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選び方と比較

2026年に出たAIレコーダーと、価格の標準形

今年だけで新機種が10種類近く出ました。公式で価格と無料枠を確認して並べたところ、はっきりした「型」が見えます。そこから外れる2社が、実は選択肢として面白い。

2026年に入ってから、AIレコーダーの新機種が立て続けに出ています。公式サイトで価格と無料枠を確認して並べたところ、はっきりした型が見えました。

この記事の内容(13項目)
  1. 標準形は「本体2〜3万円+無料300分+有料1,200〜1,500分」
  2. 9月以降に動いたこと
  3. 「標準形」が生まれた理由
  4. 型から外れる2社が、実は面白い
  5. 2026年に変わった3点
  6. 分数の買い切りパックを売っているメーカー
  7. 音声を外に出せないなら、選択肢は2つ
  8. 形で3つに分かれます
  9. 連続録音時間の読み方
  10. 従来型のICレコーダーは、静かに縮んでいます
  11. 新機種を買うときの注意
  12. 2年後を考えておく
  13. 選ぶときに見る順番
本体2〜3万円無料枠月300分有料プラン月1,200〜1,500分
2026年の標準形。ほとんどの新機種がこの並びに収まる。

標準形は「本体2〜3万円+無料300分+有料1,200〜1,500分」

まず、今年出た主要な機種を並べます。すべて公式サイトで確認した税込価格です。

機種発売本体無料枠有料プラン
Anker Soundcore Work2026¥26,990(64GB・通常価格)※月300分月¥2,680/年¥15,980(月1,200分)
GLIDiC AI +u Buds2026/8¥29,800月300分年¥14,800(月1,200分)
SwitchBot AIマインドクリップ2026/8/19¥19,980月300分月¥1,980/年¥15,980(月1,200分)
TALIX & DingTalk A12026/1/5(国内で予約開始)¥26,800(メーカー希望小売価格)月300分月¥2,480/年¥15,000(月1,500分)
iFLYTEK P12026/6/12¥19,800月30分(アプリの無料プラン)月¥2,000/年¥14,000(月1,800分)
iFLYTEK S62026/6/4¥69,800Proプラン5年(デバイス登録時)5年後の料金は記載なし
viaim OpenNote2025/11¥32,800月600分年¥12,000(月1,800分)
Notta Memo Pro2026/10/13¥29,70010月8日時点で記載なし月¥1,980/年¥14,220(月1,800分)

※Ankerは8GBモデル(¥24,990)もありますが、2026年10月8日時点の公式ストアでは在庫切れの表示です。Notta Memo Pro の有料プランは、Nottaのアカウント側のプレミアムの価格です。TALIXは2026年1月にメーカーの販売が始まり、6月22日からは販売代理店を通じて家電量販店と法人向けにも並んでいます(有料プランは1月の発表時の価格)。iFLYTEK P1 の有料プランは、連携アプリ「deepting」のApp Storeでの価格です。

5社が同じ形に収まっています。本体で2〜3万円取り、無料枠は月300分、有料は月1,200〜1,500分で年1.5万円前後。ここまで揃うと、機種ごとの差は形(カード型かクリップ型かイヤホン型か)と重さ、それに集音の性能に絞られてきます。

なお月300分というのは、1時間の会議で月5本です。週1本なら収まりますが、週2本になった時点で有料プランに移ることになります。この分岐は月額の記事に詳しく書きました。

9月以降に動いたこと

表を作った8月末から、5つ動きました。いずれも公式の発表やページで確かめたものです。

日付何が変わったか
9月10日Comulytic Note Pro が16GB仕様に切り替わり、希望小売価格が30,000円から27,000円へ。64GB仕様は販売終了
9月18日Notta Memo の付属プランが「Nottaハードウェアプラン」になり、月300分から月600分へ。既に持っている人にも自動で適用
9月24日Notta が上位モデルの Notta Memo Pro(税込29,700円・64GB)を発表。10月13日発売
10月8日時点Anker Soundcore Work の8GBモデルが公式ストアで在庫切れの表示
10月9日時点TicNote の公式の料金ページで、機器の所有者に付く枠が月600分になっている(この記事の8月末の表では月300クレジットとしていた)

