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議事録の書き方

パソコンで議事録を作る——Windows と Mac、標準機能でどこまで行くか

音声ファイルを読ませられる標準機能は、WindowsとMacで1つずつあります。マイクに向かって話す機能とは別物です。無料で届く範囲と、月300分の壁までを公式の記載で整理しました。

パソコンで議事録を作ろうとすると、最初につまずくのは「マイクに話す機能」と「音声ファイルを読ませる機能」が別物だという点です。

この記事の内容(13項目)
  1. 音声ファイルを読ませられる標準機能
  2. Windowsで録る——サウンドレコーダー
  3. Macで録る——ボイスメモとQuickTime Player
  4. パソコンの中で鳴っている音を録れるか
  5. Web会議を録るなら、会議ツール側を使う
  6. Windows——Word のトランスクリプト
  7. Clipchampで字幕ファイル(SRT)を作る
  8. Mac——ショートカットと、ボイスメモ
  9. 完全に無料でやるなら、Whisper
  10. 使えないもの
  11. うまくいかないとき
  12. 結局どうするか
  13. 公式に確認できなかったこと

WindowsもMacも、標準の音声入力は前者です。会議の録音を渡しても、何も起きません。

マイクに話す音声入力ファイルは読めないファイルを読ませるWordの文字起こし月300分社外に出せないWhisperを手元で話者分離は別
パソコンで音声ファイルを読ませられる道は限られる。

音声ファイルを読ませられる標準機能

WindowsとMacに1つずつあります。

機能条件
WindowsWord のトランスクリプトMicrosoft 365 のサブスクリプション
Macショートカットの「オーディオを文字起こし」iOS 17・macOS 14 以降

どちらも標準の音声入力とは別の場所にあるので、見つけにくい。

Windowsで録る——サウンドレコーダー

Windows 11に最初から入っている録音アプリは「サウンド レコーダー」です。スタートボタンを押して「サウンド レコーダー」を検索するか、アプリの一覧から選ぶと開きます。Windows 11向けに作り直されたときに、旧「ボイス レコーダー」を置き換えたアプリです。

録音の長さには上限があります。公式FAQは「録音ファイルごとに最大3時間オーディオを録音するために使用できるアプリです」と書いています。半日の研修や終日のワークショップは、1本に収まりません。

Ctrl+R開始Space一時停止Esc停止・保存右クリック共有
キーは3つ。取り出しは右クリックから。

操作はキーボードで完結します。他のアプリと並べて使い、作業しながら録音できるとも公式に書かれています。

操作やり方何が起きるか
開始「記録の開始」または Ctrl+R新しい録音が始まる
一時停止Space同じ録音の続きとして再開できる
停止・保存Esc一覧に追加され、次は別の録音になる

一時停止と停止の違いは、あとで効いてきます。休憩のたびに停止すると、1本の会議が細切れのファイルに分かれます。中断して戻る予定があるなら、停止ではなく一時停止です。

録音を取り出す、名前を変える

録音の実体はアプリの中にあります。公式FAQは「録音はサウンド レコーダー アプリ内に格納されます。アプリをアンインストールした場合、録音は削除されます」と明記しています。PCを入れ替える前に取り出しておかないと、消えます。

取り出しは共有からです。一覧の録音を右クリック(タッチなら長押し)して「共有」を選ぶと、メールなど共有できるアプリの一覧が出ます。メールアプリ側で添付ファイルを選ぶときに「サウンド レコーダー」を選ぶ経路も、公式に案内されています。

名前の変更と削除も、同じ右クリックのメニューにあります。ファイルとして手元に置きたいなら、録った直後に共有で書き出すのが確実です。

マイクの許可と、音量

録音できないときに見る場所は決まっています。マイクの許可は「スタート > 設定 > プライバシーとセキュリティ > マイク」で、「アプリがマイクにアクセスできるようにする」の下からサウンド レコーダーを探してオンにします。

音量は「スタート > 設定 > システム > サウンド > 入力」でデバイスを開き、入力ボリュームのスライダーで調整します。どちらもアプリの中ではなく、Windowsの設定側で決まります。

形式と、公式に書かれていないこと

録音デバイスとファイル形式は、アプリの中から変更できます。Windows 11向けに作り直したときに追加された機能だと、Windows Insiderのブログに書かれています。ただし選べる形式の一覧と、切り替えの画面上の経路は公式に記載を確認できませんでした。

Windows の N エディションで Media Feature Pack を入れていない場合は、録音がWAV形式に限られます。音声入力(voice typing)も動きません。Media Feature Pack を入れれば、この制限は掛かりません

