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対面の会議を記録する

ボットを入れられない会議は、対面だけではない

Web会議でも、社内規定・相手の心証・ツールの制約でボットが使えない場面があります。断られる理由を整理し、ボットなしで記録する現実的な方法をまとめました。

「AI議事録を使いたいけれど、ボットを入れられない」——この状況を、対面の会議だけの話だと思っていました。実際には、Web会議でも普通に起きます。理由が4つに分かれるので、順に整理します。自分がどれに当たるかで、打つ手が変わります。

この記事の内容(15項目)
  1. 理由1. 社内の規定で止まっている
  2. 理由2. 相手先に断られる
  3. 理由3. 相手が身構える
  4. 理由4. そもそもボットを入れる仕組みが無い
  5. もう一つ、見落とされがちな理由:相手先のツールに対応していない
  6. 電話を、もう少し広げて見る
  7. 現場を、もう少し広げて見る
  8. ボットなしで記録する
  9. 方法A:手元のスマートフォンで録る
  10. 方法B:会議ツールの録画を、あとから文字起こしに回す
  11. それぞれの代替を、1枚の表にする
  12. ボット型が悪いわけではない
  13. 社内の説得のしかた
  14. 実際の運用例
  15. よくある質問
社内の規定で止まっている情報管理の方針相手先に断られる先方の規定相手が身構える関係の問題仕組みが無いそもそも対面
ボットを入れられない理由は4つ。対面だけではない。

理由1. 社内の規定で止まっている

いちばん多いのがこれです。外部のサービスが会議に参加すること自体を、規定で禁じている会社があります。連携型のサービスは、AI議事録取れる君のように「開始時刻になるとボットが自動で入室する」作りになっていることが多く、規定に当たるのはまさにこの部分です。止めている理由は理にかなっていて、ボットが会議に入るということは、その会議の音声と映像が外部の事業者へ流れるということだからです。参加者の同意の範囲、データの保存先、退職者のアカウント管理——情報システムの担当者から見ると、確認すべき項目が一気に増えます。

この場合、回避する方向で考えないでください。規定を作った理由のほうが正しいことが多い。個人の判断で抜け道を探すと、あとで説明できなくなります。確認の手順はAI議事録のセキュリティを、自分で確かめる5つの質問にまとめました。情シスに相談するときは、送信先の会社名リストを持っていくのがいちばん早いです。

理由2. 相手先に断られる

自社が許可していても、相手の会社が許可していないことがあります。とくに金融・医療・官公庁の案件では珍しくありません。「社内規定上、ボットの参加は難しいです」と言われたら、そこで引いてください。押し切ると記録は残りますが、関係のほうが傷みます。代わりに、こう言えば済みます。

「承知しました。こちらでメモを取らせていただきます」

理由3. 相手が身構える

規定の問題がなくても、場の空気として合わないことがあります。典型は3つです。

  • 初回の商談。知らない参加者(ボット)が一覧に並ぶと、相手は本音を話しづらくなります
  • 採用面接。候補者から見て「AIが同席している」状態は、まず緊張します
  • 1on1・評価面談。記録が残ることそのものが、話す内容を変えます(1on1の記録

これは技術の問題ではなく、会議の目的の問題です。相手に本音を話してほしい会議で、記録の仕組みを目立たせるのは目的と逆を向いています。記録は取れても、取りたかった内容が入っていません。

理由4. そもそもボットを入れる仕組みが無い

見落とされがちですが、入り口が存在しない場面があります。次の4つです。

  • Slackハドル
  • LINE通話
  • 電話
  • 対面の会議

ボット型のサービスは「会議のURLを渡すと参加する」形なので、URLが存在しない会議には入れません。ハドルや電話は、会議の招待という概念そのものがありません。LINE通話については別に書きました

もう一つ、見落とされがちな理由:相手先のツールに対応していない

ボット型のサービスは、会議のURLさえあればどんな会議にも入れるわけではありません。対応している会議システムの一覧が、サービスごとに決まっています。この一覧に無いツールで開かれた会議は、社内の許可があっても、相手が快く迎えてくれても、そもそもボットが入れません。

例えば、文字起こしサービスのNottaが提供するボット機能は、対象をZoom・Teams・Google Meet・Webexの4つに絞っています。PLAUDが提供するデスクトップ版の会議録音ソフトも、対応する会議サービスとしてZoom・Google Meet・Microsoft Teams・Slackハドル・Cisco Webex・Larkを挙げています。どちらも、この一覧に無いツールは対象外です。

