SwitchBot AIマインドクリップ——スマートホームの会社が出したレコーダー
税込19,980円、64GBで最大20時間、話者識別あり。有料プランは月払い1,980円から、録音の保存先はシンガポールです。2026年8月に出た機種を、SwitchBotを既に使っている人にとっての意味と、確認できなかった項目も含めて整理しました。

スマートホームの製品で知られるSwitchBotが、2026年8月19日に発売したAIボイスレコーダーです。税込19,980円で、この分野では安いほうに入ります。発売当初は予約注文で「9月下旬より順次発送」の表示でしたが、2026年10月8日時点の公式ストアでは発送予定日が翌日(10月9日)になっていて、いまは待たずに手に入ります。
この記事の内容(12項目)

仕様
公式の仕様欄にある項目を、抜かずに並べます。寸法・材質・通信方式・動作温度まで載っている一覧は、ほかで見かけませんでした。数字は公式の値のままです。仕様欄に無い項目(集音距離・対応言語・待機時間・保存先)は、公式サポートの記載から足しました。
| 項目 | 公式の値 |
|---|---|
| 価格 | ¥19,980(税込) |
| 色 | ディープスペース/ルナホワイト |
| 寸法 | 50×29×18.5mm |
| 重さ | 16.8g |
| 材質 | アルミニウム合金+ABS |
| 容量 | 64GB(録音データで最大約5,000時間ぶん) |
| 連続録音 | 最大20時間(録りながらBluetoothで同期し続けると約14時間) |
| 待機 | 最長40日 |
| 通信 | 2.4GHz Wi-Fi + Bluetooth 4.2 |
| 入力 | 5V=1A |
| 動作温度 | 0〜40℃ |
| 集音距離 | 約3m(静かな会議室では4〜5m離れても録れた、と公式サポート) |
| 話者識別 | 対応 |
| 対応言語 | 30以上(日本語を含む) |
| 操作 | 本体のスライドスイッチで録音の開始・終了 |
| 画面 | あり(アプリで入力したテキストを表示。SwitchBot API でニュースや株価も) |
| 使うアプリ | AIマインドクリップ専用アプリ+Web版(デスクトップ版は予定なし) |
| 保存先 | AWSのシンガポール(アジア地域のユーザー) |
| 保証 | 1年間+安心保証サービス。国内サポートデスク(電話・メール・チャット) |
録音は充電中にクラウドへ送られ、アップロードが済むと本体からは消えます。USB-C端子は充電専用で、ここから録音を直接取り出すことはできません。音声はアプリからMP3かWAVで書き出せ、文字起こしと要約はテキスト・PDF・Wordで出せます。
料金プラン
無料枠は毎月300分です。有料プランは2つあり、発売時の公式リリースに料金表が載っています。月払いがあるので、1か月だけ試すこともできます。
| プラン | 料金(税込) | 文字起こし |
|---|---|---|
| スターター | 0円 | 月300分 |
| プレミアム | 月払い1,980円/6か月9,980円/年払い15,980円 | 月1,200分 |
| アンリミテッド | 年払い36,980円 | 上限なし(1日24時間まで) |
公式サポートでは、プレミアムが「Proプラン」と書かれています。指しているのは同じ1,200分のプランです。この1,200分は暦の月ではなく30日ごとに付与され、使い残しは次の周期へ繰り越されません。無料の300分は毎月付き、使う順番は「無料枠 → プランの枠 → 買い切りパック」と公式サポートに書かれています。
分数の買い切りパックもあります。600分¥1,380/3,000分¥6,580/6,000分¥12,980で、月額を契約せずに足りない分だけ買えます。買い切りパックに有効期限があるかは、公式に記載を確認できませんでした。まとめ買いを考えるなら、購入前に問い合わせてください。
初めてプランに加入する人には、少なくとも1か月分の無料期間(1,200分)が付くと公式サポートにあります。2026年9月12日以降に本体を買った人が使えるのは、プレミアム(月払い)の期間限定の無料トライアルです。終わる前に解約しなければ、通常の価格で自動更新されます。
この記事の9月1日時点の版では「月払いのプランは公式のプラン表に見当たらない」と書いていました。発売時の公式リリースの段階で月払い1,980円は載っており、こちらの見落としです。訂正します。
要約のAIを選べる、記録を外へ渡せる
1つめ、要約に使うAIを選べます。公式ページに「要約にはChatGPT、Claude、Geminiなど、複数のAIモデルから選択できます」と書かれています。PLAUDも料金表にGPT-5.5・Gemini 3.1 Pro・Claude Sonnet 4.6などのモデル名を並べていて、この分野では中で使うモデルを明かす機種が増えてきました。同じ録音を別のモデルに通すと結果が変わるので、議事録の書きぶりが合わないときに打つ手があるということです。