もう1つ、表の SwitchBot の行は8月末には年払いの価格だけを載せていましたが、発売時の公式リリースの段階で月払い1,980円もありました。こちらの見落としで、上の表は直してあります。

月300分の型は崩れ始めています。Nottaが600分に増やし、TicNoteも機器の所有者に月600分を付けていることで、無料枠でも機種の差が付くようになりました。週2本の定例が入る人なら、600分あれば月額なしで回ります。

「標準形」が生まれた理由

同じ構成の機種が並ぶのは、偶然ではありません。3つの制約が同じ形に収束させています。

1つめ、原価の構造が共通していること。文字起こしはサーバーの処理なので、使った分だけ費用がかかります。本体を売り切りにすると、使われるほど提供側の負担が増える。だから月額か分数の枠を置くことになります。

2つめ、無料枠が「月300分」に揃っていること。5時間ぶんです。週1本の1時間の会議なら収まり、それを超える人は有料へ移る——試すには足りて、常用には足りない境界がここに置かれています。

3つめ、本体価格が2〜3万円に収まっていること。この価格帯は「迷うが、買える」価格です。1万円台にすると原価を回収しにくく、4万円を超えると比較検討が長くなります。

つまりこの標準形は、市場が見つけた落としどころです。そこから外れる機種には理由があり、このあとがその話になります。

型から外れる2社が、実は面白い

標準形から外れているのは2社だけで、どちらも課金する場所を変えてきています。HiDock(P1 ¥26,800/P1 mini ¥21,800)は、デバイス所有者に文字起こしと要約を生涯無料・無制限で提供しています。そのうえで、上位のAI機能を従量制(¥1,880で1,200分など)で売る形です。文字起こしそのものはコモディティだと割り切って、その先で稼ぐ設計になっています。

Comu系(Action Pro ¥39,800、Comulytic Note Pro ¥27,000)も似た構造で、文字起こしを無料にしてエージェント機能をクレジット制で売ります。

「月300分の無料枠に収まるかどうか」で悩んでいる人にとって、この2社は前提そのものを外してきます。ただし無料が続く根拠が規約に書かれているか、会社が続くかは別途確認してください。文字起こしは処理のたびに費用がかかるので、どこかで誰かが負担しています(この観点)。

2026年に変わった3点

2025年までの機種と比べて、はっきり変わったところです。

2025年まで2026年
無料枠機種ごとにばらばら月300分に収束
買い切りほぼ無い分数パックを持つ機種が増えた
形カード型・ペン型が主クリップ型・据え置き型も

真ん中が実務でいちばん効きます。月額を払い続けるのが嫌な人向けに、使う分だけ買う道が用意されました。月に1〜2本しか会議がない人は、この形のほうが安く済みます。

一方で、分数パックには有効期限があることがあります。買った分をいつまでに使うかを確認してください。期限が無いパックなら、買い置きしておける計算になります。

3つ目の形の多様化も、選び方に影響します。身につけるならクリップ型、机に置くなら据え置き型という分かれ方が生まれました。以前はカード型かペン型しかなく、机に置く用途では大きさを持て余していました。

分数の買い切りパックを売っているメーカー

「サブスクは避けたい」という人向けの情報も整理しておきます。分数を買い切りで売っているメーカーを、公式とApp Storeで確認できた範囲で並べます。HiDockのパックはHiDock P1の記事にまとめました。

メーカー買い切りパック
Anker120分¥480/600分¥1,480/3,000分¥7,980/6,000分¥13,980
SwitchBot600分¥1,380/3,000分¥6,580/6,000分¥12,980
PLAUD600分¥2,000/3,000分¥10,000/6,000分¥15,000
BOYA120分¥400/600分¥2,000/3,000分¥10,000/6,000分¥15,000(App Store・有効期限12か月)
TicNote1,000分$6.99/2,000分$12.99/4,000分$24.99(Professional・Business会員のみ・有効期限2年)

円建てのパックは、分あたりに直すと¥2.2〜¥4程度で、月額プランより高くつきます。ただし使う月と使わない月の差が大きい人には、こちらのほうが総額で安くなります。「今月は会議が多かったから買い足す」という使い方ができるからです。

音声を外に出せないなら、選択肢は2つ

ここが今年いちばん大きな変化かもしれません。iFLYTEK VOITER SR302 Pro(税込¥39,600)は、完全オフラインで文字起こしが完結します。通信もサブスクも不要で、32GBに約175時間ぶんを保存できる買い切りの機種です。