つまり、業務用チャットに付属するビデオ通話、業界特化型の商談・面談ツール、相手の会社が独自に用意したシステムなど、大手数社以外のツールで開かれる会議は、ボット型サービスの対応表から漏れやすい領域です。相手先が普段使っているツールを確認しないまま契約すると、いざというときに使えないという事態になります。

よく対応しているツール対応が薄い・確認が要るツール
Zoom業界特化型の商談・面談ツール
Microsoft Teams相手企業が独自に用意した会議システム
Google Meetビジネスチャットに付属する通話機能
Cisco Webex(サービスによる)一部のみが対応。契約前に確認が要る

契約前に、自分が実際に参加する会議のツールが対応表に載っているかを確認してください。載っていなければ、この記事の「ボットなしで記録する」方法に切り替えることになります。

一度対応表を確認しても、それで終わりではありません。会議ツール自体のバージョンアップや、相手先のシステム変更によって、去年まで使えていた組み合わせが急に使えなくなることもあります。定期的に使う相手先とのオンライン会議では、年に一度くらいは対応状況を再確認しておくと、当日になって慌てずに済みます。

電話を、もう少し広げて見る

理由4で少し触れた電話も、掘り下げると選択肢が2つに分かれます。固定電話と、スマートフォンでは録り方がまったく違うからです。

固定電話には、Web会議のような画面共有もボットの入る余地もありません。従来型のICレコーダーには、外部マイク端子から通話を録る道が用意されている機種があります。マイク端子に別売りの電話録音用マイクを繋ぎ、イヤホンを耳に入れるだけで会話を録れる、という作りです。スマートフォンのアプリでは固定電話に手が出せないので、取材や電話での取引が多い仕事では、ここがICレコーダーを選ぶ決め手になることがあります。

スマートフォンでの通話は別の経路があります。iPhoneの標準の電話アプリには通話録音の機能があり、iOS 18.1以降で使えます。録音を始めると双方に音声で通知が流れる作りになっているので、黙って録ることはできません。録音されたものはメモアプリの「通話録音」フォルダに自動で保存されます。

つまり、電話という1つのくくりの中にも、固定電話・スマートフォンの標準機能・業務用チャットの通話機能という複数の経路があり、それぞれ録り方も対応するボットの有無も別々です。「電話だからボットは入れられない」で止まらず、自分がどの経路で話しているかをまず確認してください。

現場を、もう少し広げて見る

現場での打ち合わせは、対面の会議の中でもさらに条件が厳しい部類に入ります。周囲の音が大きく、相手も手を動かしながら話すことが多いからです。

工事現場・店舗巡回・実地調査といった場面では、立ち止まって長々と録音の説明をする余裕がないことがほとんどです。一言はできるだけ短くまとめ、「安全のため、いまの確認は録音しておきます。記録は報告書の作成にだけ使います」のように、目的と用途をひとことで伝える言い方が実務では使われています。

現場では、話す相手が1人とは限りません。複数の作業員や店舗スタッフが入れ替わり立ち替わり話す場面では、最初に責任者へ一言伝えておき、以後は「さっきの件と同じく、記録として録らせてもらいますね」で済ませる運用が現実的です。毎回フルセットの説明をするより、初回にきちんと伝えておくことのほうが重要になります。

置き方についても、机がある会議室とは条件が違います。ポケットやヘルメットの内側に入れて録る、歩きながら確認する内容は要点だけをその場で復唱する、といった工夫が必要です。置き方の基本はiPhoneをどこに置くかにまとめてありますが、現場ではそもそも「置く」場所自体が定まらないことが多いので、録音そのものより、確認したことをその場で口に出す習慣のほうが記録に効きます。復唱した内容は、録音が多少不明瞭でも文字起こしに残りやすくなります。

ボットなしで記録する

理由がどれであれ、打つ手は共通です。自分の端末で録るか、会議ツールの録画を後から回すか。どちらも、参加者への告知は要ります。

方法A:手元のスマートフォンで録る

いちばん単純で、どの会議にも使えます。パソコンのスピーカーから出る音を、机に置いたスマートフォンで拾う形です。守ることが2つあります。まず、スピーカーで出す。イヤホンやヘッドセットで聞いていると、相手の声が録れません。自分の声だけの録音ができあがります。ここでの失敗がいちばん多い。次に、冒頭に伝える。 Web会議では「録画中」の表示が出ないので、あとから分かったときの反応が対面より大きくなります。「議事録を作るので、こちらで録音させてください」で足ります(言い方の例)。対面と同じ話なので、置き方はiPhoneをどこに置くかがそのまま使えます。

