Recoryで会議の何が変わるか、全部書く
録音を止めると議事録ができている、の中身をとことん解説します。録る前・録音中・止めた瞬間・会議のあと・積み上がってから。5つの場面ごとに、何がどう変わるかを作っている側から書きました。

普段は「できないこと」ばかり書いているので、今回は逆をやります。できることを、全部書きます。作っている側なので、良いことだけ並べる記事にはしたくありません。そこで会議の時間順に、「その場面で何が変わるか」→「なぜそうなるか」→「根拠」の順で書きます。盛っていないことは、仕組みまで書いてあることで判断してください。
この記事の内容(24項目)
- 場面1. 録る前 —— 準備を減らす
- 録音まで、1タップ
- 名簿と単語帳を、先に渡しておける
- 場面2. 録音中 —— 画面を伏せたまま
- ロック画面に「録れている」が見える
- 大事な瞬間に、マークを1つ
- 録音は短い間隔で区切って保存している
- 長い会議の途中で、「ここまでのまとめ」
- 場面3. 止めた瞬間 —— ここが本体
- 録音を止めると、議事録ができています
- 宿題に、担当と期限が付く
- 会議の種類で、章立てが変わる
- 場面4. 会議のあと —— 確かめて、直して、送る
- 議事録の行から、音声に戻れる
- 話者が潰れたら、打ち直せる
- 直しは、AIにも自分にも頼める
- 過去の議事録に、質問できる
- 送り先は、SlackとNotionとテキスト
- 場面5. 積み上がってから —— 資産になる
- 外のAIから、議事録が読める
- 音声の保存期間は、自分で決められる
- 会議の内容が、どこへ行くかを全部書いてある
- 料金
- できないことは、別に全部書いてある
場面1. 録る前 —— 準備を減らす
録音まで、1タップ
会議が始まる直前は、いちばん慌ただしい時間です。アプリを探して、開いて、ボタンを押す——その間に話が始まります。Recoryは録音の入口をiPhoneの外側に置いてあります。
- アクションボタン(iPhone 15 Pro以降)に割り当てられる
- コントロールセンターとロック画面のコントロールから1タップ
- Siri(「Recoryで録音」)とショートカット
机にiPhoneを置いて、横のボタンを押すだけ。アプリを開く工程ごと消してあります。押してから録音が始まるまでの待ちも無いので、最初の一言から入ります。
名簿と単語帳を、先に渡しておける
AIの文字起こしがいちばん外すのは固有名詞です。社名・人名・製品名。Recoryは会議ごとに参加者の名簿と単語帳を渡せます。名簿は敬称まで見ます——「◯◯様」と書けば先方、敬称なしは当方。日本のビジネス文書の書き分けをそのまま立場の判定に使うので、議事録の「誰側の発言か」が名簿どおりに揃います。
場面2. 録音中 —— 画面を伏せたまま
ロック画面に「録れている」が見える
会議中、iPhoneはほとんど伏せられています。そこで不安になるのが「本当に録れているのか」です。録音中はロック画面とDynamic Islandに録音の表示が出ます。しかも見えるだけではなく、一時停止・重要マーク・終了までそこから押せます。会議中にアプリを開き直す必要がありません。
大事な瞬間に、マークを1つ
「今の決定、あとで確認したい」という瞬間に重要マークを押しておくと、議事録の該当する章に★が付き、その部分が重点的に書かれます。メモを取る代わりに、ボタン1つです。会議のあとで「どこだったか」を探す時間が、ここで消えます。
録音は短い間隔で区切って保存している
これは見えない部分ですが、事故のときに効きます。録音は内部で短い間隔で区切って保存しています。だから途中でアプリが落ちても、電話が来ても、失われるのは直前のわずかな時間だけ。1時間の録音が丸ごと消える作りにはなっていません。
さらに、送信が終わっても録音を即削除せず、端末内の控えに7日残します。この控えは「ファイル」アプリからも見えます(このiPhone内 → Recory)。こちらのアプリに不具合があっても、音声だけは必ず取り出せるようにするためです。