録音中に目印を付ける「マーク」については、Windows Insiderのリリースノートに「WAV録音ではマーカーが無効になった。その形式はマーカーを保存できないため」という記述があります。Insider向けの更新に書かれた内容なので、手元のバージョンで同じとは限りません。次の3つは、Microsoftの公式ヘルプに記載を確認できませんでした。

  • 録音ファイルがディスク上のどのフォルダにあるか(「アプリ内に格納」としか書かれていません)
  • 録音のトリミング(不要部分の切り取り)の手順
  • 3時間を超えて録り続けようとしたときの実際の挙動

Macで録る——ボイスメモとQuickTime Player

Macの標準の録音手段は2つです。目的が違うので、先に分けておきます。

向く場面音質の選択
ボイスメモ会議や打ち合わせを気軽に録る非可逆圧縮/ロスレス圧縮
QuickTime Player保存先と名前を自分で決めたい高(AAC)/最高(非圧縮AIFF-C)

ボイスメモ

macOS 15以降のAppleシリコンのMacなら、録音した音声の文字起こしもボイスメモの中でできます。条件と手順はMacのボイスメモで文字起こしするに分けました。

「ボイスメモで、あなたのMacが録音デバイスになります」と公式ユーザガイドは書いています。内蔵マイク・対応ヘッドセット・外部マイクで録音できます。ステレオで録るには、ステレオマイクなどのステレオ入力ソースをMacに接続する必要があると条件が書かれています。

録音ボタンで始めて、「完了」をクリックすると保存されます。名前は、設定で「位置情報を録音名に使用」を選んでいれば場所の名前、それ以外は「新規録音」です。一覧で名前をクリックすれば書き換えられます。

設定で変えられるのは3項目だけです。削除した録音を残す期間、オーディオの品質、位置情報を録音名に使うかどうか。品質は「非可逆圧縮」(品質が低く、ファイルサイズが小さい)と「ロスレス圧縮」(品質が高く、ファイルサイズが大きい)の2択だと公式が説明しています。

トリミングは編集ウインドウで行います。録音を選んで編集ウインドウを開き、黄色のトリムハンドルをドラッグして範囲を決め、「トリミング」でハンドルの外側を、「削除」で内側を消して「適用」で確定します。

保存のところに落とし穴が1つあります。「録音を保存」を選ぶと元の録音が上書きされる、と公式が明記しています。元も残したいときは「新規録音として保存」です。

ファイルとして取り出すには、録音をFinderウインドウにドラッグします。メール・メモ・メッセージへ直接ドラッグすることもできます。なお、ほかで録った音声ファイルをボイスメモに読み込めるかどうかは、公式ユーザガイドに記載を確認できませんでした。

QuickTime Player

「ファイル」>「新規オーディオ収録」を選ぶと、音声だけの収録が始まります。収録オプションで選べるのはマイクと品質の2つで、マイクは複数使用可能な場合に選べます。

品質は2択です。「高」が44100 Hz AACオーディオ、「最高」が44100 Hz未圧縮リニアPCM 24ビットAIFF-Cオーディオ。最高品質の収録は非圧縮ファイルを生成するため、大量の記憶領域を使用する可能性があると注意書きがあります。

一時停止はOptionキーを押しながら録音ボタンをクリックします。保存は「ファイル」>「保存」で、名前を付けて保存先も選べます。保存先を自分で決められる点が、ボイスメモとの実質的な違いです。

長い会議を録るなら、非圧縮の「最高」は避けたほうが無難です。公式が容量について警告しているのはこの設定だけで、「高」のAACなら通常の使い方で困りません。

パソコンの中で鳴っている音を録れるか

オンラインセミナーの音、動画の音、Web会議の相手の声。マイクを通さずに、パソコンの中を流れている音をそのまま録りたい——ここでつまずく人がいちばん多い場所です。

Windows・機器に載っている自分で有効化できる既定にすれば録れるWindows・載っていない一覧に出てこない公式の手順なしMac・標準機能だけ公式に記載なしマイクのみ
パソコンの中の音は、条件がそろえば録れる。

Windows——「ステレオミキサー」は正式名称ではない

先に名前の話をします。Microsoftは、ハードウェアのループバックデバイスの名前はベンダーごとに違うとしていて、例として Stereo Mix / Waveout Mix / Mixed Output / What You Hear を挙げています。「ステレオミキサー」はWindowsが決めた正式名称ではありません

名前が統一されていないため、録音デバイスの一覧からループバックデバイスを見つけるのが難しい場合がある、とMicrosoft自身が認めています。さらに「すべてのオーディオアダプタにループバックデバイスがあるわけではない」とも明記されています。あるかどうかは、機種とドライバー次第です。