方法B:会議ツールの録画を、あとから文字起こしに回す

録画が許可されている場合は、こちらのほうが音がきれいです。スピーカーから出した音を拾い直すより、元のデータのほうが当然良い。ZoomやTeamsのローカル録画(mp4)を、文字起こしに対応したサービスへ渡します。多くが動画ファイルをそのまま受け付けます。手順は手元の音声ファイルを文字起こしするに書きました。Teamsで文字起こしのボタンが出ない場合(ライセンス・権限)の切り分けは別記事にまとめてあります。

それぞれの代替を、1枚の表にする

ここまで広げてきた5つの理由を、代わりに何をするかという視点で1枚にまとめます。

理由代わりにできること
社内の規定で止まっている自分の端末で録る。情シスへは送信先の会社名リストを持って相談する
相手先に断られる「こちらでメモを取らせていただきます」と伝えて引く。自分側の端末で録音できるかは別に確認する
相手が身構える(初回商談・面接・1on1)録音をそもそもしない、または目立たない形にする。記録より場の空気を優先する
仕組みが無い(対面・ハドル・LINE通話・電話)手元のスマートフォンで録る、または相手の許可を得て通話録音機能を使う
相手先のツールに未対応会議ツールの録画機能をあとから文字起こしに回す。それも無ければ手元で録る

表の右側は、どの理由でもだいたい同じ2つに集約されます。自分の端末で録るか、会議の録画をあとから文字起こしに回すかです。理由を特定する作業と、代わりの手段を選ぶ作業は分けて考えると、判断が速くなります。

ボット型が悪いわけではない

念のため書いておくと、ボット型は便利です。会議に自動で入り、終われば議事録ができている。Web会議が中心で、社内の許可が下りているなら、いちばん手間がかかりません。問題は、それが使えない会議が思ったより多いことです。上の4つの理由に1つでも当たる会議が定期的にあるなら、ボット型だけでは記録が虫食いになります。だから実務では、ボット型と、自分の端末で録る手段の両方を持っておくのが現実的です。片方だけで全部を賄おうとすると、どちらかの会議が記録されないまま残ります。

Recoryは後者専用です。ボット機能はありません(できないことの一覧)。Web会議が中心の方には、ボット型のサービスのほうが合います。この記事の4つの理由に当たる会議が多い方向けの道具です。

社内の説得のしかた

ボットを入れられない理由が社内の規定にある場合、規定そのものを変えようとする前に、規定がある理由を理解するところから始めると話が早く進みます。多くの場合、情報システムの担当者が気にしているのは、ボットが会議に参加すること自体ではなく、そこから先に起きることです。

  • 音声と映像が、外部のどの事業者へ送られるか
  • 送られたデータが、どこの国のサーバーに、どれくらいの期間残るか
  • そのデータをAIの学習に使われる可能性があるか
  • 退職した社員のアカウントに紐づいた記録が、退職後にどう扱われるか

この4点に先に答えを用意してから相談すると、話が具体的になります。「使わせてください」と頼むのではなく、「このサービスは送信先がここで、保存期間がこうなっています」と情報を持っていくほうが、担当者が判断しやすくなります。送信先の会社名リストを見せるのがいちばん早い、というのは実務でよく言われることです。

確認する項目そのものを自分で洗い出すのが難しい場合は、AI議事録のセキュリティを、自分で確かめる5つの質問のような、確認項目を整理した記事を先に読んでから相談するという順番もあります。規定を作った側の理由のほうが、たいてい正しいことを前提に、個人の判断で抜け道を探さないことも大事です。抜け道が見つかっても、あとで説明できなくなるのは自分自身です。

一方で、社内規定が「ボット全般禁止」ではなく「未承認ツールの利用禁止」である場合は、話が変わります。この場合は、すでに社内で承認されているツールがあるかどうかを先に確認してください。承認済みのツールがあるなら、ボットを入れられない理由は規定そのものではなく、単にそのツールを知らなかっただけ、ということもあります。

実際の運用例

理由が複数の会議体にまたがって出てくる働き方では、1つの道具だけで全部を賄おうとしないのが現実的です。ここでは、対面の商談とオンライン会議が混在する働き方を例に、記録の割り振り方を1つ作ってみます。あくまで一例なので、自分の働き方に合わせて表の中身を書き換えてください。

