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選び方と比較

ZMEETINGは「時間」でも「人数」でもなく、同時開催数で売っている

購入ライセンス数がそのまま同時に開催できる会議の数で、使うユーザー数には上限がありません。部門に人が多くて会議が重ならない組織では、時間で売る他社と費用の出方がまったく変わります。ただし話者分別はSプランに含まれません。

Hmcomm株式会社が出しているAI議事録サービスです。総代理店はSB C&S株式会社で、音声認識は産業技術総合研究所発の技術を使っていると説明されています。認識率は90%以上と記載があります。この数字が何を測ったものかは製品ごとに違うので、比べる前にAI議事録が中で何をしているかを押さえておくと読み違えが減ります。

この製品を検討するうえで、まず押さえるべきは料金の作りです。この分野のほとんどのサービスは「時間」か「人数」で売っていますが、ZMEETINGはどちらでもありません。

課金の軸が、他社と違います

公式の説明はこうです。「購入ライセンス数=同時に開催できる会議の数というシンプルなプラン設計。利用するユーザ数に上限を設けていないため、課や部門単位で導入しやすく、また利用状況に応じてライセンスの追加購入が可能」。

つまり費用が増える要因は、同時に走る会議の本数だけです。使う人が10人でも100人でも、会議が同時に3本までしか重ならないなら3ライセンスで足ります。

課金の軸費用が増える条件
ZMEETING同時開催数会議が重なる本数が増える
YOMEL時間月の記録時間が増える
toruno時間月の記録時間が増える
Rimo Voiceアカウント数使う人が増える

この違いは、組織の形によって有利にも不利にもなります。有利なのは、人数が多くて会議が分散している部門です。50人の部署で全員が使うけれど、会議は昼と夕方に1本ずつしか重ならない、という状態なら、人数で課金するサービスより大幅に安くなる可能性があります。

不利なのは、会議が同じ時間帯に集中する組織です。月曜の朝10時に定例が5本並ぶような運用だと、5ライセンスが要ります。実際に何ライセンス必要かは、いまのカレンダーを見れば見積もれます。導入を検討するなら、1週間ぶんの予定表を開いて、同時に走っている会議の最大本数を数えるのが最初の作業です。

人数が多く会議は分散向くライセンスは少なくて済む決まった時間に会議が集中要検討同時本数ぶん必要になる少人数で会議が多い向かない時間で売る他社が有利
課金の軸が違うので、有利不利がはっきり分かれます。

なお、金額は公開されていません。3プランがあることと、「プラン×ライセンス数でご注文ください」という注文の形だけが書かれていて、価格は問い合わせか資料請求で確認する形です。

話者分別は、Sプランに含まれません

ここは見落とすと痛い部分です。公式サイトの機能説明には、繰り返し「※M、Lプランの場合」という注記が付いています。整理するとこうなります。

機能SプランM・Lプラン
リアルタイム文字起こしありあり
辞書機能ありあり
話者分別なしあり
音声の録音なしあり
感情認識なしあり
多言語翻訳なしオプションで追加

会議の記録で「誰が言ったか」が要るなら、Sプランは候補から外れます。同じく、音声の録音がSプランに無いというのも実務では効きます。文字起こしの抜けや誤変換を確かめるには元の音声が要りますが、Sプランではそれができません。公式も「M、Lプランは音声録音にも対応しており、文字起こしの抜け漏れチェックに便利です」と、そこを機能差として説明しています。

多言語翻訳は、M・Lプランのオプションという位置づけです。日本語と英語に加えて、中国語(簡体・繁体)、韓国語、ベトナム語、タイ語、ドイツ語から3言語を選ぶ形と説明されています。英語のみ対応のYOMELと比べると、選べる言語の幅は広いほうです。

公式が、話者がずれる条件を自分で書いています

推奨動作環境のページに、この分野では珍しい記述があります。マイクについての注意書きです。

イヤホンマイクをご利用ください。PCのスピーカー、マイクを利用するとほかのユーザの音声が入ってしまう可能性があります。→ 実際の話者とZMEETING上の話者が異なる現象が発生してしまいます。

話者がずれるという現象を、事業者が自分の推奨環境ページに書いているのは誠実です。多くのサービスは「高精度な話者識別」とだけ書いて、崩れる条件には触れません。

起きていることは単純です。Aさんのパソコンのスピーカーから出たBさんの声を、Aさんのマイクが拾ってしまう。するとその発言は「Aさんの声」として記録されます。話者分離が外れる壊れ方にはいくつか型がありますが、これはそのうち録る側の環境で起きる型です。エンジンの性能を上げても直りません。

対策も同じページに書かれているとおりで、イヤホンマイクかヘッドセットを使うことです。これはZMEETINGに限った話ではなく、Web会議を参加者ごとに録るタイプのサービス全般に当てはまります。マイクを足すかどうかの判断にも同じことを書きました。