載っている場合の有効化手順は、公式ドキュメントに書かれています。利用者が自分でそのデバイスを見つけて有効にする必要があり、既定で使える状態にはなっていません。

  1. コマンドプロンプトで control mmsys.cpl を実行する
  2. 「録音」タブのデバイス一覧を右クリックし、「無効なデバイスの表示」を確認する
  3. 出てきたループバックデバイスを右クリックして「有効」にする
  4. 「既定のデバイスとして設定」を選ぶ

既定の録音デバイスにしてしまえば、あとは普通の録音アプリからそのまま録れます。ただし著作権保護(DRM)が掛かったデジタル音声は録れません。信頼された音声ドライバーが、保護されたコンテンツを含むストリームをループバックデバイスに取り込ませないと明記されています。

なお、WASAPIのループバックは開発者向けAPIです。「ループバックモードでは、WASAPIのクライアントは、レンダリングエンドポイントデバイスが再生しているオーディオストリームをキャプチャできる」と書かれていますが、これはアプリを作る側の仕組みで、利用者が押すボタンではありません。

Windows標準アプリで内部の音が録れるのは、1か所だけ

公式に「録れる」と書いてあるのは、Clipchampの画面録画のうちブラウザーのタブを録画する場合です。「オーディオ録音は、ブラウザー タブを記録する画面でのみ機能します」とあり、録画対象を選ぶポップアップで「オーディオ共有」トグルをオンにする必要があります。

既定では、オーディオはコンピューターのマイクを介して録音されます。つまり何もしなければ、ブラウザーの音ではなくマイクが拾った音が入ります。タブ以外——アプリのウインドウや画面全体を録るときは、この方法でも内部の音は録れません

音声入力(Windowsキー + H)に期待するのもやめたほうがいいです。公式は「スピーカーからの音声が自動的に抑制されるため」と書いていて、Web会議の相手の声をこれで文字にすることはできません。エコーキャンセルが仕様として働きます。PCを通過するすべての音を字幕にできるライブキャプションもありますが、こちらは字幕が保存されません(後述)。

Mac——標準機能だけでは、公式に記載がない

Macははっきりしています。Mac内部で鳴っている音を標準機能だけで録音する手順は、公式に記載を確認できませんでした

「スクリーンショット」(Shift+Command+5)のオプションで選べるのは、保存先・タイマー・マイク・フローティングサムネールの表示・最後の選択部分を記憶・マウスポインタの表示・取り込みフォーマット(HDR/SDR)です。このうち音声に関わるのはマイクだけで、Mac内部の音を収録する項目はありません。

QuickTime Playerの「新規画面収録」は「スクリーンショット」を開くだけなので、収録できる音声の範囲も同じです。ハウリングが起きる場合は音量を下げるかマイク付きのヘッドフォンを使うよう案内されており、これは空気を通して拾っている前提の書き方です。

Macのライブキャプションは、コンピュータのオーディオも会話の音声も字幕にできます。ただしAppleシリコン搭載Macでのみ使用でき、音声は端末上で処理されます。字幕を保存する機能については、公式に記載を確認できませんでした。

Microsoft自身が「音を空気で回す」方法を書いている

意外に思われるかもしれませんが、Microsoftはこの方法を公式に案内しています。Wordのトランスクリプトで仮想通話を録音する場合は「ヘッドセットを使用しないでください」と書かれています。

スピーカーから出る音を、パソコンのマイクに拾わせる。ループバックの設定に踏み込まずに済む代わりに、周りの音も一緒に入ります。内部の音を直接録る道が塞がっているとき、公式が示している回避策はこれだけです。

Web会議を録るなら、会議ツール側を使う

Web会議に限れば、パソコンの録音アプリを工夫するより、会議ツールの録画機能のほうが確実です。相手の声が経路から直接入り、保存先が決まっていて、参加者に通知が出ます。

Teams職場・学校用のOneDriveGoogle Meet主催者のドライブZoom(ローカル)書類フォルダのZoom
録画の置き場は、ツールごとに決まっている。
開始の場所保存先通知
Teamsその他のアクション > レコーディングと文字起こし職場・学校用のOneDrive/SharePoint全員に自動で通知
Google Meet右下の会議ツール > 録画主催者のドライブの「Google Meet」開始・停止を通知
Zoom(ローカル)画面下の「レコーディング」書類フォルダの「Zoom」公式に記載を確認できず

Teams

会議コントロールの「その他のアクション」>「レコーディングと文字起こし」>「レコーディングを開始」>「確認」で始まります。録画できるのは同時に1人だけで、開始するとすべての参加者に自動で通知されます。