2つめ、OpenAPI CLI での連携が公式に案内されています。記録を自分のAIツールやワークフローへ渡す道が用意されているという意味です。公式サポートによると、OpenAPIで取れるのは文字起こし・要約・ToDoなどのテキストだけで、音声ファイルそのものは渡さない作りです。MCP接続の案内は、公式サポートでは見つかりませんでした。ChatGPTやClaudeから会議の記録を引く話はこちらにまとめています。
そのほか、公式が挙げている機能は「毎日の振り返り」「週間サマリー」、会話からのToDo抽出、Appleカレンダー・Appleリマインダー・Googleカレンダーへのワンタップ追加です。要約のテンプレートは30種類で、録音の内容に合うものをAIが選びます。
保存先はシンガポール、学習には使わない
社外の会議で使うつもりなら、ここは先に読んでおく項目です。公式サポートには、クラウドにAmazon Web Servicesを使い、アジア地域のユーザーのデータはシンガポールのリージョンに保存すると書かれています(ヨーロッパはドイツ、北米は米国)。日本国内ではありません。社内の規程で保存先の国が決まっているなら、ここで条件から外れることがあります。
学習については、「すべてのデータはいかなるモデル学習にも使用されません」と公式サポートに明記があります。データは本人のクラウドアカウントに保存され、アクセスできるのは本人だけ、とも書かれています。
消すときの扱いも書かれています。自分で削除しない限り記録は残り続け、アカウントを削除した場合は最長30日で、録音と文字起こし・要約・ToDoまでまとめて消えます。認証は EN 18031、ISO 27001、ISO 27701 を取得していると公式サポートにあります。
2年で払う総額
本体が安くても、月額を足すと順位が変わります。2年使う前提で計算します。
| 本体(税込) | プランを2年ぶん | 2年の総額 | |
|---|---|---|---|
| 年払いのプレミアム | ¥19,980 | 年¥15,980×2=¥31,960 | ¥51,940 |
| 月払いのプレミアム | ¥19,980 | 月¥1,980×24=¥47,520 | ¥67,500 |
| 無料枠だけで使う | ¥19,980 | ¥0 | ¥19,980 |
| 買い切りパックを足す | ¥19,980 | 6,000分¥12,980 | ¥32,960 |
無料枠だけで済むなら、2年で2万円です。月300分=5時間なので、週1本の1時間の会議なら収まります。
有料にすると、年払いでも2年で5万円を超えます。総額は本体価格の約2.6倍で、プランの側だけで本体の1.6倍になる計算です。本体の安さは、総額ではあまり効きません。
そこで効いてくるのが4行目です。分数の買い切りパックがあるので、月額を契約せずに必要な分だけ買えます。月に数本しか会議がないなら、この形が安く済みます。
月額と買い切りの、分かれ目
どちらが安いかは、月に録る時間で決まります。計算してみます。どの形でも、最初の5時間は無料枠から使われます。
年払いの15,980円は月あたり約1,332円で、月1,200分(20時間)が足されます。使い切れば1時間あたり約67円です。月払いの1,980円なら1時間あたり約99円、6か月払いなら約83円になります。
買い切りは6,000分12,980円で、1時間あたり約130円。単価ではプランのほうが安いですが、プランは使わない月も払い、残った分は30日で消えます。買い切りは使った分だけで済みます。
| 月に録る時間 | 安く済む形 |
|---|---|
| 〜5時間 | 無料枠だけ |
| 5〜15時間 | 買い切りパック |
| 15〜25時間 | 年払いのプレミアム |
| 25〜38時間 | 年払いのプレミアム+買い切りパック |
| 38時間を超える | アンリミテッド |
| 1か月だけ20時間を超えて録る | 月払いのプレミアム |
年払いと買い切りの分かれ目は、月15時間あたりです。無料の5時間を超える分が10時間ほどなら、買い切りの約1,300円と年払いの月あたり約1,332円がほぼ並びます。使う量が読めないなら、まず無料枠で1か月試して実績を数えてください。月払いのプレミアムは、出張や研修で録る時間が一時的に増える月に向きます。
この価格帯では安い
同じ2026年の新機種と並べると、位置がはっきりします。本体価格・連続録音・重さの3点で並べます。
| 本体価格 | 連続録音 | 重さ | |
|---|---|---|---|
| SwitchBot AIマインドクリップ | ¥19,980 | 20時間 | 16.8g |
| Anker Soundcore Work | ¥26,990(64GB)※ | 本体8時間/ケース込32時間 | 本体10g |
| PLAUD NotePin | ¥27,500 | 20時間 | 16.6g |
| Notta Memo(標準) | ¥23,500 | 30時間 | 28g |
※Ankerは8GBモデル(¥24,990)もありますが、2026年10月8日時点の公式ストアでは在庫切れの表示です。
本体価格で3,500〜7,500円の差があります。無料枠は月300分で、Anker・PLAUDと同じです。Notta Memoは購入者向けの特典が月600分に増えていて、無料で使える量はNottaが多くなりました。一方で、連続20時間は突出した値ではありません。終日の研修を録りっぱなしにするような使い方だと、Ankerのケース込み32時間やNotta Memoの30時間のほうが余裕があります。