長い会議の途中で、「ここまでのまとめ」
2時間の会議の途中、「いま何が決まってる状態だっけ」となることがあります。録音を止めずに、ここまでの内容をその場でまとめられます(有料プラン)。後半の議論を、前半の決定を踏まえて進められます。
場面3. 止めた瞬間 —— ここが本体
録音を止めると、議事録ができています
文字起こしではなく、議事録です。この差がこのアプリの本体なので、少し丁寧に書きます。文字起こしは1時間の会議で3万字前後になります。それを渡されても、誰も読みません。Recoryは文字起こしの上に、決まったこと・決まらなかったこと・宿題に分かれた議事録を作ります。
しかも内部では2回書いています。1回目で内容を全部拾い、2回目でそれを読みやすく整える。書くことと整えることを分けると、分量と形が安定するからです。この理屈はAIの要約が「意見交換が行われた」になるのはなぜかに書きました。うちはそれをアプリの中でやっています。
宿題に、担当と期限が付く
議事録の中の宿題(アクションアイテム)は、誰が・いつまでにの形で出ます。社外の会議では、担当は「自社」「相手先」の2択です。中途半端に名前を推測させると逆に振られる事故が起きるので、選択肢を2つに絞ってあります。2択なら、逆になっていても一目で分かります。
会議の種類で、章立てが変わる
商談・定例・面談・取材。会議の種類によって、残すべきものは違います。Recoryは章立てのひな形を会議の種類で選べます。定例なら「前回の宿題 → 進捗 → 今回の決定 → 新しい宿題」の順で出る、という具合です。
場面4. 会議のあと —— 確かめて、直して、送る
議事録の行から、音声に戻れる
AIの文字起こしは、実勢で90〜95%の精度です。裏を返すと、1時間の会議で数百か所は間違っているということです。だから、疑わしい行をその場で確かめられるかがすべてです。Recoryは議事録・文字起こしの各行に音声の時刻が紐づいていて、タップすればその瞬間の音声に飛べます。1時間の会議で確認が要るのはふつう3〜5か所。2〜3分で検算が終わります。確かめられない議事録は、結局全部信じるしかなくなります。この考え方はAI議事録の精度は3つあるに書きました。
話者が潰れたら、打ち直せる
対面の会議では、全員の声が1本のマイクに混ざって届きます。声質が近い人は同じ話者にまとめられることがあり、これはどの製品でも起きます。うちでも起きます。違いは、そのあとです。Recoryには「ハイブリッドで聞き直す」があり、同じ音声を別系統のエンジンで起こし直せます(有料プラン・利用時間を3倍消費)。私たちの実測では、5人の会議が3人に潰れた録音を別系統に通したら6つに分かれました。6は正確ではありませんが、割れは人が直せます。潰れは直せません。多くの道具は1回処理して終わりです。外れたときに手が残っているかが、実務ではいちばん効きます。
直しは、AIにも自分にも頼める
議事録はそのまま使えることもあれば、直したいこともあります。本文は自分で編集できますし、AIに修正や作り直しも頼めます。「この章をもっと短く」「アクションアイテムを表に」のような指示です。
過去の議事録に、質問できる
「A社との商談で価格の話が出たのはいつだっけ」——議事録が溜まってくると、探すより聞くほうが早い場面が増えます。アプリの中で、過去の会議に質問できます。答えには元の会議が示されるので、そこから議事録に戻れます。
送り先は、SlackとNotionとテキスト
できた議事録はSlackへ投稿、Notionのページに投稿、Markdown・テキストで書き出しができます。社内共有はSlackに要点、蓄積はNotionに全文、メールには貼り付け——という使い分けが、そのままできます。
場面5. 積み上がってから —— 資産になる
外のAIから、議事録が読める
有料プランなら、MCP連携でClaudeやChatGPT、Cursorから自分の議事録を読ませられます。読めるのは会議の一覧・検索・議事録・文字起こし・タスク・案件の6種類で、すべて読み取り専用。「この3か月で、価格を理由に止まった案件は」のような、検索窓では出せない横断の問いに答えられるようになります。他社がどんな形でAIに繋いでいるかは5社の接続方法の比較にまとめました。
