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議事録の書き方

会議で決まった宿題が抜ける——記録とタスクを繋ぐ

議事録には書いてあるのに、誰もやっていない。原因は「議事録の中にあるだけ」で終わっていることです。決まったことをタスクに変える手順と、自動抽出が効く条件・効かない条件を書きました。

議事録には書いてあるのに、誰もやっていない。これは記録の失敗ではなく、記録とタスクが繋がっていないことの結果です。

なぜ抜けるのか

議事録を毎日見る人はいません。会議の翌日には開かなくなります。

一方で、やることの一覧(タスク管理ツール、手帳、メモアプリ)は毎日見ます。宿題が議事録の中にあるだけだと、見る場所に入っていないわけです。これが原因のほぼ全部です。書き方の問題でも、意識の問題でもありません。

移す作業を、誰かがやっている

多くの職場では、誰かが手で移しています。議事録を読んで、自分に関係する行を拾って、タスクに書き写す。この作業には2つの弱点があります。

自分の分しか移さない。他の人の宿題は誰も追いません。結果、「あの件どうなりました?」を次の会議で聞くことになります。

忙しいと飛ぶ。移す作業そのものが後回しになり、そのまま忘れられます。

自動で抜き出せる条件

議事録から宿題を機械的に拾うことはできます。ただし条件があります。拾えるのは、見出しの下に書かれているものです。「アクションアイテム」「ネクストアクション」のような見出しがあり、その下に一覧になっていれば、そのまま取り出せます。

拾えないのは、本文に埋もれたものです。「この件は佐藤さんが確認しておきます」という発言が、経緯の説明の中に紛れていると、機械には宿題だと判断できません。だから、会議の終わりに口に出す習慣があるかどうかで精度がまったく変わります。

「では確認して、来週の火曜までに戻します」

こう言われていれば、議事録の宿題の欄に入ります。言われていなければ、経緯の文章に混ざります。

担当(個人名)やること(動詞で終わる)期限(日付)
宿題として使える形。どれか欠けると実行されない。

3点セットで書く

宿題として使える形は、担当・やること・期限の3つが揃っているものです。

書き方
担当名前。「営業部」ではなく個人名
やること動詞で終わる。「見積もりの件」ではなく「見積もりを送る」
期限日付。「来週」ではなく具体的な日

決まっていない項目は、決まっていないと書いてください。「担当未定」「期限なし」と明示的に残す。書かないと、決まっていないこと自体が忘れられます。次の会議の冒頭でここを拾えば、持ち越しが可視化されます。

アクションアイテムと課題は分ける

混ざりやすいので分けておきます。この2つを同じ欄に書くと、どちらも実行されません。

何か書き方
アクションアイテムやることが決まっているもの担当・やること・期限
課題やることがまだ決まっていないもの何が問題か・いつ決めるか

「価格が折り合わない」は課題であって、アクションアイテムではありません。ここに担当と期限を無理に付けると、実行できない宿題が一覧に溜まります。

課題は、次にいつ判断するかだけ決めて別に置いてください。混ぜると、アクションアイテムの一覧が信用されなくなります。

相手先の宿題も追う

社外の会議では、相手が持ち帰ったものを自分の側でも記録しておく価値があります。先方が忘れていた場合、こちらが待っているだけだと案件が止まります。次の連絡のときに「先日お持ち帰りいただいた件はいかがでしょうか」と書けるかどうかで、進み方が変わります。

このとき、担当が自社か相手先かを取り違えていると意味がありません。ここは実際によく起きます。会話の一人称は話している人のものなので、「こちらで用意します」の「こちら」がどちらか、記録の側で判断がずれる。参加者の立場を先に決めておくと、この取り違えが減ります。

溜まってから整理はできない

宿題の一覧は、その日のうちに作らないと精度が落ちます。1週間分をまとめて処理しようとすると、どの会議で何が決まったかが混ざります。会議が終わった時点で自動的にタスクの形になっているのが理想で、次善は当日中に手で移すことです(溜めない仕組み)。

会議の側でできること

記録の工夫より効くことが1つあります。会議の最後の3分を、宿題の確認に使うことです。

「今日決まったことと、誰が何をいつまでにやるか」を口に出して確認する。それだけで、記録に残る形が揃います。アジェンダの最後にこの枠を入れておくと、忘れません(アジェンダの作り方)。議事録の書き方を変えるより、会議の終わり方を変えるほうが早いというのが実感です。

宿題を落とさない書き方は議事録の書き方とテンプレートの型に組み込んであります。担当と期限を同じ行に置くだけで、抜けはかなり減ります。

宿題を書き残す側の話は議事録とはにまとめました。判定できる形で書くことが前提になるので、そちらを先に整えると、この記事の対策が効きやすくなります。宿題が抜けるのは、書き方と受け渡しの両方に原因があるからです。


宿題が書いてあっても読まれない場合は、届き方のほうに原因があります(議事録が読まれない)。

よくある質問

会議で決まった宿題が実行されないのはなぜですか

議事録の中に書いてあるだけで、やることの一覧に入っていないからです。人は議事録を毎日は見ません。タスクの置き場所へ移して初めて実行されます。

アクションアイテムの自動抽出はどこまで信用できますか

見出しに書かれている宿題は拾えます。逆に、会話の中で口頭だけ決まって議事録の本文に埋もれたものは拾えません。会議の終わりに「では◯◯さんが来週まで」と口に出す習慣があるかどうかで、精度がまったく変わります。

担当と期限が決まっていない宿題はどうすればいいですか

「担当未定」「期限なし」として明示的に残してください。書かないと、決まっていないこと自体が忘れられます。次の会議の冒頭で拾える形にしておくのが実務的です。

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