議事録の材料としては、映像が要らないことのほうが多い。「録音するものを選択」のドロップダウンから「オーディオのみ」を選べます。

録画に入らないものが公式に列挙されています。ホワイトボードと注釈、共有メモ、アプリが共有するコンテンツ、PowerPoint Liveに埋め込まれた動画、そして一度に4人以上のビデオストリーム。開始できるのは、対象ライセンスを持ち、IT管理者が録画を有効にしていて、ゲストや他組織のユーザーではない人です。

ライブ文字起こしは日本語(日本)に対応し、会議後に既定で主催者と共同開催者が .docx または .vtt でダウンロードできます。ライブ文字起こし自体はデスクトップ版Teams専用で、モバイルアプリでは会議後の閲覧しかできません。電話で参加した人は表示できません。

Google Meet

右下の会議ツールアイコンから「録画」を開き、「録画を開始」→ポップアップの「開始」です。録画は合計8時間までで、それを超えると自動的に停止します。

使えるのは有料プランだけです。Google Workspace の Business Standard/Business Plus/Enterprise 各種などに加えて、個人向けの Google One(2TB以上)でも使えます。無料のGoogleアカウントは対象外で、パソコンかAndroidデバイスからしか録画できません。

保存先は主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダで、会議ごとにサブフォルダが作られます。ドライブの空き容量が足りないと録画できません。個人の割り当てに空きがあっても、組織の割り当てが上限なら録画できないと明記されています。

録画に入るのは発言中の参加者と共有された内容だけで、その他のウィンドウや通知は保存されません。文字起こしは一時停止できませんが、停止して別の新しい文字起こしを始めることはでき、開始のたびに別ファイルが作られます。

Zoom

ローカル録音(コンピュータレコーディング)は無料アカウントでも使えます。必要なのはBasic以上のアカウントと、Windows・macOS・LinuxのZoomデスクトップアプリで、モバイルとWebクライアントでは使えません。ホストが録画するか、参加者に録画の権限を与える必要があります。

書き出されるのは映像付きの video[番号].mp4、音声だけの audio[番号].m4a、それにチャットのテキストです。議事録の材料としては m4a をそのまま渡せます。設定で「参加者ごとに個別の音声ファイルを記録」を有効にすると、参加者1人につき1ファイルの音声トラックが作られます。

保存先は既定でドキュメントフォルダの中の「Zoom」です。Windowsは C:\Users\[ユーザー名]\Documents\Zoom、macOSは /Users/[ユーザー名]/Documents/Zoom。Zoomはクラウド同期フォルダや外付けドライブ、ネットワークストレージに変えると保存と変換に問題が起きる場合があるとして、ローカルドライブのままにすることを強く推奨しています。

先に知っておくべきことが2つあります。ローカル録音では音声の文字起こしがサポートされないと公式が明記しており、文字起こしが要るならクラウド録画を使うよう案内されています。もう1つは、会議が予期せず終了したり変換処理が中断されると録音ファイルが壊れて復元できなくなる場合があるという警告で、PCの再起動・シャットダウン・ディスクのスリープ・ノートPCを閉じる操作が原因に挙がっています。

録れるかどうかと、録っていいかどうかは別の話です。社内規程や相手先の規則は機能とは無関係に効きますし、個別の判断は弁護士にご確認ください。

Windows——Word のトランスクリプト

Microsoft 365 の Word にある機能です。音声ファイルをアップロードすると、文字起こしが返ってきます。

項目内容
必要なものMicrosoft 365 のサブスクリプション
上限月300分(Microsoft Copilot ライセンスなら月30,000分)
日本語対応(80以上のロケール)
話者の区別あり(Speaker 1 / Speaker 2 …)
ファイル形式.wav / .mp4 / .m4a / .mp3
ブラウザ新しい Edge と Chrome のみ

月300分=5時間が壁です。1時間の会議なら5本で使い切ります。週に2本以上あると足りません。

それでも、日本語で話者を分けられる標準機能は貴重です。公式には「トランスクリプト機能は、各話者を個別に区切って音声テキストトランスクリプトに変換します」と書かれています。

Windowsの音声入力(Windowsキー + H)は使えない

日本語に対応していますが、マイクからのリアルタイム入力専用です。音声ファイルを読ませる方法は公式に案内されていません。インターネット接続も必須です。

ライブキャプションは、保存できない

Windows のライブキャプションは、PCで再生中の音声も字幕にできて、完全に端末内で処理されます。日本語にも対応しています。ただし公式にこう書かれています。

Generated captions are not stored anywhere on the device or the cloud. (生成された字幕は、端末にもクラウドにも保存されません)

画面に流れて消えるだけなので、議事録の材料にはなりません。

Clipchampで字幕ファイル(SRT)を作る

Wordの月300分では足りない、あるいはMicrosoft 365を持っていない。そのときWindows標準にもう1つ残っているのが、Clipchampの自動キャプションです。動画編集アプリですが、音声だけのファイルにも使えます。