認証はOAuthです。固定のURLを登録して、ブラウザでログインして許可する形なので、接続先に合言葉を貼り付ける必要はありません。許可は接続先のアプリからいつでも取り消せますし、アプリの設定からも失効させられます。以前は「URLに合言葉を埋め込む」方式でしたが、2026年8月に廃止しました。URLに認証情報を入れると、アクセスログやブラウザの履歴に残り続けるためです。
音声の保存期間は、自分で決められる
音声は既定で14日後に自動的に消えます。設定で7日に縮めることも、プランの上限(ライト90日/スタンダード180日/Pro 365日)まで伸ばすこともできます。1on1や人事の面談のような長く持ちたくない録音は既定のままで消え、聞き直したい会議だけ伸ばす、という持ち方ができます。文字起こしと議事録は、音声が消えたあとも残ります。
会議の内容が、どこへ行くかを全部書いてある
音声は文字起こしと議事録の生成のため、外部の事業者へ送られます。その送信先はプライバシーポリシーに6社、実名で書いてあります。いずれも有料プランでの利用で、送ったデータはAIの学習に使われません。広告識別子は取得していません。録音を外部に出せない職場では使えない、ということでもあります。そこは隠しません。
料金
- お試し: 1回60分の会議をひとつ、議事録まで無料
- ライト ¥980/月: 議事録つきで月600分/文字起こしのみなら1,200分
- スタンダード ¥1,480/月: 議事録つき1,200分/文字起こしのみ2,400分
- Pro ¥2,480/月: 議事録つき1,800分/文字起こしのみ3,600分
- チーム: スタンダード ¥1,500/Pro ¥2,500(1人あたり月額・税込・請求書払い)
- ライト(1週間)¥280: 議事録つき週120分/文字起こしのみ週240分。1週間だけ試したい人向け
有料プランは機能が全部同じです。ハイブリッドで聞き直す・MCP連携・ここまでのまとめも、ライトとライト(1週間)で使えます(2026年9月に揃えました)。違いは分数と、音声の保存日数(ライト90日/スタンダード180日/Pro 365日/週90日)だけ。初めて月額プランに入る月は半額(ライト¥490/スタンダード¥740/Pro¥1,240)で、2か月目から通常価格です。ライト(1週間)は対象外。
できないことは、別に全部書いてある
最後に、いつもの話です。通話の録音、Web会議への自動参加、英語の会議、iPad、チームでの一括管理——できません。Recoryにできないことに全部まとめてあるので、買う前にそちらを先に読んでください。合わない人が入ってがっかりするのが、お互いにいちばん損なので。
同じ物差しで他の道具と比べたい場合はAI議事録とは何かを先に読むと、機能名の違いに惑わされずに済みます。
対面の会議がなぜ難しいかはこちら、精度の測り方は精度は3つあるにあります。
よくある質問
Recoryは何をするアプリですか
iPhoneで会議を録音すると、文字起こしと議事録が自動でできるアプリです。議事録は「決まったこと・決まらなかったこと・宿題」に分かれ、宿題には担当と期限が付きます。対面の会議を、道具を増やさずに記録することを主眼に作っています。
無料で試せますか
試せます。お試しで1回60分の会議をひとつ、文字起こしから議事録まで通せます。自分の会議で固有名詞・話者の分かれ方・議事録の中身を見てから判断してください。
何ができないのですか
通話の録音、Web会議への自動参加(ボット)、英語の会議、iPad、チームでの一括管理には対応していません。できないことは別の記事に全部まとめてあり、そちらを先に読むことをおすすめします。
Recoryにできないこと
対面の会議をAIで記録する。選択肢は増えたが、壁は同じ
「精度98%」は何の数字か —— AI議事録の精度は3つある