対面とオンプレミス

対面の会議への対応も明記されています。手順は「1台のPCでZMEETINGにアクセスする」「PCに集音マイクをつけて会議音声を取得する」というもので、机の上に集音マイクを置いて1台で録る形です。ICレコーダーなどで録った音源からの文字起こしにも使えるとされています。

Web会議での使い方は2通り示されています。参加者全員がZMEETINGにアクセスする方式と、会議オーナーだけがアクセスする方式です。前者のほうが話者の分離は正確になるはずですが、参加者全員に操作をお願いすることになります。相手先を巻き込めない商談では、後者を選ぶことになります。

もう一つの選択肢がオンプレミス版です。「オンプレZMEETING」という製品があり、東京科学大学が開発した日本語の大規模言語モデル「Swallow」を搭載していると2025年7月に発表されています。2026年9月には、Voice AI Agent Platform構想に基づくオンプレミス型議事録作成基盤についてのリリースも出ています。

クラウド版でも、会議の記録をクラウドに保存しない設定が可能と案内されています。音声を外部に置けない規定がある組織にとっては、この2つは検討の入口になります。通信しない構成を選ぶ場合の考え方は別の記事にまとめてあります。

セキュリティ機能として挙げられているのは、待機室機能、認証要求、退出機能、ユーザーの登録と削除、外部連携許可機能、IPアドレス制限です。待機室と退出機能があるのは、会議そのものへの参加を制御する発想で、記録の保護というより会議の運営に近い機能です。

公式が数字を出していない項目

項目状態
料金非公開(プラン×ライセンス数で注文)
S・M・Lプランの完全な機能差一部のみ記載(「プランの詳細はお問い合わせください」)
無料トライアルの有無記載を確認できず
セキュリティ認証(ISO27001等)記載を確認できず
データの保管場所・保管期間記載を確認できず
90%以上という認識率の測定条件記載なし
スマートフォン・タブレットでの利用よくある質問に項目はあるが、内容は展開されていない

無料トライアルについての記載が見当たらないのは、検討する側にはやりにくい点です。話者分別の実際の出来や、自社の会議室のマイク環境で成立するかどうかは、試さないと分かりません。問い合わせるときに、試用ができるかどうかを最初に確認してください。

認識率90%という数字にも条件が書かれていません。この分野の精度の数字は測り方で変わるので、条件の記載がない数字は目安として読むのが安全です。

向く場面・向かない場面

向く

  • 部門に人は多いが、会議が同じ時間に重ならない。この条件で費用が最も効きます
  • 英語以外の外国語が混ざる。中国語・韓国語・ベトナム語・タイ語・ドイツ語から選べます
  • 音声を社外に出せない。オンプレミス版と、クラウドに保存しない設定があります
  • アカウントを配る手間を省きたい。ユーザー数に上限がありません
  • 対面の会議も録りたい。1台のPCと集音マイクで対応できます

向かない

  • 予算を先に固めたい。料金が公開されておらず、必要ライセンス数も自分で見積もる必要があります
  • いちばん安いプランで話者を分けたい。Sプランに話者分別と録音が含まれません
  • 少人数で会議が多い。この形では、時間で売るサービスのほうが安くなることがあります
  • 契約前に自分の会議で試したい。無料トライアルについての記載を確認できませんでした
  • ISO27001が導入の条件。認証についての記載を確認できませんでした

内容は2026年9月1日時点の公式サイト(zmeeting.hmcom.co.jp)の記載です。変わることがあるので、契約前に公式でご確認ください。

よくある質問

ZMEETINGの料金はいくらですか

公式サイトに金額の記載はありません。S・M・Lの3プランがあり、「プラン×ライセンス数」で注文する形だと案内されています。詳細は問い合わせか資料請求で確認することになります。総代理店はSB C&S株式会社です。

ライセンスの数え方はどうなっていますか

購入したライセンス数が、同時に開催できる会議の数になります。利用するユーザー数には上限がないと明記されているので、人数が多くても会議が重ならなければライセンスは少なく済みます。

話者を分けて記録できますか

MプランとLプランのみです。Sプランには話者分別が含まれません。音声の録音、感情認識、多言語翻訳オプションも同じくM・Lプランの機能とされています。

対面の会議でも使えますか

使えます。公式は「1台のPCでZMEETINGにアクセスし、PCに集音マイクをつけて会議音声を取得する」という手順を示しています。ICレコーダーなどの音源からの文字起こしにも対応しています。

オンプレミスで使えますか

「オンプレZMEETING」という製品があります。東京科学大学が開発した日本語大規模言語モデル「Swallow」を搭載していると発表されています。クラウド版でも、会議の記録をクラウドに保存しない設定が可能と案内されています。

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