  1. 「マイメディア」から音声ファイルを読み込む
  2. タイムラインへドラッグする
  3. プロパティパネルの「キャプション」タブで自動キャプションをオンにする
  4. 文字起こし言語を選び、「メディアのトランスクリプトを作成する」をクリックする
  5. 「キャプションのダウンロード」ボタンで .SRT ファイルを保存する

生成された文字起こしは編集できます。処理にはAzure Cognitive Servicesが使われ、文字起こしは1本につき1言語です。時刻付きのテキストが手に入るので、議事録の下書きとしては使えます。

ただし議事録の形にはなりません。.SRT は字幕のためのファイルで、話者のラベルも要約も付きません。決定事項と宿題は自分で拾うことになります。

無料で使えるかどうか(有料プランの要否)と、個人用Clipchampの対応言語一覧は、公式ページに記載を確認できませんでした。日本語(日本)の対応を確認できたのは Microsoft 365 のプレーヤーページ側のトランスクリプトで、こちらは自動トランスクリプトのサイズ制限が1GB・4時間と書かれています。

手順——音声ファイルをWordに読ませる

経路は1本です。ホームタブの奥にあるので、知らないと見つかりません。

  1. Wordで文書を開き、「ホーム」>「ディクテーション」>「トランスクリプト」を開く
  2. トランスクリプト ウィンドウで「オーディオのアップロード」を選ぶ
  3. 音声ファイル(.wav / .mp4 / .m4a / .mp3)を指定する
  4. 処理が終わるまでトランスクリプト ウィンドウを開いたままにする

4つ目が肝心です。公式は「文字起こしが行われている間は必ず『トランスクリプト』ウィンドウを開いたままにしておいてください」と書いています。処理時間は、インターネットの速度によっては音声ファイルの長さくらいまでかかる場合がある、という書き方です。

アップロードした音声は、OneDriveの「トランスクリプトされたファイル」フォルダーに保存されます。手元のPCだけでは完結しません。保存先が分からなくなったときは、まずここを見てください。

話者は Speaker 1 / Speaker 2 のラベルで分けられ、ラベルは編集できます。「すべての話者の変更」を使えば、同じラベルを一括で置き換えられます。1つの文書に保存できるトランスクリプトは1つだけで、新しいトランスクリプトを作ると今のものは削除されます。

Wordで直接録音する場合は、マイク入力を先に確かめてください。公式が「デバイスに正しいマイク入力を設定するように注意してください。設定しないと、結果が残念な場合があります」と注意しています。前回ヘッドセットを使った設定のままだと、対面会議の声を拾えません。

なお、1ファイルあたりの容量上限(MB)は公式に記載を確認できませんでした。

Mac——ショートカットと、ボイスメモ

ショートカットアプリの「オーディオを文字起こし」というアクションがあります。公式の説明は「音声ファイルからテキストを生成する」で、iOS 17・macOS 14 で追加されました。macOS 26 系では性能が改善されたと記載されています。

Macのボイスメモにも文字起こしがあります。条件は macOS 15 以降 + Apple シリコン搭載機で、日本語に対応。メモアプリの録音も同様で、こちらは M1 以降が条件です。

Apple Intelligence を有効にしていれば、録音の要約もできます。日本語は対応言語に入っています。話者の区別については、公式に記載がありません。iPhoneのボイスメモと同じで、期待しないほうが安全です(理由)。

手順——Macで音声を文字にする

Macのボイスメモは、条件を満たしていれば勝手に文字起こしが始まります。「録音に人が話している言葉が含まれていれば、その録音が自動的に文字起こしされます」と公式が書いており、macOS 14以前のボイスメモで作った録音や、文字起こしに対応していないデバイスで作った録音も、開けば文字起こしされます。取り出しは、選んでコピーです。

  1. 録音を選び、文字起こしを表示する
  2. コピーしたいテキストを選択する
  3. Controlキーを押しながらクリックして「コピー」を選ぶ
  4. メールのメッセージやテキストファイルなど、別の書類に貼り付ける

録音中にライブで文字起こしを表示することもできます。表示を切り替えると、画面上部の波形が一時的に消えて、再生中の単語がハイライトされた文字起こしに変わります。タイトルと文字起こしのテキストは検索の対象になります。

条件は2つです。macOS 15以降がインストールされたAppleシリコン搭載Macであること、そして国や地域によっては利用できないという注記が付いていること。手持ちがIntel Macなら、ボイスメモの文字起こしは使えません。

