商談の議事録は、初回・継続・クロージングで書き分ける
同じ「商談の議事録」でも、初回と最終提案では残すべきものが違います。フェーズごとの型と、次に進めるために必ず書いておく1行をまとめました。

商談の議事録を1つの型で書いていると、どこかで無理が出ます。初回の商談と、最終提案の場では、残すべき情報がまったく違うからです。
初回で価格の細部を詰めても意味がありませんし、クロージングの議事録に会社概要のヒアリング欄があっても埋まりません。フェーズごとに型を分けると、書く量が減って、しかも次に必要な情報が揃うようになります。
初回:相手の状況を集める
初回の商談でやることは、提案ではなく情報の収集です。だから議事録も、こちらが話したことより相手から出た情報を厚く残します。
【初回商談】◯◯社 日時: 参加:
■ 相手の状況
・現状のやり方:
・困っていること:
・きっかけ(なぜ今か):
■ 体制
・決裁の流れ:
・他に関わる部署:
■ 制約
・予算感:
・時期:
■ 聞けなかったこと
・
■ 次に進む条件
・
この型で効くのは「聞けなかったこと」の欄です。初回で全部を聞けることはまずないので、聞き漏らした項目を書いておかないと、次回また最初から探すことになります。「きっかけ(なぜ今か)」も後から効いてくる項目で、検討が始まった理由が分かっていると、案件が止まったときに何が変わったのかを追えます。
継続:条件を詰める
2回目以降は、論点が絞られてきます。ここでは経緯を書くより、動いた条件だけを残すほうが読み返しやすくなります。
【商談(第◯回)】◯◯社 日時: 参加:
■ 前回からの変化
・こちら:
・先方:
■ 今回動いた条件
・(項目)現状 → 提示 → 反応
■ 残っている論点
・(何が引っかかっているか)
■ 宿題
・[自社] (〜 )
・[先方] (〜 )
■ 次に進む条件
・
「今回動いた条件」は、現状 → 提示 → 反応の形で書くのがコツです。「単価:現行維持 → 3%減を提示 → 持ち帰り」と書いておけば、3回目に読み返したときに交渉の履歴がそのまま追えます。逆にここを文章で書くと、何がどう動いたのかが埋もれます。
クロージング:意思決定を確定させる
最終提案の議事録は、決まったことの正確さがすべてです。ここで曖昧な書き方をすると、あとで解釈が割れます。
【最終提案】◯◯社 日時: 参加:
■ 提示した最終条件
・金額:(原文のまま)
・期間:
・範囲:
■ 先方の回答
・(その場で決まったか、持ち帰りか)
■ 決裁の見込み
・誰が、いつまでに判断するか
■ 未確定のまま残ったもの
・
■ 次に進む条件
・
金額と期間は、言われた言葉のまま書いてください。「4月末を目標」を「4月末に納品」と書き直した時点で、それは記録ではなく解釈になります。同じ理由で「未確定のまま残ったもの」を空欄にしないこと。何も無ければ「なし」と書きます。ここが空白の議事録は、確認したのか単に漏れたのかが読む側に分かりません。
どのフェーズでも書く1行
3つの型に共通で入れてあるのが「次に進む条件」です。この1行が実務でいちばん効くので、できるだけ具体的に書きます。
✗ 先方の検討待ち ○ 先方が稟議を上げたら(今週中に起案予定・◯◯部長決裁)
✗のほうは、1か月経っても同じ文章のまま残ります。○なら、どこで止まっているかが読んだ瞬間に分かりますし、案件を横断して見たときに止まっている場所を集計できるようになります。
引き継ぎで足りなくなるもの
最後に、議事録では残りにくいものを書いておきます。温度感と、言っていないことです。議事録に残るのは発言された内容だけなのですが、商談で重要な情報はしばしば発言されません。予算を聞いたのに話題を変えられた。担当者は前向きだが、上長の反応が薄い。こういう情報は、意識して書かないと消えます。
引き継ぎで後任が困るのは、たいていここです。条件は議事録に書いてあるので分かる。でも「なぜこの案件が3か月動いていないのか」は、書かれていないと分かりません。
なので、各フェーズの型の末尾に、自由記述で1〜2行を足すことをおすすめします。「予算については明言を避けられた」「担当は乗り気、決裁者は未接触」。この2行が、3か月後にいちばん役に立ちます。
書き方の詳細と、担当者が逆になる事故については商談の議事録に何を残すかにまとめました。会議の種類ごとの型はテンプレート8種にあります。
担当が変わるときに何を渡すかは引き継ぎ資料に足りないのは、経緯にまとめました。
よくある質問
商談の議事録はフェーズごとに分けたほうがよいですか
分けたほうが実用的です。初回は相手の状況を集める場、継続は条件を詰める場、クロージングは意思決定の場で、残すべき情報が違います。全部を同じ型で書くと、初回で聞くべきことが抜けたり、最終提案で経緯ばかり長くなったりします。
どのフェーズでも必ず書くべきことは何ですか
次に何が起きたら前に進むか、の1行です。「先方が稟議を上げたら」「見積の再提示で」のように、進む条件を書いておくと、案件が止まったときに何が詰まっているかがすぐ分かります。
商談記録を引き継ぐときに足りなくなるのは何ですか
温度感と、言っていないことです。議事録に残るのは発言された内容だけなので、相手が答えをはぐらかした、担当者は乗り気だが上長が慎重、といった情報は意識して書かないと消えます。引き継ぎで困るのは、たいていここです。
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議事録のテンプレート8種と、項目を決めるときの考え方
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