ただし2026年10月8日時点で、iFLYTEKの公式ストアの商品ページは「売り切れ」の表示です。本体は高い部類ですが、音声がどこにも送信されません。機密を扱う職場や、社内規程でクラウドの文字起こしが使えない場合には、これが数少ない現実的な選択肢になります。以前は「オフラインを求めるなら、文字起こし機能のない従来型のICレコーダーで録って手で書く」しかありませんでした。上位機のSR502J(税込¥59,900・8マイク)は、10月9日時点で公式ストアの一覧から外れています。

もう1つが、同じiFLYTEKが2026年6月4日に一般販売を始めたiFLYTEK S6(税込¥69,800)です。全指向性6基と指向性2基の8マイクで最大20m先まで拾い、オフラインのときは本体のエンジンで日本語を含む6言語の文字起こしと5言語の翻訳ができると公式に書かれています。デバイス登録で5年間のProプランも付きます。ただしS6はクラウドとの同期などの通信機能も持つ機種なので、SR302 Proのように「そもそも通信しない」作りではありません。社外に出さない運用にするなら、オフラインモードで使う決まりを先に作ってください(iFLYTEKの機種の違い)。

形で3つに分かれます

2026年の機種を形で並べると、使う場面がはっきり分かれます。価格ではなく形で選ぶほうが、失敗が少なくなります。

形例向く場面諦めるもの
カード型PLAUD Note財布や名刺入れに入れるマイクの間隔が狭い
ペン/ピン型PLAUD NotePin襟や胸に留める電池と操作のしやすさ
クリップ型SwitchBot AIマインドクリップ身につける、鞄に留める同上
据え置き型Anker Soundcore Work会議室の机に置く持ち歩きにくさ

据え置き型が増えたのが2026年の変化です。会議室の机に置く用途では、本体が大きいほうが有利になります。マイクを離して配置できるので、音の広がりを記録しやすい。

一方、身につける型は「立ち話を録れる」という別の価値を持ちます。手が塞がっていてスマートフォンを構えられない場面——現場、移動中、廊下での相談——で効きます。

両方が要るなら、机に置く使い方はスマートフォンで済ませるのが現実的です。専用機は身につける用途に絞ると、選択肢が減って決めやすくなります。

連続録音時間の読み方

カタログに並ぶ数字ですが、条件が書かれていないことがあります。

見るべき点は3つです。どれもカタログの数字の外にあります。

1. 本体だけの時間か、ケース込みか。充電ケースが付属する機種は「ケース込み32時間」のように書くことがあります。本体だけなら8時間、という表記の仕方です。会議1本ごとにケースへ戻せるなら実用になりますが、終日つけっぱなしにするなら本体側の数字を見てください。

2. 何を有効にした状態か。リアルタイムの文字起こしを動かすと、電池の減りが速くなります。カタログ値は多くの場合、録音だけの状態です。

3. 実測ではなく公表値である。この記事の数値はすべて各社の公表値です。実機を所有していないので、実測はしていません。環境によって変わる項目なので、目安として読んでください。

終日の研修や、複数の会議が連続する日に使うなら、公表値の7割を見込むのが安全です。それで足りなければ、充電の機会を確保するか、乾電池で動く従来型を検討することになります。

従来型のICレコーダーは、静かに縮んでいます

一方で、AI機能を持たない従来型は減っています。従来型も含めた全体の選び方はボイスレコーダーはどれを買うかにまとめました。ソニーストアで注文できるICレコーダーは、2026年10月8日時点でありません。最後まで残っていたICD-UX570F(4GB)も購入ページが「入荷終了」の表示です。ICD-TX660・ICD-PX470F・PCM-A10は製品ページに販売終了と表示されています。家電量販店や通販には流通在庫が残っていることがあります。

OM SYSTEMのVoice-Trekは現行のまま残っていますが(WS-883/WS-882。価格は販売店で変動します)、2023年4月の発売から3年以上、後継機が出ていません。乾電池で50時間以上録れる信頼性は健在なので、「AI機能は要らない、確実に録れればいい」という用途では今も有力です。

