  3. 文字起こしが始まっているか。会議中および会議後に使うには、誰かが文字起こしを開始している必要があります
  4. エンドツーエンドの暗号化がかかっていないか。暗号化された会議では使えないと明記されています
  5. 管理者のポリシーを確認する。上の表の4行目(オフ)だと、開催者が明示的に変えない限り使えません

3番目が最も多い詰まりどころです。Copilotのボタンが出ていても、文字起こしが始まっていなければ会議後には何も残りません。会議の頭で誰かが押す、という運用にしておくのが確実です。

対面の会議はどうなるか

Teams会議のCopilotは、Teams会議が立っていることが前提です。机を挟んだ商談や、会議室で全員が同席する打ち合わせは、そのままでは対象になりません。会議室にいる全員がTeams会議に入る、という形なら対象にはなりますが、そこから先は別の問題になります。1つの部屋で複数人がそれぞれ端末を開くとハウリングしますし、1台だけで参加すると室内の音を1本のマイクで拾うことになるので、話者の分離が崩れやすくなります

対面が中心なら、端末で録るタイプの道具のほうが素直です。対面の会議を録る道具と、ボットを入れられない会議の対処にまとめてあります。Teamsで文字起こしが出ないときの原因は別の記事にあります。

Copilotで議事録を作るときの実際

条件を満たしていれば、Copilotは会議の記録としてよくできています。会議中にリアルタイムでフォローアップのタスクを提案する機能もあり、会議で決まった宿題が抜ける問題への手当てになります。

そのうえで、他のAIと同じ注意は残ります。議事録の分量と構造は指示しないと安定しませんし、会議で出なかった結論がもっともらしく混ざることもあります。指示の書き方は議事録のプロンプトに、出力をどこまで信じるかは別の記事にまとめてあります。同じことをGeminiChatGPTでやる場合との違いは、プロンプトではなく、記録が残る条件のほうに出ます。

外部の議事録をAI側から読ませる仕組みはMCPという規格にまとまってきています。Copilotが読む素材は1段目の文字起こしです。その2段構えはAI議事録とは何かにまとめてあります。Claudeのコネクタ一覧にこの種のサービスがどれだけ載っているかは別の記事にまとめました。


内容は2026年9月1日時点の Microsoft Learn の公式ドキュメント(learn.microsoft.com)の記載です。仕様は変わることがあるので、利用前に公式でご確認ください。

よくある質問

CopilotをTeams会議で使うには何が必要ですか

アドオンのMicrosoft Copilotライセンスが必要です。公式ドキュメントの前提条件に「対象ユーザー向けのアドオン Microsoft Copilot ライセンス」と記載されています。ライセンスを持つ参加者だけがCopilotボタンを使えます。

文字起こしをしないとCopilotは使えませんか

会議中だけなら使えます。会議オプションを「会議中のみ」にすると、会議の終了後には保存されない一時的な音声テキスト変換データを使ってCopilotが動きます。ただしその場合、会議後に内容を振り返ることはできません。会議後も使うには文字起こしを開始する必要があります。

既定の設定はどうなっていますか

管理者向けポリシーの既定値は「オンで、トランスクリプトの保存が必須」です。この設定だと開催者の会議オプションは「会議中および会議後」に固定され、開催者が変更できません。管理者がポリシーを変えると、開催者が選べるようになります。

記録を残さない設定にすれば、何も保存されませんか

そうとは限りません。公式ドキュメントに「組織のMicrosoft Purview保持ポリシーによっては、会議中のCopilotのプロンプトと応答は、記録と文字起こしが無効になっている場合でも、コンプライアンスの目的で保持される場合があります」と記載されています。商用クラウドにのみ適用され、GCCやDoDの環境には適用されないとされています。

対面の会議でCopilotは使えますか

Teams会議のCopilotはTeamsの会議に対して働く機能なので、Teams会議を立てていない対面の打ち合わせには使えません。会議室でTeams会議に参加する形なら対象になりますが、その場合は室内の音をどう拾うかが別の課題になります。

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