メモアプリの録音は条件が別です。M1以降のMacで、デバイスの言語が日本語を含む対応言語に設定されている場合に使えます。録るときはツールバーの「添付ファイル」ボタンをクリックしてから「オーディオを録音」を選び、音声をファイルとして取り出すときはControlキーを押しながらクリックして「添付ファイルを保存」で保存場所を決めます。

ボイスメモが話者を区別するかどうかは、公式に記載を確認できませんでした。ショートカットの「音声を文字起こし」(iOS 17・macOS 14では「オーディオを発音表記」)についても、具体的な使い方・対応する音声形式・長さの上限・対応言語は公式に確認できていません。

完全に無料でやるなら、Whisper

OpenAI が公開している音声認識モデルで、MIT ライセンスです。コードもモデルの重みも自由に使えます。自分のPCで動かすので、音声が外に出ません。話者分離は含まれていません。READMEにその語すら出てきません。「誰が言ったか」が要る用途では、これ単体では足りません。

日本語の精度について、OpenAI の論文には言語別の実測値があります。日本語は単語の区切りが無いため、文字誤り率(CER)として測られていると論文に明記されています。large-v2 時点の値で、Common Voice 9 が9.1、FLEURS が5.3。導入には多少の手間がかかりますが、社外に音声を出せない環境では有力な選択肢です(オフラインの選択肢)。

使えないもの

期待されがちですが、会議の録音には使えないものを挙げておきます。

なぜ使えないか
Google ドキュメントの音声入力マイクからのリアルタイム入力のみ。ファイルを読ませる記載なし
Windows の音声入力(Win+H)同上
macOS の音声入力同上。30秒発話がないと自動で止まる
Microsoft Copilot公式の対応形式一覧に音声形式が無い
ChatGPT のファイルアップロード対応形式一覧に音声が無い(録音モードは Plus以上・macOSアプリ限定)

「AIに音声を投げれば文字にしてくれる」と思いがちですが、汎用のチャットAIは音声ファイルを受け付けないもののほうが多いのが実情です。

うまくいかないとき

症状で原因が絞れます。順番を間違えると遠回りになるので、上から見てください。

マイクの許可既定のデバイス入力の音量マイクテスト
音が入らないとき、上から順に見る。
症状疑うところ
録音が始まらない・エラーが出るアプリへのマイクの許可
波形が動かない・無音のファイルになる既定の録音デバイスの選択
録れているが小さい・遠い入力ボリュームとマイクの位置
ファイルが見つからない保存先の仕様(アプリの中か、フォルダか)

Windowsで、マイクが選ばれていない

「スタート > 設定 > システム > サウンド」を開き、「入力」の「読み上げまたは録音するデバイスの選択」で使うデバイスを選びます。使いたいマイクやヘッドセットが、システムの既定の録音デバイスになっているかを確認してください。

拾えているかは、その場で試せます。デバイス右の「>」を押してプロパティを開き、「マイク テスト」で「テストの開始」→マイクに向かって話す→「テストの停止」→「再生」。声が返ってこなければ、アプリではなくマイク側の問題です。

許可の側も見ます。「設定 > プライバシーとセキュリティ > マイク」でマイクアクセスがオンか確認してください。ここに1つ罠があり、デスクトップアプリはこの一覧に表示されません。許可するには「デスクトップ アプリがマイクにアクセスできるようにする」をオンにする必要があり、個々のアプリ単位ではオフにできません。

Windowsで、音が小さい

「設定 > システム > サウンド > 入力」でマイクを選び、入力設定の「入力ボリューム」スライダーを調整します。それでも変わらないときは、「設定 > システム > サウンド」の詳細設定から入力デバイスのトラブルシューティングツールを実行できます。

再生側の音が小さいときは、公式が試す順番を示しています。ボリュームミキサーの確認、オーディオ拡張機能のオフ、既定の形式の変更、ドライバーの更新の順です。オーディオの強化は、出力ボリュームを減少させたり歪ませたりすることがあると書かれているので、ここを疑う価値があります。

Macで、録音できない

Appleの公式手順は、録音アプリを終了することから始まります。そのうえで「システム設定 > プライバシーとセキュリティ > マイク」を開き、該当アプリの設定をオンにします。内蔵マイク、外付けUSBマイク、外付けオーディオインターフェイスの入力を使う各アプリに対して設定します。

症状の見分け方も公式に書かれています。オーディオ入力にアクセスできないというメッセージが出る、音が聞こえない、波形が表示されない、録音中にオーディオメーターが動かない。このいずれかならマイクの権限を疑ってください。