移行を考えている方向けの整理はソニーがICレコーダーをやめる。次に何を使うかにまとめました。

新機種を買うときの注意

出たばかりの機種には、共通のリスクがあります。3つです。

1つめ、実際の使用報告が少ない。発売直後は、公式の仕様以外に判断材料がありません。話者分離の実力や、固有名詞の精度は、実際に使った人の報告が出てくるまで分かりません。

2つめ、予約注文の場合は手元に来る時期がずれる。「発売」の告知と「出荷」の時期が違うことがあります。すぐに使いたい場合は、出荷予定の表示を確認してください。

3つめ、アプリの完成度が本体に追いついていないことがある。ハードウェアは完成していても、文字起こしや要約を担うアプリ側が発展途上の場合があります。これは仕様表からは読めません。

急いでいないなら、発売から3か月ほど待つのが無難です。その間に使用報告が出てきて、アプリの更新も進みます。

逆に、待つ理由がない場合もあります。この分野は入れ替わりが速いので、待っている間に次の機種が出て、また待つことになります。必要なタイミングで買って、合わなければ手放す——という割り切りも合理的です。

2年後を考えておく

本体を買う型の製品で、いちばん見落とされる点です。サービスが続くかどうか。

端末は手元にあっても、文字起こしを担うサーバーが止まれば、その機能は失われます。録音機としては使えても、文字起こしはできなくなるという状態です。

確認できることは3つあります。

  • 買い切りのパックがあるか。月額が前提だと、サービス終了で価値が落ちます
  • 音声とテキストを書き出せるか。持ち出せれば、別の道具に移れます
  • 端末内で処理する機能があるか。通信しない機能は、サービスが止まっても動きます

3つ目を持つ機種は、この分野では少数です。完全オフラインをうたう製品なら、サービス終了の影響を受けません。その代わり、クラウド側の機能(要約の作り直しなど)は使えません。

サービスが終わったときに何が残るかは道具が終わるときにまとめました。

選ぶときに見る順番

これだけ機種が増えると、比較表を横に読んでも決まりません。順番を決めるほうが早いです。

1. 音声を外に出せるか。 出せないなら、上のオフライン機かパソコン内での処理に絞られます。ここで候補がほぼ決まります。

2. 月に何時間録るか。 5時間以内なら無料枠で回ります。20時間を超えるなら、無料無制限のHiDockか、月額の上位プランです。

3. 形。 机に置くのか、身につけるのか、イヤホン型がいいのか。ここは好みで構いません。

4. 会社が続きそうか。 本体を買う以上、これは見ておく価値があります(理由)。

そして、本体を買わない選択も検討に入れてください。手持ちのスマートフォンで足りる用途は思ったより広く、専用機が本当に効くのは終日の録音と、置きっぱなしにできる気楽さの2つです。判断の材料はiPhoneで足りるか確かめるに、標準の録音機能の場所はそれぞれの端末ごとに別の記事へ置きました。


機種ごとの詳しい比較はAIレコーダーはどれを買うか、月額の考え方はこちらにあります。価格は2026年8月30日時点で各社の公式サイトを確認したものです。この分野は改定が速いので、購入前に最新をご確認ください。

よくある質問

2026年のAIレコーダーの相場はいくらですか

本体2〜3万円に、無料枠が月300分、有料プランが月1,200〜1,500分というのが標準的な形です。Anker、GLIDiC、SwitchBot、TALIXがほぼ同じ構成で並んでいます。Notta Memoは2026年9月18日に付属の枠を月600分へ増やし、この形から一歩外れました。

月額を払わずに使える機種はありますか

あります。HiDock P1は文字起こしと要約がデバイス所有者に生涯無料・無制限、iFLYTEK VOITER SR302 Proは完全オフラインの買い切りです。またAnker、SwitchBot、PLAUD、BOYA、HiDockは分数の買い切りパックを売っています。TicNoteのパックはProfessional以上の会員向けなので、月額なしでは買えません。

オフラインで文字起こしできる機種はありますか

iFLYTEK VOITER SR302 Proがあります。税込39,600円の買い切りで、通信もサブスクも不要、端末の中だけで文字起こしが完結します(2026年10月時点で公式ストアは売り切れの表示)。同じiFLYTEKのS6(税込69,800円)も、オフラインモードでは本体で日本語を含む6言語の文字起こしができます。

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