会議の種類頻度の目安記録の方法備考
社内の定例会議(オンライン)週1〜2回ボット型、または画面共有先のパソコンで録画社内なので送信先の確認は済んでいる前提
社外との商談(対面)週2〜3回手元のスマートフォンで録音冒頭に一言伝える。断られたらメモに切り替え
社外とのオンライン商談週1〜2回会議ツールの録画機能をあとから文字起こしに回すボットが使えるかは相手の規定次第
現場での確認作業月数回スマートフォンを胸ポケットに入れて録音、または要点を復唱してメモ録音の可否より安全と作業を優先する
電話での問い合わせ対応随時標準の通話録音機能(iOS 18.1以降)開始時に双方へ通知が流れる

この表のポイントは、会議の種類ごとに手段を先に決めておくことです。その場で毎回「今回はどうしよう」と考えると、判断が遅れて録り逃します。あらかじめ割り振っておけば、会議が始まった瞬間に迷わず動けます。

もう1つの運用例として、記録の方法を決める問いかけの順番も有効です。「ボットを入れられるか」「入れられないなら、なぜか」「その理由の代替手段は何か」の3つを順に自問するだけで、たいていの会議は上の表のどれかに当てはまります。迷う会議が出てきたら、その都度この記事の該当する理由に戻って確認してください。

よくある質問

社内でボットが禁止されている場合、個人の判断でこっそり使ってもいいですか。おすすめしません。規定を作った側には、外部への送信や保存期間について確認すべき理由があります。使えないと分かった時点で、この記事の代替手段に切り替えるほうが、あとで説明に困らずに済みます。

ボット型と端末型、両方を契約する必要がありますか。会議の種類が偏っているなら、片方だけで足りることもあります。オンライン会議が9割なら、ボット型だけで十分です。逆に対面や現場での打ち合わせが多いなら、端末で録る手段のほうを軸にしたほうが取りこぼしが減ります。両方が混在する働き方では、この記事の「実際の運用例」のように会議の種類ごとに割り振る形が現実的です。

相手先にボットを断られたら、記録そのものを諦めるべきですか。諦める必要はありません。断られた理由の多くは「ボットという見慣れない参加者が入ること」への抵抗であって、記録すること自体への抵抗ではないことが多いからです。「こちらでメモを取らせていただきます」と伝えて自分の端末で録音する、あるいは会議の要点をその場で復唱して確認する、といった方法に切り替えれば、記録の目的自体は達成できます。

社外の人が同席する会議で、ボットと自分の端末のどちらで録るか迷います。まず相手先の意向を確認してください。ボットに抵抗が無ければボット型のほうが手間は少なく済みます。抵抗がある、あるいは規定で制限がある場合は、自分の端末で録るほうが角が立ちません。判断に迷ったら、抵抗の少ない方を選ぶのが実務上の安全策です。

対面の会議は、この記事のどの理由に当てはまりますか。理由4の「そもそもボットを入れる仕組みが無い」に含まれますが、対面は単独でも記事が1本立つくらい条件が独特です。会議室の広さや参加人数によって選ぶ道具が変わってくるので、対面の会議全体をどう記録するかは対面の会議をAIで記録するに整理しました。

同じ相手と毎回同じ理由でボットを断られます。運用を変える余地はありますか。あります。毎回同じやり取りを繰り返すくらいなら、最初から「弊社では対面と同じ形で記録させていただいています」と定型の説明にしてしまうほうが、双方の手間が減ります。断られる前提で最初から自分の端末で録る運用にしておけば、会議のたびに交渉し直す必要がなくなります。定型の説明文を1つ用意しておき、必要に応じて相手先の名前や会議名だけ入れ替えて使うと、毎回考える手間も省けます。


対面の道具の全体像は対面の会議を録る道具は4つの形に分かれたに、Teamsで詰まったときの切り分けはこちらにあります。

よくある質問

AI議事録のボットを会議に入れられない場面はどんなときですか

社内規定で外部ツールの会議参加が禁止されている場合、相手先の規定で断られる場合、初回商談や採用面接で相手の心証に影響する場合、そしてSlackハドルやLINE通話のようにボットを入れる仕組み自体が無い場合です。対面の会議もここに含まれます。

ボットを入れずにWeb会議を記録するにはどうすればよいですか

自分の端末で録る方法があります。パソコンのスピーカーから出る音を手元のスマートフォンで拾うか、会議ツール側の録画機能で録ったファイルをあとから文字起こしに回す形です。どちらも参加者への告知は必要です。

相手にボットを断られたらどうすればよいですか

素直に引いて、自分側の記録に切り替えてください。押し切ると、記録は残っても関係が悪くなります。「こちらでメモを取らせてください」と伝えれば、たいていは問題になりません。

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