Macで、マイクを切り替える・音量を変える

アップルメニュー>「システム設定」>「サウンド」>「入力」で、使えるサウンド入力デバイスの一覧から選びます。同じ画面の音量スライダで入力音量も調整します。

使い分けまで公式に書かれています。静かに話す人の声を収録する場合は入力音量を上げ、大きい音を録る場合は下げる。議事録なら、いちばん声の小さい人に合わせて上げるほうが失敗が少ない。

どのアプリがマイクを使っているか分からないときは、コントロールセンターを見てください。マイクが使用されている場合や最近使用された場合は、収録インジケータが表示されます。

保存先が分からない

これはOSと機能ごとに事情が違います。探す場所を先に決めてから動いてください。

どこにあるか
Windowsのサウンドレコーダーアプリの中。フォルダのパスは公式に記載なし
WordのトランスクリプトOneDriveの「トランスクリプトされたファイル」
Macのボイスメモアプリの中。Finderへドラッグして取り出す
macOSの画面収録既定でデスクトップ(ツールバーの「オプション」で変更可)
Zoomのローカル録音書類フォルダの「Zoom」

「フォルダを探しても見つからない」のは、多くの場合それが正常です。サウンドレコーダーもボイスメモも、録音をアプリの中に持っています。共有やドラッグの操作を経由しないと、ファイルとして手元に出てきません。iPhoneのボイスメモをパソコンへ出す手順はボイスメモをパソコンに保存するに分けて書きました。

結局どうするか

月5時間までなら、Microsoft 365 を持っている人は Word のトランスクリプトで足ります。日本語で話者も分かれます。

それを超えるなら、専用のサービスを使うほうが早い。パソコンで完結させることにこだわらなければ、選択肢はずっと広くなります(選び方)。社外に出せないなら、Whisper をローカルで動かす道が残ります。ただし話者分離は別に用意する必要があります。なお、うちのRecoryはiPhone専用です。パソコンで使いたい方の選択肢には入りません。


音声ファイルの形式別の扱いは手元の音声ファイルを文字起こしするにまとめました。条件は2026年8月31日時点の各社公式の記載です。

公式に確認できなかったこと

この記事は、Microsoft・Apple・Google・Zoom の公式ヘルプに書かれていることだけで組み立てています。書かれていなかったものも、まとめて置いておきます。手元のバージョンで挙動が違ったとき、切り分けの助けになります。

確認できなかったこと
サウンドレコーダー保存先のパス、トリミング手順、選べる形式の一覧
ステレオミキサー一般利用者向けヘルプの説明ページ(開発者向け文書のみ)
Macの内部音声標準機能だけで再生中の音を録る手順
Wordのトランスクリプト1ファイルあたりの容量上限(MB)
ボイスメモ1件あたりの録音時間の上限、話者を区別するか

数字付きの説明はネット上に多く出回っていますが、上のものは公式ページで裏が取れませんでした。書かれていないことを書かないほうが、あとで困りません。

仕様は2026年9月2日時点の公式サイトの記述に基づきます。OSのバージョンで名前や場所が変わるので、お手元でご確認ください。

よくある質問

Windowsの標準機能で音声ファイルを文字起こしできますか

音声入力(Windowsキー+H)はマイクからのリアルタイム入力専用で、音声ファイルを読ませる機能は公式に案内されていません。ファイルから文字起こしをするなら、Microsoft 365 のWordにあるトランスクリプト機能を使います。

Wordの文字起こしは無料で使えますか

使えません。Microsoft 365 のサブスクリプションが必要で、月あたり300分までという上限があります。日本語に対応しており、話者を区切って表示します。ブラウザは新しいEdgeとChromeのみです。

Macで音声ファイルを文字起こしするにはどうすればいいですか

ショートカットアプリの「オーディオを文字起こし」というアクションが使えます。音声ファイルからテキストを生成するもので、iOS 17・macOS 14で追加されました。Macのボイスメモにも文字起こしがあり、macOS 15以降のAppleシリコン搭載機で日本語に対応しています。

Windowsのサウンドレコーダーで録音したファイルはどこに保存されますか

公式FAQは「録音はサウンド レコーダー アプリ内に格納されます。アプリをアンインストールした場合、録音は削除されます」と書いているだけで、ディスク上のフォルダのパスは記載を確認できませんでした。ファイルとして手元に置きたいときは、一覧の録音を右クリック(長押し)して「共有」から書き出してください。メールアプリで添付ファイルを選ぶときに「サウンド レコーダー」を選ぶ経路も公式に案内されています。PCを入れ替える前に取り出しておかないと消えます。

Windowsのサウンドレコーダーは何時間まで録音できますか

公式FAQに「録音ファイルごとに最大3時間オーディオを録音するために使用できるアプリです」と書かれています。半日の研修や終日のワークショップは1本に収まりません。なお、3時間を超えて録り続けようとしたときに実際に何が起きるかは、公式に記載を確認できませんでした。長い会議は、休憩のところで区切る前提で計画してください。