「クリップ型」を選ぶ意味
この製品の形は、上部の輪を襟やストラップに留めるクリップ型です。16.8gという重さは、身につけて気にならない範囲に入ります。
クリップ型が効く場面は3つです。
- 立ち話。廊下や現場で、手が塞がっている状態
- 移動中。歩きながらの打ち合わせ
- 机がない場所。倉庫、工場、屋外
逆に、会議室の机に置く使い方なら、クリップである必要はありません。机に置くなら据え置き型のほうがマイクを離して配置できるので、音の広がりを記録しやすくなります。公式の集音距離が約3mなので、大きな会議室の端の声まで拾う用途には向きません。
自分がどちらの使い方かを先に決めてください。両方ある場合は、机に置く会議はスマートフォンで済ませて、専用機を身につける用途に絞るのが現実的です。
SwitchBotを既に使っているなら
この製品を選ぶ理由として、実質的なのはここだと思います。アカウントが共通です。SwitchBotのハブやカーテンを使っているなら、同じアカウントでそのまま始められます。新しいサービスに登録しなくていいのは、道具を増やすときの摩擦としては小さくありません。
ただし、アプリは別です。公式サポートによると、管理にはAIマインドクリップ専用のアプリを使い、デバイスもこの専用アプリから追加することが勧められています。SwitchBotアプリの中にレコーダーが混ざって表示されることはありません。SwitchBotを使っていない人にとっては、この点はそもそも効きません。純粋に価格と仕様で他と比べることになります。
確認できなかったこと
正直に書いておきます。公式サイトとサポートで確認できなかった項目があります。3つです。
- 通話録音の可否。記載を見つけられませんでした。電話の記録が目的なら、購入前に問い合わせてください
- マイクの数。集音距離(約3m)は公式サポートにありますが、マイクの構成は書かれていません
- 買い切りパックの有効期限
9月1日の時点では、集音距離と対応言語の数も確認できませんでした。その後、公式サポートに記載が増えたので仕様の表に入れています。書かれていないものを、こちらで推測して埋めることはしません。公式に載った時点で、この記事も直します。
買う前に確かめたほうがいいこと
新しい機種なので、実際の使用報告がまだ多くありません。次の2つは自分で確かめる価値があります。まず、話者分離の実力。「話者識別に対応」と書いてあっても、対面の会議で3人以上が話す場面では、どの製品でも崩れます。声質の近い人が同じ人にまとめられる、という壊れ方は仕組み上避けにくい(2つの壊れ方)。次に、固有名詞の精度。社名や製品名が化けるかどうかは、実際の自分の会議で試さないと分かりません。
もう1つ、文字起こしは録り終えてからです。リアルタイム文字起こしは「まだ開発中」と公式サポートに書かれています。会議の途中で画面に文字を出したい使い方には、いまは合いません。
その前に、iPhoneで足りないか
本体を買う前の順番として書いておきます。机に置ける会議しかないなら、手持ちのスマートフォンで同じ結果になることがあります。専用機が効くのは、身につけて録りたい場面(立ち話・移動中・現場)と、電池と容量を気にしたくない場合です(確かめ方)。比べる相手になる標準の録音機能は、iPhoneにもAndroidにも最初から入っています。
2026年に出た機種の一覧はこちら、機種を横断した選び方はAIレコーダーはどれを買うかにあります。仕様と価格は2026年10月8日時点の公式ページ・公式サポート・発売時の公式リリースの記載です。
よくある質問
SwitchBot AIマインドクリップの価格はいくらですか
公式サイトの表示で税込19,980円です。2026年8月19日発売で、この記事で扱っている機種の中ではいちばん安い部類になります。
話者識別には対応していますか
対応しています。公式は「複数人の会議や商談も発言者ごとに区別」と説明しています。ただし対面の会議では、どの製品でも声質の近い人がまとめられる崩れ方が起きます。
無料でどれくらい使えますか
毎月300分の無料枠があります。有料のプレミアム(公式サポートでは「Proプラン」と表記)は月払い1,980円・6か月9,980円・年払い15,980円で月1,200分、アンリミテッドは年払い36,980円で上限なし(1日24時間まで)です。分数の買い切りパックも600分1,380円から選べます。
録音したデータはどこに保存されますか
公式サポートによると、クラウドはAmazon Web Servicesで、アジア地域のユーザーのデータはシンガポールのリージョンに保存されます。日本国内ではありません。録音データをモデルの学習に使わないことも、公式サポートに明記されています。
SwitchBotアプリで使えますか
使うのはAIマインドクリップ専用のアプリです。アカウントはSwitchBotアプリと共通なので、新しく登録し直す必要はありません。パソコンからはWeb版で記録を確認・編集できます。
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