サウンドレコーダーの一時停止と停止は何が違いますか

一時停止(Space)は同じ録音の続きとして再開できます。停止(Esc)すると録音が一覧に追加され、次に「記録の開始」を押すと別の録音になります。休憩のたびに停止すると、1本の会議が細切れのファイルに分かれます。中断して戻る予定があるなら停止ではなく一時停止です。録音の開始はCtrl+Rです。

パソコンで再生している音(内部の音)を録音できますか

Windowsは、オーディオアダプタがハードウェアのループバックデバイスを持っていれば録れます。Microsoftは「すべてのオーディオアダプタにループバックデバイスがあるわけではない」と明記していて、あるかどうかは機種とドライバー次第です。ある場合は control mmsys.cpl を実行し、録音デバイス一覧を右クリックして「無効なデバイスの表示」を確認、見つかったデバイスを「有効」にして「既定のデバイスとして設定」する、という手順が公式に案内されています。著作権保護(DRM)が掛かった音声は、信頼された音声ドライバーが取り込ませないと書かれているので録れません。

「ステレオミキサー」が見つかりません

「ステレオミキサー」はWindowsが決めた正式名称ではありません。Microsoftはループバックデバイスの名前がベンダーごとに違うとしていて、例として Stereo Mix / Waveout Mix / Mixed Output / What You Hear を挙げています。名前が統一されていないため一覧から見つけるのが難しい場合がある、とMicrosoft自身が認めています。そもそも機器に載っていなければ、無効なデバイスを表示しても出てきません。なお、この名前を説明したMicrosoftの一般利用者向けヘルプページは確認できませんでした。

Macで画面の音やMac内部の音を録音できますか

Macの標準機能だけで内部の音を録音する手順は、公式に記載を確認できませんでした。「スクリーンショット」(Shift+Command+5)のオプションで音声に関わるのはマイクだけで、内部の音を収録する項目はありません。QuickTime Playerの「新規画面収録」は「スクリーンショット」を開くだけなので範囲は同じ、「新規オーディオ収録」で選べるのもマイクと品質の2つだけです。Macのライブキャプションはコンピュータのオーディオも字幕にできますが、字幕を保存する機能は公式に記載がありません。

Macのボイスメモの録音をファイルとして取り出すには

録音をFinderウインドウにドラッグすると、選択したフォルダに保存できます。メール・メモ・メッセージへ直接ドラッグすることもできると公式ユーザガイドに書かれています。編集した録音を保存するときは注意が必要で、「録音を保存」を選ぶと元の録音が上書きされます。元も残したいときは「新規録音として保存」を選んでください。

Web会議の音声はパソコンの録音アプリで録れますか

会議ツール側の録画機能を使うほうが確実です。相手の声が経路から直接入り、保存先が決まっていて、参加者に通知が出ます。Teamsは「録音するものを選択」で「オーディオのみ」を選べ、Zoomのローカル録音は音声だけの audio[番号].m4a を書き出します(ただしローカル録音では文字起こしがサポートされないと公式が明記しています)。Google Meetの録画は合計8時間までで、Workspaceの対応エディションか個人向けの Google One(2TB以上)が必要です。録っていいかどうかは機能とは別で、社内規程や相手先の規則が効きますし、個別の判断は弁護士にご確認ください。

録音しても音が入っていません。どこを見ればいいですか

Windowsは「設定 > システム > サウンド」の「入力」で、使いたいマイクが既定の録音デバイスになっているかを確認します。デバイス右の「>」からプロパティを開き、「マイク テスト」で「テストの開始」→話す→「テストの停止」→「再生」で拾えているか確かめられます。許可は「設定 > プライバシーとセキュリティ > マイク」ですが、デスクトップアプリは一覧に出てこないので「デスクトップ アプリがマイクにアクセスできるようにする」をオンにします。Macは録音アプリを終了してから「システム設定 > プライバシーとセキュリティ > マイク」で該当アプリをオンにするのがAppleの公式手順です。

Windows標準でWord以外に文字起こしする方法はありますか

Clipchampの自動キャプションが使えます。音声を含む動画とオーディオのアセットに使えるので、音声だけのファイルでも動きます。マイメディアから読み込んでタイムラインへドラッグし、プロパティパネルの「キャプション」タブで自動キャプションをオンにして言語を選び、「メディアのトランスクリプトを作成する」を押すと生成され、「キャプションのダウンロード」で .SRT ファイルを保存できます。ただし字幕ファイルなので話者のラベルも要約も付きません。無料で使えるか(有料プランの要否)は公式ページに記載を確認できませんでした。

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